第61話 港区立高松中学校入学式

文字数 2,106文字

春、桜が舞う季節。私は中学生になった。


お母さんや紗絵ちゃんが通った丸山台中学校ではなく、高松中学校。


白金小学校のみんなとはまた同じ学校となる。


入学式に向かう車の中で紗絵ちゃんに言われる。

懐かしいなぁー♪丸山台中学校思い出すなぁ〜♪


私がまだ小学校でお姉ちゃんが丸山台中の1年生なったばっかの頃にね、雨だからって私が傘を届けに行ったら、お姉ちゃん上級生に絡まれてたんだよね(汗)


お姉ちゃんは丸山台中一の美少女って呼ばれて、目立ってたから、先輩達に目をつけられたんだろうね(汗)


女の僻みとか妬みも入ってるんだろうけどね。


紬も、随分可愛くなっちゃったから、上級生に目をつけられないように気をつけるんだよ(笑)


そういう奴らいたら、万が一の時は私がそいつらボコってあげるから言うんだよ(笑)

(紗絵ちゃん…ボコるって…そんなことしたら、暴力事件でせっかくのガンダムの映画の主演降板なるよ…)
紗絵ちゃん…駄目だよ!(笑)


ボコるとか暴力的なことしたら、ガンダムの主演降板だし、モデルのメインから外されて、仕事なくなるよ(汗)


紗絵ちゃんの好きなお肉食べれなくなるよ?(笑)


紗絵ちゃんは一般の人と違って有名芸能人なんだから、暴れたりしちゃ駄目だよ!


もう何歳なの?歳をちゃんと考えて(笑)


ちょっと前に恵美ちゃん達に迷惑かけたばっかりでしょ(汗)忘れたの?


それこそ英玲奈さんがまた面白がって寄ってくるよ(汗)

う…。だって、おかしいじゃん?そんな奴らボコってやんないとわかんないじゃん。


でも紬の言う通りだよね…(笑)


え〜英玲奈さんとは関わりたくないなぁ…(笑)

そんなことを言いながら、学校へ着くと、校庭に誘導され車が止まる。


紗絵ちゃんの車は高級車なだけでなく、マフラーの音が結構うるさいので目立つ。


紗絵ちゃんが昔ヤンキーだったから、そういう仕様にしたがるのか、そういう車なのかはわからないけど…


そういう車のため、車が止まると周りの車から降りてきた新入生の保護者の人や私と同じ新入生には車をじーっと見られるので降りづらい…


私とは正反対に紗絵ちゃんはお構いなしに車から降りると、周りにいた保護者の人や私と同じ新入生達はざわつき出した。


悪い意味ではないと思う。


いきなり車から芸能人が出てきたらびっくりするのは普通だ。


同じ白金小学校出身の私の同級生達は知っているから、全然びっくりしてないけど、他の小学校出身の人達は、驚いていたり、中にはファンですと話しかけてくる親や子もいた。


紗絵ちゃんはひたすら愛想笑いで対応していた…


師範や千鶴さん達も到着したと紗絵ちゃんに連絡があり、合流すると、騒がれたり見られることは多いが、話しかけてくる人はいなくなった…


師範のスーツ姿が、紗絵ちゃんのSPか裏社会の組の人みたいだからだと思う…


そんな人じゃないってわかってる私ですら、最初は怖って思った…(笑)

私は紗絵ちゃん達と別れて、修也と一緒に1年生の教室に向かう。
修也は師範の息子なだけあってだいぶデカくなった。並んで歩くと私よりだいぶ身長が高い。
春休みでまた身長伸びた?身長今何センチあるの?
あ〜多分な。道場に身長計れるのあんだけど、ちょっと前に測ったら172 センチあった。


身長は父ちゃんに似てよかったわ〜顔は似なくてよかった(笑)


だって紬も見ただろ?紗絵姉が違う小学校から来た奴らとかその親とかに話しかけられまくってたのに、俺の父ちゃんと合流したら、誰も話しかけて来なくなったんだからさ(笑)


父ちゃん顔面凶器だよな(笑)


昔、遊園地で強面の方はご遠慮くださいとか言われてたの覚えてるか?(笑)


紬はおチビさんだな(笑)

そう言ってポンポンと頭を撫でられた。


バカにされた感じがちょっとムカつくけど、嬉しいのに恥ずかしい…

周りにいた知らない子達が私達を見てカップルいいなぁとか、羨ましいとか言っているのが、私には聞こえたけど、私達はカップルでもない、ただの仲の良いお隣さんか、半分一緒に生活する家族みたいな存在…
バカにしないで。私だって、157センチあるんだからね!千鶴さんと身長同じくらいなんだから。


中1の女子にしては小さくないんだから。


修也凄いね172センチか。何センチまで行くんだろうね?


2mとかデカすぎても、ちょっと引くよね(笑)


師範は何センチ?

あ〜そういや紬は母ちゃんくらいあるもんな。


2mとかさすがになりたくねーな(笑)


父ちゃん?父ちゃんは188センチあるから、でけーよな。


そういや俺紗絵姉とこの間どっちが身長でかいか並んだら、俺もう越してたんだけど、紗絵姉は何センチなんだよ?


俺に越されて紗絵姉悔しがってたよ。小さかった修也に見下ろされるのムカつくって(笑)

師範でかいね!どうりでいつもドア通るとき首曲げてるわけだ(笑)


紗絵ちゃんは168センチだから、女性にしては高身長な方なんだけど、中1の修也に負けたのが悔しいんだと思うよ?


紗絵ちゃん変なとこ負けず嫌いだから(笑)

師範の身長を聞いているうちに思ったことがある。


私のお父さんは身長は何センチだったんだろう?


どういう人だったのだろう?


ふと頭をよぎった…

※成瀬 紬 12歳


港区立高松中学校 新入生(1年生)

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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