第32話 地獄のお引っ越し
文字数 2,228文字
一部地域の街を混乱の渦に巻き込んだものの無事に沢田さんへのプレゼントを買えた紗絵ちゃんに恵美ちゃん。
その日の夜、山本家では師範と千鶴さん、修也に中島君、紗絵ちゃんに恵美ちゃんと私。大人数で焼き肉パーティーをした。お肉は紗絵ちゃんが大量に選び高そうなものばかり買っていた。
師範と修也に中島君は大喜び立った。
恵美ちゃんは前日のレッスンのランチでも、紗絵ちゃんゴリ押しで、お肉だったみたいなので、ちょっと嫌そうな顔をしていた。
中島君は今日まで泊まっていくらしく、明日は帰るらしい。
恵美ちゃんが引っ越してくることになったことを報告すると、みんな喜んでいた。
師範と修也は明日1日御手伝いさんになってください。
師範は運転手兼重たい荷物運び。修也はそれなりの荷物運び。
恵美は自宅で段ボール詰めと簡単なものの渡し方。
私は運転手兼簡単なものの荷物運び、紬は簡単なものの運び方。
という割振りにしました。
明日1日道場臨時休暇できますか?お肉食べましたよね?これすっごく高いお肉なんです。金額お伝えしますか?(笑)
その分働きましょう(笑)
紗絵ちゃんのお肉食べたから逃げられない攻撃で、師範と修也は断ることが出来ない…
中島くんだけラッキーじゃんなんて修也はきっと思ってるはず…
紗絵ちゃん凄い!!(笑)あなた、明日は臨時休暇にして、お肉の分働きなさいよ(笑)修也もね(笑)
私も何か手伝おうか?
大丈夫よ!シフトかわってもらうから(笑)せっかく恵美ちゃん引っ越してくるんだもの。
紗絵ちゃんも恵美ちゃんもこの二人たくさんこき使っていいからね(笑)
手伝っていただけるだけありがたいので、さすがにこき使うとかはできないですよ(汗)
遠慮している恵美ちゃんと対象的に嬉しそうにニコニコしている紗絵ちゃん。
千鶴さんありがとうございます!!ご遠慮なく、二人をこき使わせていただきます(笑)
師範と修也は千鶴さんに言われ、お肉をたくさん食べてしまって反抗出来ず、紗絵ちゃんの笑顔に怯えていた…
私も紗絵ちゃんは絶対師範と修也は凄くこき使われるんだろうなと思った…
紗絵、あんたほぼ毎日肉のことばっかなんだから、こういう時こそ、あんたが頑張りなさいよ。引っ越しあんたから、明日だって強引に言いだしたんだから。
え?私?だって、私が弱い女性だよ?重いものとか持てるように見える?
全然私力なさそうだよね?中島君。
あ!はい!SAEさんは、細いので、さすがに重たいもの持たせるのは可哀相です。
そういう時はやっぱり男が頑張るべきだと思います!!
ガンバれよ修也(笑)
ためいきをつく修也。中島君は紗絵ちゃんの外見に騙されている…
紗絵ちゃんは確かに細い。でも、か弱い女性ではない…
紗絵ちゃんはあえて中島君に聞いたんだ…師範と修也を逃げれなくするために…
策士だ…
その日は山本家では師範と千鶴さん、修也に中島君、紗絵ちゃん宅には紗絵ちゃんに私と恵美ちゃんと眠りについた。
次の日朝になると全員早起きで、中島君は名残惜しそうに帰っていった。
朝ご飯を食べ終えると、師範と修也に千鶴さんが片方の車で住所を伝え向かってもらう。
もう片方に紗絵ちゃんに恵美ちゃんと私で現地に向かう。
車が着くと全員で恵美ちゃんの部屋に上がり、紗絵ちゃんは師範と修也にこれにそれにと重たそうな物ばかり指示し運ばせ、先に出発させる。
千鶴さんが加わってくれたので、紗絵ちゃんと千鶴さんも軽そうなものをとにかく運び続け出発。
役割変更で恵美ちゃんと私が段ボール詰めや次に運んだ欲しいものを廊下に運ぶ。
季節は夏にも関わらず、師範と修也は汗でビチョビチョになりながらも、弱音を吐かずに家電製品を運ぶのを往復したり、重い荷物を運び続けていた。
途中お昼休憩を挟みながら、作業は順調に進んでいた。
師範と修也には、大量の重い荷物を指示するものの、あんまり汗をかかずにケロッとした表情で、軽い荷物なのにカートを使って車へ搬送している紗絵ちゃん…
凄まじく恐ろしい引っ越し隊長だ…
千鶴さんも、せかせかと段ボールに詰めては運んで、車に詰めては帰ってきている。
※RISE-1 SAE(成瀬 紗絵)20歳
茅ヶ崎 恵美引っ越しの作業手伝い中(自称引っ越し隊長)
部屋は冷房が効いているため、師範と修也は少しずつ顔色が良くなってきた。
二人ともお疲れ様でした!!重たいものはすべて運び終わってるので、こちらをどうぞ。
紗絵ちゃんはそう言うと部屋においてあったクーラーボックスから、アイスと飲み物を渡していた。
受け取った師範と修也は嬉しそうにアイスと冷えた飲み物を堪能していた。
あれ?てか、私最初好きな時に飲んでねってクーラーボックス部屋に持ってきた時に言うの忘れてた(笑)
紗絵姉それ、最初に言ってくれよ(汗)
死にかけた(笑)あとは簡単なの運べばいいだけなら良かった(笑)
無事に恵美ちゃんのお引越しは師範と修也の活躍で夕方前には終わった。
恵美ちゃんがみんなにお礼でお寿司の出前を夕飯にたくさんとってくれた。
紗絵ちゃんは肉寿司をたくさんほしいと恵美ちゃんにダダを捏ねていたが相手にされていなかった…
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