第6話 沢田 水子

文字数 2,401文字

※RISE-1 SAE(成瀬 紗絵)20歳


某アクセサリー会社 新イメージガール

修也と連絡先を交換し終えると、私の後ろにニヤニヤした紗絵ちゃんがいた。
へぇ〜珍しく紬が積極的だね〜(笑)。仲良くなれるといいね!
からかわないでよ!学校のこととか聞きたいだけだし。
ごめんごめん(笑)あ!私もみんなの聞いておかないと!
そう言って紗絵ちゃんは千鶴さんに師範、修也と連絡先を交換していた。
その後、師範と千鶴さんにお礼を言い部家に戻ってきて、お風呂に入ったあと


現在、布団の上にいるが、隣にいる紗絵ちゃんは疲れていたのか、スヤスヤと寝ている。

マンションはファミリータイプの階の部屋を紗絵ちゃんは購入したため、紗絵ちゃんの部屋も私の部屋もあるのだが、私が一人で、寂しくないようにとリビングで布団を敷き紗絵ちゃんは私と一緒に寝てくれているのだ。
紗絵ちゃんが寝る前に、仕事が遅くなるときやライブなどで不在の時は、


私が一人だとさすがに危ないとのことで、そんな時は隣の修也の所に泊まるということで、さっき師範と千鶴さんからどうかと言われていたということで、


私はどうなのか聞かれたが、ありがたい話だと私も思うので、是非お願いしてほしいと伝えた。


修也には文句言われそうだが…

※RISE-1 SAE(成瀬 紗絵)20歳


映画 Reborn Let'sチアダン


滝川 優花役(SAE 主演)RISE-1所属

寺田 睦美役(茅ヶ崎 恵美)RISE-1所属

堀田 真理役(高橋 心愛)RISE-1所属


映画主題歌 Revenge Match(RISE-1)

※RISE-1 5thシングル


オリコン初登場第1位


メンバー SAE、茅ヶ崎 恵美、高橋 心愛

出演映画 Reborn Let'sチアダン 主題歌

次の日から、紗絵ちゃんの仕事の帰りが早くても、遅くても結局、ほぼ毎日山本家のに出入りすることになる。
修也は、私が家に来るのを、ちょっと邪魔者のように最初は思っていたらしい。(のちに本人から聞いた話)
修也とは、私もあんまりあわないだろうと最初は苦手意識があったが、不思議なもので、ちょっとしたことがきっかけで、歓迎されるどころか、逆に修也から呼ばれるくらいになった。
山本家に挨拶まわりの2日後、紗絵ちゃんがライブで数日東京を離れなければならず、大阪に泊まりのため、私は山本家に泊めてもらうことになったのだが、


修也のはまっていたゲームソフトが、私の得意なゲームで、何度やっても私が勝つので、修也が、何度も挑んでくるうちに、私も気を使わず、気軽に話せるようになっていた。

紗絵ちゃんが大阪ライブで東京を離れた4日間で、私は主とすっかり打ち解け、新しい学校で新学期が始まっても、同じ学年に修也もいるし、新しい友達がたくさん出来るような予感がして、不安も消えていた。
※RISE-1 大阪ライブ公演 〜SUNRISE〜


SAE(成瀬 紗絵)20歳

紗絵ちゃんが大阪公演に向かって4日目の日、師範と修也は朝から空手の稽古があり、千鶴さんは今日、日中お仕事だということもあり、私が一人にならないようにと師範と修也が向かう山本道場に私も朝からついてきていた。
初めて見る光景にみんな凄いなぁ〜と思いながら、道場の生徒さんや師範と修也を眺めていた。


お昼は千鶴さんが師範と修也と私と3人分を持たせてくれていたので、道場で一緒に食べた。

午後からの稽古も終え、師範と修也と3人で帰宅し、その1時間後には千鶴さんが仕事から帰宅し、現在は16時半。
千鶴さんと紗絵ちゃんは毎日連絡を取り合っていたみたいで、今日の17時半頃まで紗絵ちゃんは帰ってこれるらしい。
私も修也もそれぞれ紗絵ちゃんにラインしていたのだが、ちゃんと私達にも紗絵ちゃんは返事をくれていた。
紗絵ちゃんは初日は移動とリハーサル、2日目と3日目が公演日、4日目の本日は帰りの新幹線の時間まで自由時間で、東京に帰ってくるという移動日というスケジュールになっているとラインで初日に私に返事が来ていた。
修也ともやり取りしていたみたいだが、修也へのラインの返事には、同じRISE-1の茅ヶ崎 恵美さんの観光の写真が送られて来ていた。


私が修也のスマホを覗き込むと

なんだよ!見んなよ!
そう言って私に見えないように返信していたので、それ以上私は話を突っ込まなかったが、何で隠すんだろうとは思った。
        ピンポーン
山本家のインターフォンが鳴る。
紗絵姉じゃね?
行こう!
修也の部屋で遊んでいた私達は、駆け足で玄関の方へ向かった。
紗絵ちゃんは夕飯前に大量のお土産を抱えて帰ってきた。
みんなただいま!!師範に千鶴さん!私が不在の間、紬のこと本当にありがとうございました!
そう言った紗絵ちゃんの横には見たことのない女性が大量の紗絵ちゃんのお土産を一緒に持って立っていた。
紗絵ちゃん!おかえり!
紗絵姉、俺だって紬の面倒見てたんだからな!おかえり!
お帰りなさい。
おぉ!紗絵おかえり!
みんな紗絵ちゃんに声を掛けると、私も含め、全員が隣の女性を見た。
申し遅れました。わたくしRISE-1のマネージャーをしております。沢田 水子(さわだ みずこ)と申します。
そう言ってペコっと頭を下げた沢田さん。


私達も全員頭を下げる。

立ち話もなんなので、良かったら、沢田さんもあがって頂いて、お茶でもどうですか?
いえ、わたくしは本日、この後会社に戻らなければならないので、失礼させていただきますが、ご厚意感謝申し上げます。


紗絵、明日はオフですが、明後日は遊園地で、撮影がありますから、体調管理と怪我などないように、気をつけて行動してください。


17時には迎えに来ますので、それではお疲れ様でした。

そう言うと、みんなに頭を下げ、紗絵ちゃんの荷物やお土産を置き、姿勢良くエレベーターに向かい帰っていった。


沢田さんの後ろ姿は、よくドラマに出てくる完璧な仕事が出来る秘書のようだった。

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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