第18話 あの時のもう1台の車
文字数 3,034文字
今日は紗絵ちゃんはオフだ。朝方に帰ってきたのであれば、おそらく疲れて、まだ寝ているであろう。
千鶴さんに隣に行ってくると伝え、山本家の家から出る。
鍵はあるので、隣の紗絵ちゃんと私の家に、私は鍵を開けて入る。
紗絵ちゃんはきっと自分の部屋で寝ているだろうからと、あまり音を立てないようにリビングに行くと。
紗絵ちゃんはソファーに座ってコーヒーを飲んでいた。
私、学校はじまって1ヶ月以上経ったけど、同じクラスに友達一人もできなくて…
修也の友達の中島くんとは仲良くなったけど、修也と中島くんはクラスが違うから、教室だと、ずっとボッチだった…
それでね、私がみんなと最初うまく話せなかったのが原因だとは思うんだけど、今は悪い噂を流されて、余計友達できなくなってた…
修也と中島くんはこのこと知ってて、一緒に毎日考えてくれてたんだけど、なかなかいい方向にいかないまま、ゴールデンウィークになっちゃったよ…
でも、最初は紗絵ちゃん忙しいのわかってたから、心配かけたくないなって思って、修也には紗絵ちゃんには言わないでって私がお願いしてたけど、紗絵ちゃんにやっぱり相談しようと思ったから、なんか、アドバイスもらえないかな?
辛かったね…でも、よく頑張って毎日学校行ってたね。
無理しなくていいからね。行きたくない時は休んでもいいし、学校変えたかったら、編入することも出来るし、誰がその噂を流したのかはわかってたりする?
私も前にも話したことあるけど、いじめられたことあるから、気持ちわかるよ。
だから、何でも協力するから、紬がどうしたいか聞きたいな。
誰が悪い噂を流したのかはわからないけど、中島くんと修也はこの間、犯人探すって言ってたけど、もし、見つからなくても見つかっても、私は今の学校に通うつもりだったよ!
最初はちょっとうじうじしたけど、空手始めたら、少し精神的に強くなったよ(笑)
空手師範が褒めてたよ!凄いね!
お姉ちゃんと私は1番最初は稽古最後まで体力持たなかったんだよ(笑)
今日、車届くって連絡あったよ!
修也も誘ってドライブでも行く?
ピンポーン
インターフォンを鳴らすとちょうど出たのは修也だった。
山本家の合鍵すら渡されているのだが、なんか、申し訳なくていつも、インターフォンを鳴らしてしまうのがクセだ。
千鶴さんに紗絵ちゃんと出かけてきますと言って、隣の家に戻る。
ピンポーン
家の呼び出しが鳴った。
紗絵ちゃんは受話器を取ると、モニターにはこの間の車屋さんの失礼な人が映っていた。
この間の紗絵ちゃんは変装してたが、今日は変装していない。
紗絵ちゃんは、いつも男性からジロジロ見られているのは自分でも気づいているはずだが、知らんぷりだ。
芸能人とは、そういうものなのだろうか。
ライブ明け休日
ピンポーン
千鶴さんが出てくる。
駐車場代も東京は高いですし(汗)
私、仕事が忙しくなればなるほど、師範と千鶴さんに頼ることしか出来なくて、ホントにこんなことでしかお返しできないんですけど、この間、車購入した時に、修也に好きな車の色ラインで聞いたんです。
そしたら、黒い車がカッコイイって言ってました。
私は白いベンツにしました。でも、マンションの駐車場を私は2台分借りました。
実は、もう1台、黒のベンツ止まってます!
黒のベンツ、いつでも使ってください。
車の中にガソリンのカードも入れておきますから、ガソリンなくなったときは、それで給油してください。
費用は全部私持ちなので、恩返しですから、ホントに遠慮せず使ってください。
鍵渡しておきますね!
ホントに遠慮しないで受け取ってください!
車の保険代とかも私の口座から引かれますから安心してください。
車は乗らないとバッテリーも上がっちゃいますから、まめに使ってくださいね!
修也が帰ってきたら早速見させてあげないと!
今買い物いかせていないから、あれだけど1番うちの旦那が喜ぶかもしれないけど(笑)
今日は夕飯までは帰って来るの?
夕飯食べてくる時は連絡ちょうだいね!
連絡ないときは、来るもんだと思ってるからね!(笑)
気を付けて行ってらっしゃい!