第62話 港区立高松中学校入学式 (嫌な予感)

文字数 2,052文字

修也と私は登校口に張り出されている自分のクラスを探す。


結構人がごちゃごちゃしていて私には見えない…


背伸びしてみたけど見えない…

修也は自分のクラスが見えたみたいで歩き出した。


(え?私のクラス見てくれないの?(汗)冷たいよ…でかいくせについでに探してくれたっていいじゃん…(泣))

なにいつまでそこでキョロキョロしてんだよ?


行くぞ。

行くぞって私クラス見えてないよ(汗)


ひどいよ…


でかいくせに私の分も探してよ…(泣)


私自分のクラスわかんないじゃん(泣)

紬は俺と同じクラスだったよ。1年3組な。


6年生の時みたいに中島、徹、美咲は違うクラスでいねーけどな。


紬とまた同じクラスなんて変な偶然だな(笑)

(よっしゃゃゃゃゃ!!同じクラス!!他の人達とも同じクラスが良かったけど、とりあえず恋の神様は私を見放していなかったみたい(笑)毎日同じクラスで登下校も一緒でなんて、まさに私のアピールチャンス。同じクラスに私より可愛い子がいませんように…)
不謹慎なお願い事を1人で心の中でお願いして、独り言を言っていると、
何独り言ブツブツ言ってんだよ。キモいぞ(笑)


早く行こうぜ。

あ…


キモいってひどくない?


これでも結構可愛いって褒められるんですけど?


制服とかどう?


似合っててキモくないでしょう?


可愛いでしょ?(笑)

あ〜そうですか。それは良かったな(笑)


似合ってる似合ってる。(笑)


自意識過剰だな(笑)私可愛いでしょみたいな感じだと違う学校から来た奴らに嫌われんぞ(笑)


ただでさえ、紗絵姉の娘で嫌でも人目につくんだから、少しおとなしくしてたほうが身のためだぞ(笑)

二人であーでもない、こーでもない言い合いながら教室に入り席につくと、私の前の席の女の子から、話しかけられた。
はじめまして!私、高輪台小出身の戸田 静香(とだ しずか)って言うんだけど、名前は?
は、はじめまして!私、白金小出身の成瀬 紬って言います!よろしくお願いします!
同い年なんだから、敬語やめようよ(笑)紬って呼んでいい?


成瀬ってことは!もしかして成瀬 紗絵の娘って紬なの?!


一緒に教室来たのは彼氏なの?


かっこいいよね!!

あ、うん…わかった!


私は好きに呼んでもらっていいよ(笑)


紗絵ちゃんみたいに私、美人じゃないけど娘の紬です(汗)


じゃあ私は静香でいい?


え?修也のこと?!


彼氏じゃないよ(笑)家が隣だから仲が良いだけ(笑)


親同士も仲良いからさ。

凄〜い!!成瀬 紗絵の娘のだけあって、紬もやっぱりいい顔してるよね!!


へぇー修也くんっていうんだね!!


身長高いし、顔いいし、女子は修也くん絶対に狙うよ!!


でも、紬が頭ポンポンされてたり、ずっと一緒に歩いてたから、紬が彼女なんだと思ってた(笑)


紬彼女じゃないなら、私も修也くん狙いで(笑)

(えぇぇ(汗)やめてよ…ただでさえ美咲ちゃんと修也が仲がやたらいいから落ち込むのに、他の小学校だった子達まで参戦してくるの?(汗)確かに修也は昔より身長も高くなって顔も美男子系になったけど…)
面と向かってやめてよなんて言えないし、私は彼女なわけでもないので言う資格もないけど…
そ、そうなんだ…


修也は見た目良く見えたかもしれないけど、性格ひねくれてて、あと女心良くわからないようなやつだからね(笑)


が、頑張ってね(汗)

わけもわからず動揺して、静香に頑張ってねなんて言ってしまった…
え〜頑張ってねだなんて、私に協力してくれるの?


ありがとう♪紬は修也くんとお隣さんって言ってたし、いろいろ知ってるだろうから頼りにしてるからね♪ 


じゃあ入学式終わったら、まずは修也くんに私を紹介してね♪


紬が応援してくれるなんて心強いなぁ〜♪

(やってしまった…ライバルの応援だなんて、中学校入学早々に何やってるんだ私は…同じクラスで登校も、下校も一緒でラッキーとかじゃなくなってきたよ…)
すると先生が入ってきて、ざわついていた教室は静かになった。
本日より、皆さんの担任となりました。増井 景子(ますい けいこ)と言います。


よろしくお願いします。それでは出席をとります。


その後はみなさん順番に1人ずつ自己紹介していきましょう。

景子先生が出席を取り終わると、端の席から順番に簡単な自己紹介を1人ずつ始めた。


私の自己紹介の時にちょっと嫌なやつがいた…


そいつの名前は森崎 泰(もりさき やすし)


修也の前の席の男子。


ヒューヒューとかフーとか言ってきてウザかった…


(よりによってこんなやつが同じクラスか…)


森崎 泰と同じ小学校だった静香からの話によると、あんまり関わらないほうがいいって言われた。


この高松中学校の3年生のボスグループの中に兄がいるらしく、昔から素行が良くないうえに兄がいるため調子にのっているらしい…


どこの学校にも優秀な進学校じゃない普通の公立なら、一定数そういう連中が必ずいるが、よりによって同じクラスとは…


修也が自己紹介する時には静香が最初言ったように、女子達は食い入るように話を聞いているように見えた…

※山本 修也 12歳


港区立高松中学校 新入生(1年)

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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