第69話 森崎兄弟との決着

文字数 1,956文字

せーので飛び込んだ私達、美咲ちゃんと私はとりあえずなりふり構わず竹刀を振り回した。


たまに中島君とか修也とかも叩いていたかもしれない…ごめんね…

徹君はとにかく叫びながらボールを投げ続けていた…
私達の乱入が結果として、修也と中島君が囲まれて袋叩きに合うのを防いだ。


佐々木先輩はこの中学校のボスだけあって強いみたいで、修也と殴り合っても、あんまりびくともしていなさそうだった。


中島君は他の3年生を空手技を使って何人か倒していた。

紬!なんでここにいんだよ!お前レッスンじゃねーのかよ!
乱戦の中で修也の声が聞こえた。



修也と中島君だけおいてノコノコと私だけレッスンなんか言ってられないよ!
私と修也の声に反応したのは虎男だった。
虎次!!今すぐやめろ!!


他の奴らもやめろ!!

見物していた虎男が、叫んでも乱戦は止まらず、佐々木先輩をいきなり虎男が殴って乱戦から引っ張り出した。


森崎兄も虎男にぶん殴られて引っ張り出された。


何人か倒れた3年生は気にせず、残りの3年生を修也と中島君は殴って倒した。


森崎は完全武装の美咲ちゃんがひたすら竹刀で叩き続けていた。すでに竹刀は折れて変な方向を向いている…


森崎はガードしながら泣いていた。

徹君は誰かに殴られたのか、鼻血を出して倒れていた。
佐々木先輩と、森崎兄が虎男に引っ張り出されて抜けたことにより、乱戦は一旦落ち着いた。
何で兄貴止めんだよ!!こんな奴らの味方すんのかよ!!
そーっすよ!!虎男さん何で俺らを止めるんすか!!
佐々木先輩と森崎兄が虎男に不満をぶつける。
人違いだったら、また始めさせてやるよ。確認したかっただけだ。おい!
(おいって私の方を見て言ってる?)
私ですか?
そうだ。お前紬っていうのか?成瀬の姉貴と一緒にいたあん時のガキか?
はい。そうですよ。紗絵ちゃんの娘ですよ。成瀬 紬です。
そうか…成瀬の姉貴のおかげで、俺は山根の兄貴に殺されなくて済んだ。今回はまた迷惑かけたな。すまない。
いえいえ…
虎男は修也の方に歩いていく
お前修也って言われてたな。あんときのガキだろ?


随分デカくなったな。


前回はすまなかった。今回も迷惑かけたな。

あ〜まぁ、はい。よく覚えてたっすね(笑)
虎男が、佐々木先輩と森崎兄の方に行く。
こいつらにはもう関わるな。手も出すな。


お前らわかってねーから教えてやるよ。


そこの成瀬 紬のバックにはな成瀬 紗絵っていう元サーベルスの総長がいんだよ!


俺なんかじゃとても歯が立たないようなレベルの強さの人間がバックにいんだ。


サーベルス敵にまわしたくなかったら、こいつらにはもう関わるな。わかったな。


それともここで俺に殺されるか?選べ。

兄貴わかったよ…もうこいつらには関わらなきゃいいんだろ…
わかりました…
佐々木先輩と森崎兄が諦めたことにより戦いは終了となった。


虎男は先に帰っていった。

未だに折れた竹刀で森崎を叩き続けている美咲ちゃんを私がとめた。
美咲ちゃん!もうおわったよ!(笑)


もう終わり!!

我に返った美咲ちゃんが、竹刀を投げて防具をとった。
良かった。私達勝ったんだね。
勝った負けたじゃなくて、終戦みたいな感じだよ(笑)
え?終戦?まぁとりあえず良かった(笑)
森崎は美咲ちゃんに竹刀で、殴られすぎて頭が血まみれになって泣いていた。
その森崎を見た美咲ちゃんが
あんた何で泣いてんの?泣き顔キモいんだけど。


つうか、男のくせに喧嘩して泣くとかマジでキモいから


兄貴いないとなんもできないわけ?


あんたは私に負けたんだからね。


明日学校中で言いふらしてやるから、森崎は私に負けた雑魚だって。泣いててキモかったって。

美咲ちゃんがそう言うと森崎はよけい泣いていた。
(さすが美咲ちゃんも元いじめっ子だけあるよ…追い込み方が凄い…)
中島君が倒れた徹くんを起こしていた。
徹!終わったぞー(笑)帰るぞー(笑)
良かった。みんな無事で(笑)
起きた徹君は鼻血を拭いていた。
佐々木先輩と森崎兄は3年生が1年生二人を倒せなかったからか、虎男が味方になってくれないとわかったからなのか、私達を敵にまわすとサーベルスを敵にまわすと言われたからかなのかはわからないけど、うなだれていた。
修也もかすり傷程度でこっちに歩いてきた。
美咲あんまいじめないでやれよ(笑)


男なのに女に負けて泣かされたとか、俺でも言われたくねーぞ(笑)


だから、言わないでやれよ。

でもそんくらいしないとこいつ懲りなさそうじゃん?
まぁいいからいいから。


紬よかったな。これで平和に明日からレッスンちゃんと行けよ(笑)

修也が森崎を立たせて上げながら言ってた。
みんなありがとう。


本当にありがとう。

私はこの人達を絶対に忘れてはいけない。


紗絵ちゃんのように私がなれるかはわからないし保証されていない。


でも、どんなに売れてもみんなのこと大切にしていきたいと思う。


心に誓った…

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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