第53話 本物とメッキの違い
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ヒトカラだと、昔の自分のいたグループの曲のメドレーとかよく歌ってますよ(笑)
旦那や子供の前では絶対に自分がいたグループの曲は歌わないですけど。
私は端っこばかりで、センターを務めさせてもらったことがないんです…
私はグループ最年少でしたから、上の人達が抜けて、私がリーダーを務める頃には私より年下の子がセンターになって、その当時の悔しさをヒトカラの時に仕事のストレスと一緒にぶつけてますよ(笑)
理不尽な会社の上司達に比べたら、紗絵のちょっとした、わがままなんてかわいいもんですよ(笑)
私はメッキ側の人間でしたから、本物の部類の人達が羨ましかったですよ…
当時、どんなに頑張っても、どんなにたくさん練習してもメッキはメッキなんです…
でも、紗絵は本物の部類ですよ。私はそう思いますよ。
RISE-1ではセンターを務めてメインボーカルを担当する。これは歌唱力がないと出来ません。紗絵は才能もあるんでしょうけど、努力も人一倍してきたんです。
女優業も昔、無名のころは私は歌手になりたいから、そんなことはしないなんて当時は言ってたのに、名前を売ることも仕事だって私が説得して、オーディション受けに行ったら、落ちまくって、そしたら悔しかったんでしょうね。
紗絵は、たくさん女優のことについても頑張りましたよ。これに関しても才能も、もともとあったんだとは思うんですけど、人一倍努力してますよ。
本人は人前では影の何倍もの努力を出さないですが。
だから、私は紗絵が羨ましいです。
プライベートの紗絵は良いお手本にはまったくならないと思いますが、紬ちゃんが目指す芸能の世界では良いお手本になると思いますよ紗絵は。
審査員の人達がバタバタしながら戻ってきた。
マイクを手に取ったのは佐々木監督だ。
まず審査員の投票数は全部で15票となります。
3番の藤堂 英玲奈が5票
5番の成瀬 紗絵が5票
1番、2番、4番、6番、7番が各1票ずつという結果になりました。
投票は公正に公平に行われました結果となります。
この結果3番と5番が票数で並んだわけですが、ガンダムPIECEの主人公はサラ・メンデスというガンダムPIECEのパイロット1名となりますので、どちらか選ばなければならないのですが
審査員の話し合いの結果、脚本家と監督の票がどちらに入っているのかで、決めることになりました。
万が一、脚本家、監督の票が2名に割れていて同票の場合は、監督の私が入れた方が主演という形に決めるということにもなっております。
脚本家もしくは監督の票が、片方だけどちらかに入っていた場合は、その入っていた方が主演に決定させて頂きます。
どちらにも入っていなかった場合は、2名のみでの再度こちらでの投票となりますので本日もう少しお時間を頂きます。
何を言っているかは聞こえないが、どちらに票を入れたかのお互いの確認だろうと思った。
では結果を発表します。3番か5番かになりますが、脚本家の先生の投票は
5番 成瀬 紗絵に投票していたとのことですので、もう1票の私の投票は
5番 成瀬 紗絵に入れてましたので、主演サラ・メンデス役は成瀬 紗絵に決まりました。
そして、3番の藤堂 英玲奈には助演役をお願いしたいのですが、後日連絡を入れさせて頂きます。
結果は以上となります。本日は誠にありがとうございました。
英玲奈さんはものすごく嫌そうな顔をしていた。
サラ・メンデスの乗る機体ガンダムPIECE