第43話 修学旅行と三角関係 その3
文字数 2,833文字
目の前の修也はラーメン、その横の美咲ちゃんはカレーライス。
地図を広げてお昼を食べながら、修也と美咲ちゃんが明日の班行動でどうするのかを話し合っている。
修也は班のリーダーだが、美咲ちゃんは副リーダーなのだ。
ふと、私にも話をふられる。
修也の使っていた箸を美咲ちゃんが、美咲ちゃんが使っていたスプーンを修也が使い始めた…
私の目の前で…
私だってカレーライスなのに…
でも、真ん中に座った徹くんの方を見ると、徹くんも悲壮感漂う表情をしていた…
よりによって徹くんは修也と同じラーメンを食べていた…
(わかるよ、わかるよその気持ち…)
徹くんを見ていると自分を見ているようだ…
ごめん徹くん…なんか聞き出そうとしたのに、結婚とか…
まぁ幼稚園の頃の話だしね…(笑)
唯一良かった点は二人は幼稚園の頃は仲が良かったから、今仲良しなんだよって思うことにする。
二人が付き合ってるとか、そんなこと言ってないわけだから、徹くん、私少しは役に立ったかな?
駄目だ…
完全に死にそうな敗北者の顔をしている…
私の質問失敗だった?
いやいや、二人は付き合ってるとか言ってないよ?
幼稚園の頃はよく遊んだって言ってるだけだよ?
まだ、わかんないよ?
でも気持ちはわかる…
そんなに仲良さそうに目の前でされると確かに辛いよね…
二人が悪いわけじゃないのに、わざとですか?みたいなことが続くからね…
ここで徹くんの横に座っている中島君がとどめの一言を言った…
隣の徹くんが死にかけてるのに…
そして私も殺す気ですか…?
余計なことをしてしまったかもしれないから、後で徹くんに謝ろう…
それぞれお土産を見ていると、ササッと徹くんが私のそばに来て小声で言う。
徹くん死にそうな顔してたの知ってるよ(笑)
頑張って!!応援してるよ。お揃いのストラップかキーホルダーなら、イルカがいいと思うよ!
美咲ちゃんはイルカを見てる時に凄い喜んでたから。
でも、私と徹くんが二人でお揃いのものを選んでると勘違いして、中島君が焦っていたなんて、私は気づかなかった…
私達の部屋は4人で私と美咲ちゃんにあと二人いる。
夕飯までは2時間くらい自由時間がある。
その後は1組と2組から大浴場で時間が取られており、お風呂の時間が終わると、消灯時間までは、再び2時間くらい自由な時間がある。
女子はホテルの2階の部屋に1部屋4〜5人で泊まっている。
男子は3階の部屋に同じように1部屋4〜5人で泊まっている。
美咲ちゃんはどちらかというとボスキャラみたいな感じなのかなと思ってた。
私、化粧とかヘアセットとか、そういうメイクアップアーティストみたいなのに将来なりたいんだけど、
私、昔の紬になら言わないけど、今は痩せて可愛くなった。
紬の顔立ちなら、絶対可愛く出来ると思うんだよね!
夕食後は、どうせすぐお風呂なんだし、先生に万が一怒られてもすぐメイク落とせるでしょ(笑)
まずは、バレない程度に軽くでいいからさ。
お願い!
私、今日ほんとにちょっとだけ化粧してるけど、みんなにも先生にもバレてないしさ(笑)
私達はじゃんけんして勝った人からそれぞれ浴衣を選んだ。
そして浴衣に着替えると、美咲ちゃんによる、私のメイクアップが始まった。
同じ部屋の二人も興味津々に見ている。
私のメイクアップが完成すると、同じ部屋の二人がめちゃくちゃ私の写真を撮ってた。
美咲ちゃんは誇らしげな表情だ。
鏡を視ると…
修学旅行中。美咲による化粧後。