第21話 結局、修也の力

文字数 2,618文字

私、紗絵ちゃんの娘になりたい!


よろしくお願いします。

ありがとう!


これからもよろしくね!

手続きは後日、紗絵ちゃんが行ってくるとのことで、その日は眠りについた。


1週間後に、私は正式に紗絵ちゃんの娘となった。


師範と千鶴さんは、私が紗絵ちゃんの娘になったと聞いて喜んでいた。


話を聞いていた修也も喜んでいた。


学校では私は相変わらず、友達が出来ていなかった。

それから、三日後…


学校帰り、修也と中島くんといつもどうり話をしながら帰っていると中島くんが、想い出したように言う。

そう言えば、修也に紬聞いてくれ!


俺、紬の変な噂を流してたやつ犯人突き止めたぞ!

良かったな紬!

先生に言うか、俺達でそいつを成敗するか、どっちがいいんだ?

そう私に問いかける修也だが、先生にはすでに言ってあるが、1ヶ月以上この状態で何も変わっていない。
先生にはすでに悪口なのか噂なのか、流されて困ってますって言ったけど、何も変わっていないから、誰かわかったなら、直接やめてって言いたい!

成敗とかは、いらないよ(笑)

いやいや、甘いな。面と向かってそいつに、もうやめてって言ったぐらいで其奴が辞めると思うか?


先生がみんなにやめましょうって言って何も変わらなかったんだぜ。


鉄拳制裁与えてやんねーとな(笑)


どう思う名探偵中島?

先生に言って効果がなかったなら、俺達で解決するしかない!

でも、紬の言う通りまずは直接言って、駄目なら修也の言う成敗考えてもいいんじゃないか?

様子見てダメなら俺と修也でやっつけてやろうぜ(笑)

ありがとう二人とも。でも、成敗だと二人にも怪我されたり、二人が悪者になったら大変だから、二人が悪者になるくらいなら、その時は私が殴る(笑)
いや、紬はやめとけ。弱っちいだけじゃなくて、お前が人殴ったら紗絵姉に迷惑かけるかもしれないだろ。
修也に言われるまで私は忘れていた。私は紗絵ちゃんの娘になったんだ。私が何かすれば紗絵ちゃんに迷惑がかかるかもしれない…
俺には良くわかんないけど、とりあえず、犯人は紬と同じクラスの◯◯と◯◯だから、明日の学校帰り3人で待ち伏せしようぜ!
おう!そういや今日授業参観のプリントもらったの紗絵姉に渡さないのか?
マジで?SAEが学校来んの?俺サインもらえる?(笑)
さすがに、忙しいだろうし、その日は仕事なはずだから、授業参観のプリントは見せないつもりだったよ…


サインは授業参観じゃなくても、中島くんにはお世話になってるから、いつでもお願いしてもらってくるよ(笑)

マジか!俺実物見たことないから、芸能人ってテレビで見るのと実物どっちが凄いのか、ちょっと楽しみにしてたのに(笑)


あ!助かる!サイン宝物にする(笑)


修也と紬はすげーよな!!


人気芸能人のSAEをいつも間近で見てるんだからさ。

見せ物じゃないんだからね!

でも、今度中島くんを紹介するよ!

いつも仲良くしてくれる友達だよって!

話をしながら帰ると、あっという間に家につき、次の日…
キンコンカンコーン
学校が終わり、修也と中島くん、私は足早に合流し、昇降口をみわたせる場所に隠れた。


どんどん生徒たちが帰っていく。

最後の方に中島くんが突き止めた犯人達グループが出て来た。主犯格は同じクラスの美咲(みさき)ちゃんと徹(とおる)君だ。
なんか、あいつの悪口言うの飽きてきたから、次のやつ誰にしようか?
この子が美咲ちゃん。クラスでも可愛くて人気があり、性格も皆の前では凄く良い子なのに裏の顔があったなんて…
だよな〜飽きてきたからな〜前のやつより飽きんの早くね?(笑)
この人が徹(とおる)くん。徹君は勉強も出来てスポーツも出来る、ニコニコしていて性格も、良さそうなのに、この人も同じか…
え〜美咲次は誰にすんの〜?てかさ、なんかもっと面白いことないのかな?(笑)
取り巻きの子が1人いて、あちらは今日は3人のようだ。


中島くんの話だとこのグループは普段は5人で帰ってることが多いらしく、3人の今日は珍しいらしい。

私達は慎重にまわりに人がいないことを確認し、美咲ちゃんたちの前飛び出した。
おい!お前ら、くだんねーことばっかしてんなよ!
修也がそう言って、ズケズケと向かっていきそうになるのを中島君が止める。
修也一ちょっと待てって!


紬ちゃんが最初話すんだろ!

我に返る修也。
あ!わりぃ。ホラ、紬さっさと話ししてこいよ!
修也に、押されて美咲ちゃんの前に出された私。
もう、こういうことはやめてもらっていいかな?


私はあなた達が言ってるようなことは何もしてない!

私なりに勇気を振り絞って言ったつもりだ、


でも…美咲ちゃんは半分笑っている。

うわ〜何それ?(笑)


そんなこと言うために隠れて待ってたわけ?


うざいんだけど。

お前な!まずは謝れよ!
美咲ちゃんの開き直った態度に修也が切れて向かっていきそうになるが、中島君がなんとか止めてくれている。
なんで、謝んなきゃないの?


てかさ、言いがかりじゃん。私達が何かしたって証拠でもあんの?

証拠もないのに、言いがかりつけられて、ギャーギャーうるさい取り巻きまで連れてきて、一人で言いにくる度胸ねーの?(笑)
徹君の言葉に我慢できなくなった修也が、中島君の静止を振り切って、飛びかかってしまいボコボコにした…


徹君は泣きながら正座させられている。


美咲ちゃんともう一人取り巻きの子も修也が徹君をボコボコにしたことにビビり言うことを聞き一緒に地面に正座させられた。

この間は虎男にボコボコにされた修也だが、同い年の子との喧嘩となると普段鍛えている修也は強かった。
お前らもう、くだらねーことはやめろ。わかったな!


また、なんかしたら、今度は足の骨折ってやるからな!


俺なりに手加減してやったからな徹!


美咲達も女だからって次は容赦しねーからな!

すいませんでした。もうしません。
すいませんでした。余計なことはしません。
私もごめんなさい。
結局、修也のおかげで解決した。暴力は良くない気もするけれど…


その後は、私に特に美咲ちゃんも徹くんも何もしてくることはなく、クラスでも何人か私にも友達が出来た。


中島君と修也は自分のことのように私を心配してくれ、友達というより親友な気がした。


修也とは家に帰ってからも一緒に過ごす時間が多いため、半分家族みたいに思っている部分もある。


私はこれでやっと普通の学校生活を送れそうだよ。


ありがとう修也に、中島君。

※RISE-1 SAE(成瀬 紗絵)20歳

映画実写化 リコリス・リコイル

井上 たきな役

撮影中写真

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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