第12話 紗絵の過去と遊園地

文字数 2,080文字

※成瀬 紗絵 14歳(ヤンキーの時)


サーベルス総長

リビングでは紗絵ちゃんが私と修也に昔の写真を見せてくれた。
それじゃあ、お話させてもらう前に、紬も修也もケガは本当に大丈夫?
全然大丈夫!少し黒くなっただけですぐ治るよこんなの。空手やってて良かった(笑)
私は全然だよ(笑)お風呂入るとき少ししみたくらい(笑)
まずは二人とも今日は巻き込んでごめんね…


嘘までつかせてごめんなさい…

紗絵ちゃんはそう言うと、私と修也を抱きしめた。


今の紗絵ちゃんにサーベルスだった面影はまったく感じられない。


紗絵ちゃんは私と修也から離れると

1から話すと大分長くなるから、簡単に短くしか話さないけど、言うね。
まずは、私がグレていたのは中学生の頃。


私が中学1年生の頃は紬は2歳だし、私が中学2年生の頃は紬は3歳、中学3年生の頃で4歳だね。私が深夜サーベルスで暴れまわっていても、あんまり記憶がないだろうから、お姉ちゃんやお父さん、お母さんとよく口論していたの紬は寝ちゃってたじかんだから、たぶん覚えてないでしょ?


この頃の私は、よく警察のお世話にもなって、お父さんやお母さんが迎えに来てたんだよ。



確かに2歳の記憶はまったくないし、3歳の頃の記憶はとびとびだが、言われてみれば、お母さんと紗絵ちゃんが言い合ってる所、祖父と祖母と紗絵ちゃんが言い合ってる所みたいなのを目撃したことはない。小さい頃の私はすぐ寝てしまっていたので、深夜に口論していたのであれば、私にはわからなくて当然だ。
私はグレてもT.Kアカデミーはちゃんと通ってたんだけど、やっぱりいろんなことがあって、私はお姉ちゃんに対してもコンプレックスが強かったのかもしれない。


何をしても、私は1番になったことがないから、うまく言えないけど、反抗期と自暴自棄みたいな感じだったのかな。


段々と不良の友達とつきあうようになって、そして、サーベルスの現総長たくやと山根とも知り合うんだけど、当時の私達はまだ、不良少年に不良少女で、やりたい放題で、タクヤと山根は特にヤンチャでね、子供のくせに規模の大きいサーベルスにいるからって、調子に乗って、ヤクザの下っ端みたいな人襲ってお金巻き上げてボコボコにしちゃったんだよね。


本人達いわく、チンピラだと思ったらしいんだけど。


それが、私が14歳で中学2年生の頃で、私自分で言うのもあれなんだけど、空手で海外の人相手にしてたから、サーベルスで大人相手にしても、女なのに自分よりでかい人と戦うの慣れてて、当時私より強い人いなくて、総長だったんだ(笑)


で、タクヤと山根が当時中学1年生で13歳。


私の舎弟だったんだよね。


それで、タクヤと山根がボコボコにしたヤクザの組が怒って、当時タクヤと山根は拉致されて殺されかけたことがあって


私はサーベルスのメンバー集めてそのヤクザの組壊滅させて、タクヤと山根を助け出したからか、タクヤと山根は私のことを姉貴って呼ぶようになったんだ。


たくさん他にもあるけど、大まかに話せばそのくらいかな。


あ!ちなみにタクヤと山根は確かに不良かもしれないけど、ヤクザの下っ端ボコボコにしたのには理由があって、サーベルスの総長が私になった時に、女総長だとサーベルスは終わったとか弱体化したとか、ザコ集団とかバカにされたからっていう理由があって、ついでにお金巻き上げたらしいんだけどね(汗)


悪いこともしてきたかもしれないけど、以外に律儀なやつらなんだよ。


私なんかもうサーベルス辞めてるのに未だに会えばああやって下手だしさ。


私が芸能界入ったってわかった時、タクヤと山根は本当に喜んでくれて、これからは自分達とは関わらないようにしてくださいなんて言うんだよ。


私の昔のことが多分表に出てこないのは事務所がなんとかしてるだけか、たまたま運が良いだけかで、いづれは出てくるかもしれないだろうなって思う…


だからね、RISE-1のメンバーに迷惑かけられないから、もう少ししたら、私はRISE-1脱退かなっても思ってるよ…

紗絵姉の金髪すげーな!


え?紗絵姉辞めちゃうの?

沢田さんには結構前から相談はしてたんだけど、今入ってる仕事もあるから、今年までで、来年はソロになるかもしれない…


もし世間にこのことが出回れば、もしかしたら、私は芸能界引退かもしれない…

紗絵ちゃんが活躍する姿もっとみたいよ!


でも、紗絵ちゃんが決めることだから、私は何でも応援するね!

俺も紬と一緒!


紗絵姉のこと応援するよ!

ありがとう二人とも!


寝る前に少しだけ、練習したいんだけどいいかな?


二人とも私に続いて踊ってね!

私と修也は少しは紗絵ちゃんの抱えた不安を聞いて役にたてただろうか。


その後、紗絵ちゃんの言う踊りを私と修也はわりと早く覚え、すぐ就寝し、日付はかわり、16時50分


沢田さんの迎えをマンションのロビーで紗絵ちゃん、師範、千鶴さん、私と修也で待っている。

17時ピッタリに1台のミニバンが止まる。


降りてきた沢田さん。

皆さんお待たせしました。どうぞ!
お礼を言いながら、助手席に紗絵ちゃんが乗り、師範と千鶴さんが2列目、私と修也が3列目に乗り、出発する車。
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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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