第63話 港区立高松中学校入学式(嫌な予感2)
文字数 2,352文字
私は今さら修也の自己紹介なんて聞く必要がないので、テキトーに外を見ていると
紬って修也くん興味ないの?
さっきから森崎が紬のこと見てるよ。
変に絡まれても相手しないほうがいいからね(汗)
え?あ〜お隣さんだから、今さら自己紹介聞いてもねって感じだからね(笑)
(修也に興味はめちゃくちゃありますよ!!だって私は修也が好きなんだから!!(笑)でも、自己紹介に興味ないだけだから。森崎ってやばいやつだよね?うわ〜なんでいつも私は変なやつに絡まれてしまうんだろう…)
チラッとそっちを見ると森崎ってやつがこっちを見てた…
修也に色々話しかけているみたいだけど、席が遠いため会話は私にはわからない…
入学式のため担任の景子先生に誘導され、私達は廊下に並ばされる。
新入生は1組から順番に体育館に移動する。
1組には中島君、2組には徹君、3組に私と修也、4組に美咲ちゃんとなった。
今年の1年生は全クラスは7組まであり、白金小出身の子は各クラス大体18〜20人となるようにわけられていた。もちろん中学校から一緒になる高輪小出身の子達も同じくらいの人数で8クラスにわけられており、1クラスの半分は白金小出身、もう半分は高輪小出身になるような感じになっている。
もちろん私と修也がいるクラス1年3組も半分くらいは白金小出身でもう半分くらいは高輪小出身者となる。
整列して1組と2組の入場の最中に、修也は整列した際、後ろになる高輪小出身の女子に話しかけられていた。
身長大きいね〜とかかっこいいね〜とか言われていた。
1列に並ぶと結構離れているので、もっといろいろ話はしているんだろうけど、それくらいしか私は聞き取れなかった。
なんか、自分が聞き耳ばっかり立てているみたいで、ちょっと嫌になる…
気にしなければ良いだけなのだろうけど、気になって仕方がない。
そんなオドオドする私を何人か間に挟み見る森崎がいた…
なんでわかったかというと、修也の方が木になって後ろを振り返った時に、何度か森崎と目が合ってしまった…
静香に関わらないほうがいいよって言われていたため、目が合うのがなんか凄く嫌だった…
3組の番になって、私達も順番に入場する。保護者席に師範と千鶴さんと紗絵ちゃんが横並びに座っているのがすぐに、わかったので、私は軽く手を振ったら、両手を組んだスーツ姿の師範が手を振ったから、周りの人が驚いていた。
私もすぐに気づいたのは師範がデカくてスーツで見た目が迫力がすごいからだけど…(笑)
紗絵ちゃんは多分というか、若々しさが親というよりお姉さんみたいなので、絶対に保護者の中では最年少だろうと思った。
式辞を述べられたり、挨拶があったり、私は興味のないことは苦手みたいだ…あくびが出ると、周りの子にえぇって顔された…
入学式が無事に終わると、教室に戻る途中、森崎に話しかけられた。
よぉ!!紬。あいつ彼氏じゃないんだってな。
じゃあ俺がお前と付き合ってやるよ。お前結構俺のタイプだからよ。
そう言って馴れ馴れしく肩に手をまわされた。
森崎の顔は爬虫類系のヘビみたいな顔をしていて、非常に申し訳ないけど、私のタイプの顔ではないので、近づかれるとちょっと生理的に受け付けないというか、私の感想でしかないけど気持ち悪い…
顔だけが全てではないとは思うけれど、どうしても私が苦手なタイプなのである…
そんな冷たいこと言うなよ(笑)
お前彼氏いないんだろ?仲良さそうに一緒に教室に朝入ってきた修也だっけ?後ろの席だからいろいろ聞いたんだよ。
そんな照れることはねーんだからさ(笑)
周りにいた高輪小出身の子は森崎には逆らえないのか、見て見ぬふりで、誰も助けてはくれない…
まぁ周りに助けてなんて言おうとも思ってはいなかったけども。
空手強くはなかったけど、普通のか弱い女子よりは、ちょっとだけ力はある。
繋がれた手を話そうと力をいれると、森崎の方が力が強くて、離せない…
必死だね〜。いや〜かわいいなぁ。
高輪小で、俺は結構強かったんだぜ(笑)
じゃあ、俺とキスしたら、この手を離してやるよ(笑)
そう言って、蛇みたいな顔が迫ってくる…
私は蛇に睨まれたカエルですか?(泣)
キモい、キモい…近い、近い…
しかもちょっと息臭いし(泣)
私が少しわめくと、森崎は誰かに蹴られてすっ飛んで前のめりに転んだ。
みっともない態勢で周りの人に笑われたので、めちゃくちゃ御立腹な様子…
全然!!邪魔してくれてありがとうございます!!(笑)
助かった〜(汗)
お前俺のこと怒らせるとどうなるかわかってんのか?(笑)
調子乗ってんじゃねーぞ!!
コノヤロー!!
周りの野次馬は森崎やっちまえみたいな声が出て、修也はアウェー感が強かったけど、殴ろうとした森崎のパンチをガッチリ片手で掴んだ修也。
余裕そうな修也にさらに激情した森崎は、今度はキックを修也の脇あたりに思いっきり入れた。
悲鳴などが周りの女子から出た。森崎はしてやったりって顔をしている。
女子達が見てるからって、何カッコつけてんだよ!!痩せ我慢してんなよ(笑)
そう言ってもう一回森崎は修也の脇腹あたりを蹴った。
だからさ。めんどくせーな。相手すんのくだんねー。一応手加減してやるからな(笑)
蹴りってのはこうやんだよ。
そう言って修也が森崎の脇腹あたりを蹴ると森崎は倒れ込んだ。
※RISE-1 成瀬 紗絵 24歳
港区立高松中学校入学式 成瀬 紬の保護者
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