第68話 森崎兄弟の報復 その2

文字数 2,127文字

ついに授業の終わりをむかえる…


呼び出しの放課後の時間だ…


森崎に何やら言われている修也。場所等言われているのだろうか。


休み時間の間に美咲ちゃんからラインは来ていた。


今日は駅まで道が一緒だから、一緒に帰ろうと…


徹君からも同じようにラインが来ていた。


修也か多分言ってくれていたのだろう。


(私だけノコノコ行くわけには行かない!ごめん紗絵ちゃん!私、今日T.Kアカデミーのレッスンサボる!)

私は紗絵ちゃんにラインで「ごめん!急用できたので今日はT.Kアカデミーのレッスン行けないから休むって連絡勝手に入れとくから!」って送った。
美咲ちゃんと徹君と合流すると私は事情を色々と説明した。
それ聞いて、私帰るわけにはいかないよ。何か協力するよ。


私じゃ戦力ならないかもしれないけど…

俺もその話を聞いて、自分だけ帰るわけにはいかねーや。


同じく戦力ならねーけど、いないよりはマシだろ(笑)

いいの?二人とも?だって、3年の佐々木先輩って人この学校のボスらしいんだよ?


一緒に目をつけられたら、大変なことになるかもしれないよ?

修也と中島だけボコられるの見て見ぬふりできないでしょ?


友達なら助けに行くよね。私剣道部の友達にお願いしてなんか借りてくる(笑)

じゃあ俺は野球部の友達に野球ボールもらってくる!
じゃあ私はここで見張ってる。連絡係する。急いで戻ってきてね!!
私達の集合場所は体育館裏から少し離れた部室棟の近く。


森崎と修也の会話を掃除用具を取るふりをしてさらっと盗み聞きしたとき放課後体育館裏って森崎が言っているのを聞いた。


だから、ここにおそらく修也も中島君も来るはず。あとは森崎達も…

私は美咲ちゃんと徹君を待っている間にT.Kアカデミーに今日レッスンを休みますって連絡を入れた。
(美咲ちゃんと徹君遅いなぁ…一人だと心細いなぁ…)


そう思って振り返ったら人とぶつかった。

いてぇな。なんだオメェ。邪魔だ。早くどけ。
すいません。
どいて前を歩いていく男に見覚えがある…


(この人、どっかで見たような?)


あんまりジロジロ見ると変に絡まれたくないので、チラチラみるようにした。

(あ!この人虎男だ!なんでこんなとこいるんだ?)
そういえば前にも私が虎男とぶつかって、いろいろあったなぁ〜と思い出す私。



虎男は体育館裏に歩いていくと、タバコを吸い出した。


ちょっとすると、ぞろぞろと佐々木先輩や森崎兄達3年が10名程集まると、虎男に全員挨拶していた。


佐々木先輩だけ、虎男と親しそうな感じだし、タメ口だった。


(もしかして兄弟?親戚?)


修也と中島君も森崎に連れられて現れた。
(美咲ちゃんに徹君早く戻ってきてよ(汗))
耳を澄ますと声が聞こえる。
よくビビって逃げ出さないで来たな。度胸だけは認めてやるよ(笑)


仲間連れてきたのか?しかも一人だけ(笑)


二人で何が出来んだよ?


こっちは10人に俺の兄貴も呼んだ。


俺の兄貴は元サーベルスだったんだ。


ビビってももう遅せーけどな。

急に呼び出したと思ったらこんなことか。


俺は関係ねー。ただの見物人だからな虎次。


もう、俺もいい歳なんだ。中学生のガキの喧嘩に関与したくねーわ。

会話を聞いて虎男は少し大人になったんだなと思った。


(元ってことは今はサーベルスにはいないってこと?さっきぶつかったときは感じ悪かったけど?まぁ、昔みたいにネチネチしつこくなかったけど…)

お前らがここでやられて病院送りになったら、あの女は俺が仲良くしてやるから安心しろな(笑)


謝るなら今のうちだぞ?


土下座で謝ったら、考えてやるからさ(笑)

森崎が3年生を味方につけているからか、強気だ。


(あの女って私かな?仲良くしたくないですけど…森崎の笑い方キモい…)

あいつには夢がある。お前らみたいなくだらない奴らとは違う。


だから、関わらないでやってほしい。



(あれ?意外と私のこと考えてくれてる感じ?)
あぁ?くだらない奴ら?


夢?そんなの俺には関係ないね(笑)

そうだ!近づくな!お前顔がネズミ男みたいで息が臭せーんだよ!


しゃべんな!

中島君が森崎にそう言うと森崎が切れた。
テメー!調子乗ってんなよ!
森崎が中島君に殴りかかろうとすると、中島君の蹴りが森崎のお腹に入り、お腹を抱えて森崎は倒れ込んだ。


このことを皮切りに佐々木先輩が率いる森崎兄のいる3年生達のグループがが修也と中島君に襲いかかった。

(始まっちゃった(汗)どうしよう…)


オドオドして何もできない私。虎男は参戦しないで、タバコを吸いながら戦場を見ている。

修也と中島君は山本道場で鍛えられているからか、囲まれて少し殴られたくらいでは、びくともしないで反撃している。たった二人で…
私は1人で、あたふたしながら、美咲ちゃんと徹君に電話をかけたが出ない。ラインで始まっちゃったよ。どうしよ。やばいよ。テンパりながらいろいろ送った。
ごめん!おまたせ!
全身剣道の防具に身を包み、竹刀を持った美咲ちゃんが戻ってきた…



紬の分もあるから。
そう言って美咲ちゃんは私にも竹刀を1本くれた…


(私も防具ほしいんですけど…)

徹君も段ボールをもって戻ってきた。
ごめん!時間かかったけど、もういらないっていう野球ボールたくさんもらってきたから。
美咲ちゃん、徹君、私、3人でせーので乱戦の中に飛び込んだ…
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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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