第171話 託された女王の称号
文字数 2,364文字
もう一度やらせてくださいと…
沢田さんから後日連絡があり、私は2月にはT.Kアカデミー仙台校の職員を離れ、3月には東京に戻りレッスンをそこから1ヶ月受け、4月に成瀬 紬として芸能界の表舞台に復帰することが決まった…
千春ちゃんは4月から大学生とレッスンの開始、大学生活とレッスンの様子を見て、復帰する時期は事務所側と話し合い決めることになったらしい。
絶対に先にもう一度這い上がって千春ちゃんを待ちたい。
きっと千春ちゃんは這い上がってくる…そんな気がするんだ…
今、成瀬 紗絵は引退し藤堂 紗絵となり芸能界にはいない…
でも、その人を1番近くで見て同じ芸能界の世界で私はたくさんのことを当時学んだ…
だから、女王と呼ばれる母親の座を他の人に渡すわけにはいかない…他の人に取られるくらいなら、私がなってみせる…
あんなに迷ってたのにやると決めてからは、もう迷いはなかった…
そこで白石 千春を待ちたい…多分千春ちゃんは目標が高ければ高いほど、成長出来る人だから…
私は短い間だったけど、春を迎えるちょっと前に送別会を開いてもらって、T.Kアカデミー仙台校の職場の人達に「頑張ってね」とか「応援してるからね」と温かく送り出された…
色々引っ越しの準備も終わりいよいよ東京に戻る前日…
千春ちゃんが泊まりに来た。
私が先に必ずその座についてみせる。そこで待ってるから。千春ちゃんが来るための道は私が作る。
再挑戦でもやれるってみせるから。
当時1番年下だった私に良くしてくれたアトランティックスターズのメンバーだったみんなにも、私が頑張ってる姿見て欲しいですし。
そして、いつかみんなの都合が合えば紗絵さんみたいに1日だけでもいいから、アトランティックスターズのみんなと歌いたいです。
記憶取り戻してから、失礼なことあったらごめんなさいって連絡しました。
みんな私が記憶取り戻したの喜んでくれました。
今はみんなそれぞれの道だけど、私が復帰することも話したら、みんな頑張れって言ってくれました♪
だから、私は負けられないんです。アトランティックスターズで出来なかった、たくさんのこともみんなの無念も私がはらします。
私はアトランティックスターズのメンバーになんか申し訳なくて、あれからみんながどうしてるかまでは、詳しく知らなくてさ(汗)
先に東京行くけど、あっちでも仲良くしてね♪
彼氏と仲良くね♪
今日はお父さんは仕事でいなくて、家につくと紗絵ちゃんがむかえてくれた。
身長差はほとんどない…小さな頃は背が高く見えていた紗絵ちゃんなのに、御互いに歳をとった…
来月紗絵ちゃんは35歳、私は24歳になる…
紗絵ちゃんは見た目は若いけど…もう35歳…
子供とか欲しくないのかな?
もし二人の間に子供が出来たり、夫婦としての生活に私が邪魔になりそうなら、私はいつでも一人暮らしすることだって出来る年齢だ、
私ね、あの時の事故の後遺症がね、脚は奇跡的に動くようになったから良いんだけどね、子供が出来ない身体になっちゃったんだよね…
紬には言ってなかったけどね(汗)保さんは当時の私の主治医だから、そのことも知ってるよ。
でも、いいんだ。ここに大きな娘が一人いるから(笑)
でも、それは違うよ。紬ももう大人だからわかるでしょ?あれは私が自分で決めて自分で勝手な行動をして、そうなっただけ。
だから、紬のせいじゃないの。
それに言ったでしょ。娘ならいるからいいのって(笑)
勝手につけられた称号だけど、女王の座を守ってね♪
私の子供は紬しかいないんだから、託した(笑)
紬が東京の部屋に戻った際