第160話 ブレイク
文字数 1,755文字
それからの成瀬 紗絵は女王と呼ばれるまで色々あったけど、華々しい活躍を見せ、当時の女優、歌手、モデルとしてどの分野でも、頂点に君臨した。
白石 千春は炎上して悪いイメージがつかないと良いと思っていた頃…
その勢いのまま、マンガジンの表紙に白石 千春のグラビアが載ると、更に若い人達からの支持を得た。
そのことが嘘のように、風向きが変わった…
かつて成瀬 紗絵が出ていたドラマの現代リメイク版のドラマ「青春ピンク・ブルー」に出演をはたす。
当時の成瀬 紗絵の演じた橘 美希役を現代版では白石 千春が務めた。
現場にいた当時を知るスタッフさんは成瀬 紗絵の再来だと言っていた…
十数年前の撮影現場の紗絵ちゃんの様子を当時6歳くらいの私や、まだ赤ちゃんなんじゃないかくらいなはずの千春ちゃんも、もちろん知らない…
私は千春ちゃんのいろんな撮影にマネージャーとしてどの現場も付き添っていたが、モデルの撮影時も初めてとは思えない立ち振舞、グラビアの撮影のときも落ち着き、現場のスタッフさん達が驚いていたくらいだ…
そして今回のドラマの撮影…
でも、私は知っている…白石 千春がどれだけ影で血の滲むような努力をしているのかを…
誰よりも早くレッスンに来るし、誰よりも遅く帰る。そして撮影現場にもスタッフさんよりも早く行きたがる…努力家。
モデルの撮影が決まったとき、千春ちゃんは私の家に泊まり込でレッスン以外にも毎日モデルのことに関して勉強しに来た。
家で紗絵ちゃんに会えたときには、紗絵ちゃんにもアドバイスをもらった。
グラビアのことは全然わからないので紗絵ちゃんの知り合いの元グラビア出身のタレントさんに色々教えてもらいに千春ちゃんとその人の所に休みの日に通った。
それに伴い他のメンバーの番組の出演も増えていった。
でも、忙しくなるに連れ若干14歳になったばかりの中学2年生の千春ちゃんにグループの色々な重圧がかかってしまっていることや休みなく若さだけでがむしゃらに頑張り、平然を装い疲れを見せない、千春ちゃんが疲弊していることに私達は気づけずに進んでいくことになる…
10代人気ファッション雑誌「TEENS」モデル撮影時
13歳 中学1年生
マンガジン表紙グラビア撮影時
14歳 中学2年生
リメイク版ドラマ「青春ピンク・ブルー」
橘 美希役
ドラマ主題歌 アトランティックスターズ
「青春ハリケーン」オリコンシングルランキング初登場第3位