第170話 私達の生きる世界は…

文字数 2,025文字

私が仙台に転勤になりやってきて、時は過ぎ間もなく卒業シーズンを迎える頃…


千春ちゃんから連絡をもらって、時間を合わせて千春ちゃんが学校帰りに私の住むマンションに遊びに来た。





せっかくのおやすみの日にすいません。


でも、どうしても、伝えたかったんです。


私は東大受かりました!私の通う城西高等学校では、初めての快挙らしいです♪


もうすぐですけど、春から私は一足先に東京行きます。


そして、東京に戻ったら、私はもう一度、白石 千春を始めます。

受かったんだね♪よかった♪東大入れるの本当に凄いよ!


でも、春からちょっと寂しいけどね。そっか。白石 千春で行くことにしたんだね。


事務所はどうするの?そう言えば彼氏はどうなるの?

白石 千春はT.Kレコード事務所で復活します。


ずっと連絡したりもしてないですし、なんかちょっと戻りづらいから、違うとこで再出版なんて考えたりもしたんですけど、母親が私の記憶が戻った事、連絡したらしくて…


もう一度、戻ってこないか?というような話をされて、私的には有り難いので、戻れることになりました。


なので大学生をしながら復活します♪


彼氏ですか?あ〜、一応私立大で東京に同じく出てくるみたいです(笑)


私が東大なので、本人は落ち込んでましたけど(笑)

そっかぁ♪二人で上京出来るなら良かったね♪


もしかして東京では一緒に住んじゃったりとか?


私も少し送れて東京戻るけどね、それは職員としてだった場合の話なんだ…


私が成瀬 紬として復帰するなら、私も春から戻ることになるみたいなんだけど…

最初は一応、一緒に住むことになってますよ♪


そうなんですか?!どうするか決めたんですか?!
結構前のめりになって、千春ちゃんは聞いてきた。


(千春ちゃんは私が復帰したとしたらどう思うだろう…)

そろそろこたえを出さなきゃないのに、未だに決められないで迷ってるだよね(汗)


千春ちゃんは、一緒に住むのであればまだ、一緒の時間取れるかもしれないけど、自分の大学生活と芸能活動とすれ違い続けたらどうしようかなとか不安にならない?

成瀬 紬が復帰するなら、T.Kレコード事務所に所属しますよね?


そしたら、私はめっちゃ楽しみです♪


そうですね〜どちらかというと前向きにとらえてますかね。


女の一人暮らしより、一緒にす茹でるのは防犯上メリットありますよね(笑)


芸能人として、一般人の彼氏を隠し通せるかどうかはわからないですけど(汗)


でも、別れたらその時はその時ですよね。


考えたらキリがないので、明るい方しか考えてません。

(ポジティブか…)


千春ちゃんも学生とはいえ18歳。成人扱いは受ける年齢になった…


ちゃんと自分を持っていて凄いなと思う…

明るい方に考えられるから凄いよ。


私なんて、普通の人になりたいってやめて、やっと普通のせいかつを送れるようになったのに、また復帰迷ったりしてバカだよね…(汗)


今更戻ってどう思われるかも不安なのも少しあるんだよね…

紬さん随分弱気ですね。私の知ってる成瀬 紬はもっと堂々としていましたよ。


初めてあった時の紬さんは、私がド素人なのもあったかもしれませんが、凄く自信に満ちているように見えてましたよ。


私は今冬月 千春ですけど、芸能界では白石 千春でやります。


紬さんも今は藤堂 紬ですけど、芸能界では成瀬 紬でやりますよね?


紬さんが今の職員の道を進むのか、復帰するのかはわからないですけど、私は一緒に戦ってみたいです。


紗絵さんのいない今、二人とも上に行けば絶対に戦えると思います。


悪い意味じゃなくて、良い意味ですからね。

千春ちゃんが上に上がっていっても、私は全然だめかもよ?(笑)


道しるべになりたいっても思ったけど、そもそも私が、転落していくかもしれないしね(汗)

紗絵さんはいつも紬さんの前にいたんじゃないですか?


紬さんも私の後ろとか考えないで、やるときは前にいてくださいよ。


女王に唯一勝ったことのある人は私が越えて1番になります。


じゃないとあの頃の私を見つけてくれた、成瀬 紬っていう人に申し訳ないので(笑)

これはきっと迷ってる私への千春ちゃんなりの激励なのかもしれない…


私も迷うのはやめた!誰に相談しても、何を言われても結局決めるのは最後は自分…


私はやりたい!辞めるなら、せめて千春ちゃんにいんどうを渡してもらおう…

私も決めたよ。やるよ。


次は初めて千春ちゃんと知り合ったカラオケ対決じゃないからね。


プロとプロの対決をしよう。

やっとやる気になってくれたんですね♪


実は紗絵さんに言われてたんですよ。紬さん迷ってて踏ん切りついてないから、少し挑発してやってって(笑)


でも、嬉しいです♪


これで一人じゃないので。今度は私が勝って見せますからね♪


じゃあ春からはお互いに頑張りましょう♪

(紗絵ちゃんか…少し復帰する方に寄せてってな感じするけど、いいか(笑))
こちらこそよろしくね♪
私達は春にまた東京で出会うことになった…


成瀬 紬と白石 千春として…


今度はお互いに良きライバルになるはず…

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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