第150話 白石 千春のグループを作れ
文字数 2,299文字
ボイトレのレッスンでも千春ちゃんと被ることも多かったけど、白石 千春はやはりダイヤモンドだったということを思い知らされた。
ボイトレを重ねた結果、今、白石 千春は高音に息苦しさを感じさせないキレイな声を出せるようになっていた。
(なんかやらかしたかな、なんか私ヤバいことしたかな…)
不安に思いながら、上層部の人達が話すのを待つ…
言われたことは、白石 千春を成瀬 紬プロデュースのグループでデビューさせたいから、アカデミーの他校も視察に行って白石 千春のグループを作れと言われた。
私はこの日から仕事が雑務中心から、グループのメンバーを見定めるため各地の他校の視察と、紗絵ちゃんのライブに参加するためのレッスンへと変わった。
他校に行った時は、他校でレッスンを受けた。
普通の会社員とは違って、視察して、職員の名札を首からぶら下げて、人をジロジロと見定めているのに、途中から、レッスンに混ざったり、異色な私の仕事の様子に他校の人達は、少し困惑していた…
職員や講師の人達には知らされているが、生徒達には他言しないようにと説明されているため、生徒達に私が新グループ立ち上げのためにメンバーを選びに来ているとは知らされていない。
ヘトヘトになりながらも、成瀬 紬としてはカッコ悪い姿を見せられないので、シャキッとして、レッスンを受けに行く…
私は紗絵ちゃんのここにいた頃も、恵美ちゃんのここにいた頃も知らないけど、その時みたいに千春ちゃんは今や東京校みんなの期待の星。
プレッシャーに感じたりしないで、メンバーの中で最年少だったりするかもしれないし、そこはまだ分からないけど、東京校の代表としてみんなを引っ張ってね。
レッスンが終わると、私は少し残業して、他校に連絡を入れた。
仙台校の17歳、名古屋校の15歳、大阪校の16歳、福岡校の14歳の各校から1名ずつ。メンバーに入れたい人を招集するため声をかけてほしいと連絡した。
それぞれに転校もしくは編入が必要な上に、上京することも必要になる為、本人や親御さんの意志も尊重してほしいことも伝えた。
後日、他のメンバー全員からユニットに加わりたいとの返答があったとのこと。
全員未成年のため、親御さんの承諾も必要になるが、親御さんも承諾済みとのことで、後日、書類を書いてもらいに行くことになった。
現段階でユニット名 未定
田村 望結(たむら みゆ)17歳 仙台校
佐藤 有沙(さとう ありさ)15歳 名古屋校
高橋 由紀(たかはし ゆき)16歳 大阪校
本城 真奈(ほんじょう まな)14歳 福岡校
白石 千春(しらいし ちはる)13歳 東京校
聖心中1年生 T.Kアカデミースクール特待生
レッスン中