第191話 その歳で?!

文字数 2,043文字

頑張ろうねと言った後に何も言わない紗絵ちゃん…
その沈黙は何?!子供達の為に頑張るのって私なの?お母さんなの?
相談なしに勝手に約束して来たみたいなので、嫌な予感しかしないので、あんまり聞きたくないけど、聞いた。
それはね、その〜千春ちゃんの今回の横浜スタジアムのライブのタイトル知ってる?
知ってるよ。だって絵奈と紗羅にチケット取れって言われて申込みはしたもん。外れたけど。


タイトルは「NNN(トリプルエヌ)」でしょ?私はタイトルの意味は知らないけど、それがどうかしたの?

いや〜それがさぁ…


千春ちゃんにチケットを直談判して、完売してるのになんとか出来たのはいいんだけどさ、「NNN(トリプルエヌ)」って何でしたか言われてさ、お願いされたんだよね、もう勝手に受けたから、後戻りは出来ないからね(汗)

(後戻り出来ないからねって何かわからないんだけど…)


早く知りたい私は紗絵ちゃんを急かす。

それは私にはわからないよ。で、何?早く話してよ。
トリプルエヌは成瀬 紗絵、成瀬 紬、成瀬 千春ということらしいです(汗)


まぁ、そこまでは成瀬ですよみたいな感じで考えてたらしいんだけど、私がチケットお願いしたら、1曲だけでもいいんで出てくださいだって(汗)


3人でステージに立つんだって(汗)

(いやいや、何勝手にそんなこと約束してきてるの…)
嫌だよ。子供達に話したことはないのにいきなり、バレるじゃん。


しかも勝手に約束してきてさ、無理無理。もう私は現役を離れて7年も経つんだよ?


お母さんなんて引退して10年以上なるよね?


私ですらきついのに見た目は若くても、その歳で20代の千春ちゃんと同じ場所に立つなんて無理だよ(笑)

でも、もう約束してきたもん(笑)


夏に向けて頑張りましょう♪♪


紬は専業主婦なんだし、子供達学校行ってる間にレッスン受けれるでしょ。


私なんて、孫のためにおばさんになったのに自分の身体にむち打って、レッスン受けるんだからね(泣)


仕事は有給使うからいいや(笑)

(自分で勝手に約束してきてるんだからむち打って当然でしょ…巻き込まれたこっちの身にもなってよ…)
断れないの?チケット取れたのは何かの間違いでしたって子供達に言って納得させるから断ってきて。
私が紗絵ちゃんにそう言うと、紗絵ちゃんは残念そうな顔をした。


そして、そこへ修也が現れた。

もう紗絵姉約束しできちゃったんだから、やってやれよ。


1曲くらいだったらいいだろ。子供達もチケット取れたって言ったら喜ぶんだし、付き合ってあげたらいいだろ。


母親のカッコいい姿見せてあげたらいいじゃん。

(こいつ誰の味方なんだよ…余計なこと言いに来るなよ…)
修也がそう言うと紗絵ちゃんは調子づいた…
そうそう!修也はいいこと言うな〜。さすが私の義息子(笑)


でもね、私と紬と千春ちゃんは1曲を3人でなんだけど、紬はもう1曲あるからね(笑)


千春ちゃんがCharlotteをその日1日だけでいいから1曲だけ付き合ってほしいって。


いいよ〜って勝手に約束してきたけど(笑)

(なんでそれも私に相談もなしに勝手に引き受けてくるんだよ…私のマネージャーさんじゃないんだからさ…)
わかったよ。やればいいんでしょ…やれば。


せっかく平凡にまた生きてたのに、何で私はまた引き戻されるのかな(汗)

そういう星のもとに生まれたからです(笑)


じゃあ早速、明後日から、懐かしのT.Kアカデミー東京校で日中はレッスンあるからね♪


ちゃんと子供達のことあるから、土日は紬はレッスン休みだけど、平日の週5は日中レッスンだからね。


車で来るなり、電車で来るなりお好きにどうぞ♪(笑)


じゃあ、私は子供達帰ってきたら、堂々とばあちゃんチケット取ったぞ〜って喜ばせて帰るね♪

何それ(汗)レッスン…はいはい受けますよ。


子供達にはお母さんと私が出ること今日言うの?

そんなのサプライズに決まってるでしょ♪


当日までのお楽しみってことで♪


懐メロで当時の映像しか見てない子供達を実はあれはおばあちゃんです、お母さんですとびっくりさせてあげましょう(笑)


私は1日だけ成瀬 紗絵に戻ります♪


おばさんだけど(汗)


紬も1日だけ成瀬 紬に戻ります♪


同じくおばさんだけど(笑)

(私もおばさんだけど、おばさんって言わないでよ…)
失礼なことばっかり言ってないで、ぎっくり腰とかならないようにね、おばさんなんだから。
うわ〜失礼な人(笑)
この後、修也と私と紗絵ちゃんは子供達が帰って来るまで世間話をした。


子供達が帰ってくると紗絵ちゃんはチケットを取ったことを報告。


絵奈と紗羅は、ばあちゃんすごい!とかばあちゃん最高とか喜んでいた。


当日は千鶴さんと紗絵ちゃん、私と子供達で行く予定になった。


紗絵ちゃんと私が出番の間は千鶴さんが子供達と一緒に見ていてくれるらしい。


子供達は理由はわかっておらず、ばあちゃん二人と私とお出かけだと思っている。

もうすぐ子供達には見せたことのない成瀬 紬に1日だけ、私は戻る…


子供達の目に山本 紬じゃない成瀬 紬の私はどう映るだろうか…

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登場人物紹介

成瀬 紬(なるせ つむぎ)。

物語の主人公。紗絵の姪。内気で気弱。

成瀬 紗絵(なるせ さえ)。紬の叔母。

アーティスト、マルチタレント。

T.Kレコード所属RISE-1のメインボーカル。

山本 登(やまもと のぼる)。山本道場師範。修也の父親。絵里や紗絵の恩師。

山本 千鶴(やまもと ちづる)。修也の母親。

山本 修也(やまもと しゅうや)。のちに紬の幼馴染となる人物。初恋の人は茅ヶ崎 恵美。

沢田 水子(さわだ みずこ)。T.Kレコード会社マネージャー。紗絵の所属するグループRISE-1の担当マネージャー。

茅ヶ崎 恵美(ちがさき めぐみ)。

アーティスト、マルチタレント。紗絵と同じRISE-1のメンバー。紗絵とは親友でもありライバル。

佐々木 虎男(ささき とらお)。ギャング組織での一員。のちに紗絵の舎弟的存在となる。

藤堂 英玲奈(ふじどう えれな)。

美少女コンテストで紗絵が負けた相手。

美少女コンテストグランプリ受賞者。

紗絵より年齢は1つ上。

藤堂グループの令嬢。高飛車で性格は悪い。

安西 楓(あんざい かえで)。紬と修也と同年代で二人が高校生の頃に登場する人物。

紬の恋敵。

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