第146話 感動を体感させてあげたい
文字数 2,273文字
書類を運んだり、所属するアーティストの番組出演依頼先のテレビ局に先輩が行くのに帯同したり、忙しく毎日が過ぎていた。
紗絵ちゃんが今年の夏にライブをすることが決まり、そこで一夜限りRISE‐1は復活することが決まった。
恵美ちゃんは子供を南野さんの親が見てくれるとのことで了承済み。
南野さんは事務所を移籍してしまっているが、事務所側から、沢田さんが何度も交渉に出向き了承を得た。
実さん、心愛さんは快く了承済み。スミスさんは、その日が近くなったら帰国し参加してくれるらしい。
チケットは発売時サーバーがパンクしたが、すぐに売り切れた。
毎日雑務ばかりで辛いけど、仕事にはやりがいを感じている。
スカウトの件については上司に報告はしたけど、連絡は来てませんと伝えたら、連絡先も聞かないでお前はバカかと言われた…
そして迎えた休日…
修也とショッピングしに街に出ていた時に、私のスマホの着信が鳴った…
見ると知らない番号。
そして、その書類の説明やらなんやらを連絡をとって相手の親にも、説明しに行けと言われた…
正直、私ではチンプンカンプン…
そんな時、沢田さんが来ると、みんな部長お疲れ様ですと挨拶をした。
私も頭を下げると私の前に来て、書類を見た沢田さんに話しかけられた。
応接室に入り席に座る沢田さんと私。
私も入社した頃は表舞台と裏方でわかる事もあれば、ほとんどわからないことだらけだったので。
多分、紬の今の状況は私はよく理解してあげられると思いますよ。
手伝いますよ。でも、私のお願いも聞いてもらえますか?
でも、夏までだけ仕事の時間は少し短縮でレッスン受けてください。
ライブが近くなったら、リハーサルやら、何やらが仕事だと思ってください。
最初から最後まで参加ではないです。RISE‐1のように部分だけ出てもらいます。あくまで成瀬 紗絵のライブですから。
それが終わったら、また通常の職員に戻ってください。
チケットもう売り切れてますので、スタジアムは当日満員のはずですよ。場所も日産スタジアムなので7万人います。
関係者席で、紬のスカウトした子に見させてあげることも出来ますよ。
千春ちゃんに親御さんにも説明が必要だからと伝えると、お母さんが仕事が休みで家にいたみたいで電話を代わってもらい、アポは取れた、
そして、電話で千春ちゃんに夏にある成瀬 紗絵のスタジアムライブ見てみたくないか聞くと、チケット取れなかったと言うので、招待するから、関係者席で見れるよって言うと凄く喜んでいた。
友達も連れてきていいよと伝え、人数を確認すると5人。多分この間ファミレスに一緒にいた子達の分だと思うけど、全員で見に来ていいよと伝えた。
千春ちゃんには、私も参加することは伝えなかったけど。