第77話
文字数 415文字
「はい、問題ー」
教師が指示棒を手に口を開くと、映像が止まった。
「ここで家康は何と言ったでしょうか。分かる人ー」
誰も手を挙げない。
「んー、分からないのか? 予習してきてる奴は?」
やはり、誰も手を挙げない。
「仕方ないな、じゃあ……」
「はい」
そこで、学園一の秀才である秀一が手を挙げた。
「お、佐藤。分かるか」
「『うんこ食べたい』です」
途端に教室がざわつきだす。
「まさか、なぁ」
「家康だぜ?」
「うんこなんて言うか?」
そのざわつきに被せるように、教師が手を叩く。
「正解!」
まじかよ。
「じゃあ、映像の続きを見てみようか」
『うんこ食べたい』
で、うんこを食ってた。
『花火』【るうね→りきてっくす】
「きれいね」
「そうだね」
打ち上げ花火を見ながら、二人の男女が語らっている。
「わたしね、花火になるのが夢なの」
「馬鹿だなぁ、なれないよ」
「いいえ、それがなれるのよ」
「本当かい?」
冗談交じりに訊き返した男だったが、女の目は真剣だった。
教師が指示棒を手に口を開くと、映像が止まった。
「ここで家康は何と言ったでしょうか。分かる人ー」
誰も手を挙げない。
「んー、分からないのか? 予習してきてる奴は?」
やはり、誰も手を挙げない。
「仕方ないな、じゃあ……」
「はい」
そこで、学園一の秀才である秀一が手を挙げた。
「お、佐藤。分かるか」
「『うんこ食べたい』です」
途端に教室がざわつきだす。
「まさか、なぁ」
「家康だぜ?」
「うんこなんて言うか?」
そのざわつきに被せるように、教師が手を叩く。
「正解!」
まじかよ。
「じゃあ、映像の続きを見てみようか」
『うんこ食べたい』
で、うんこを食ってた。
『花火』【るうね→りきてっくす】
「きれいね」
「そうだね」
打ち上げ花火を見ながら、二人の男女が語らっている。
「わたしね、花火になるのが夢なの」
「馬鹿だなぁ、なれないよ」
「いいえ、それがなれるのよ」
「本当かい?」
冗談交じりに訊き返した男だったが、女の目は真剣だった。