第59話
文字数 1,055文字
そこまでシナリオを書いたところで、会社からメールが届いた。
「なんだ?」
確認してみると、件名には"仕様の変更"とある。
まさか、と思い文面を見てみると、やはり年齢制限の変更の件だった。18禁から全年齢対象に変更、とある。
「まあ、ゲーム業界も表現規制の波が激しいからなぁ」
仕方なく、俺はシナリオを書き直し始めた。
「あっれ~、おっかしいなあ」
グツグツと煮え立つ大釜をまえにして少女が首をひねった。手には巨大なマドラースプーンを持っている。
「ちゃんと材料は入れたはずなのに……」
好きぼくろのあるあごに指を押し当て考え込む。するとどこからか巨大なガマガエルが現れテーブルのうえにピョコンと飛び乗った。
「どうしたんだいビッチ、調合がうまくいかないのかい?」
カエルは緑色の表皮に赤い突起をブツブツと散らした見るからに毒々しいすがたをしていた。ビッチと呼ばれた少女が振り返る。
「ああゲロッパ。じつはね、村のおじいちゃんから悠久の×××××を作ってほしいと頼まれたのだけど、いくら調合を繰り返しても失敗しちゃうのよ~」
「ちゃんとレシピ通りに材料は入れたのかい?」
「入れたわよ~。マナティの××でしょ、ナキウサギの××でしょ、パタスモンキーの×××でしょ、それにミズオオトカゲの××××××」
「……うん、素材はちゃんと揃ってるようだね」
少し考えてからゲロッパが言った。
「言うまでもないけど、×××は入れてあるよね?」
「あっ……」
ビッチが自分の頭をコツンと叩いた。
「いっけな~い、すっかり忘れてた」
「なんだ、肝心なものを入れてないじゃないか」
「×××って、どうやって作るんだっけ?」
ゲロッパは、やれやれと首を振った。
「貴公子の××と貴婦人の××を半々に混ぜてから、おっさんの×××を小さじ一杯加えるんだよ」
「そうだった、思い出したわ」
ビッチは愛用のリュックを背負うと言った。
「じゃあ、あたしちょっと素材を採取してくるから道具出してちょうだい。××でしょ、×××××でしょ、×××××でしょ、あと電池でヴィーンって動くやつ」
「ああ、電マね」
『助けてください』【るうね→りきてっくす】
朝、家の窓の外からこんな声が聞こえてきた。
「助けてください! 助けてください!」
「なんだなんだ!?」
飛び起きた僕は外に出る。
そこに居たのは一人の美少女。金髪で赤い目をしている。まるで、おとぎ話に出てくる異国のお姫様のようなドレスを着ていた。
「助けてください!」
僕を認めた少女は、叫びながら駆け寄ってきた。
「なんだ?」
確認してみると、件名には"仕様の変更"とある。
まさか、と思い文面を見てみると、やはり年齢制限の変更の件だった。18禁から全年齢対象に変更、とある。
「まあ、ゲーム業界も表現規制の波が激しいからなぁ」
仕方なく、俺はシナリオを書き直し始めた。
「あっれ~、おっかしいなあ」
グツグツと煮え立つ大釜をまえにして少女が首をひねった。手には巨大なマドラースプーンを持っている。
「ちゃんと材料は入れたはずなのに……」
好きぼくろのあるあごに指を押し当て考え込む。するとどこからか巨大なガマガエルが現れテーブルのうえにピョコンと飛び乗った。
「どうしたんだいビッチ、調合がうまくいかないのかい?」
カエルは緑色の表皮に赤い突起をブツブツと散らした見るからに毒々しいすがたをしていた。ビッチと呼ばれた少女が振り返る。
「ああゲロッパ。じつはね、村のおじいちゃんから悠久の×××××を作ってほしいと頼まれたのだけど、いくら調合を繰り返しても失敗しちゃうのよ~」
「ちゃんとレシピ通りに材料は入れたのかい?」
「入れたわよ~。マナティの××でしょ、ナキウサギの××でしょ、パタスモンキーの×××でしょ、それにミズオオトカゲの××××××」
「……うん、素材はちゃんと揃ってるようだね」
少し考えてからゲロッパが言った。
「言うまでもないけど、×××は入れてあるよね?」
「あっ……」
ビッチが自分の頭をコツンと叩いた。
「いっけな~い、すっかり忘れてた」
「なんだ、肝心なものを入れてないじゃないか」
「×××って、どうやって作るんだっけ?」
ゲロッパは、やれやれと首を振った。
「貴公子の××と貴婦人の××を半々に混ぜてから、おっさんの×××を小さじ一杯加えるんだよ」
「そうだった、思い出したわ」
ビッチは愛用のリュックを背負うと言った。
「じゃあ、あたしちょっと素材を採取してくるから道具出してちょうだい。××でしょ、×××××でしょ、×××××でしょ、あと電池でヴィーンって動くやつ」
「ああ、電マね」
『助けてください』【るうね→りきてっくす】
朝、家の窓の外からこんな声が聞こえてきた。
「助けてください! 助けてください!」
「なんだなんだ!?」
飛び起きた僕は外に出る。
そこに居たのは一人の美少女。金髪で赤い目をしている。まるで、おとぎ話に出てくる異国のお姫様のようなドレスを着ていた。
「助けてください!」
僕を認めた少女は、叫びながら駆け寄ってきた。