第35話
文字数 469文字
すると、翌日から弟子たちは贅沢三昧をするようになりました。美しい女をはべらせ、美味しい料理や酒を思う存分口にしています。
「そなたらは、何をしているのか」
チャバナ仙が問うと、弟子の一人がこう答えました。
「不苦不楽の境地に至ろうと実践しているのです」
「これのどこが」
「不苦不楽とは、すなわちなにものに対しても感情を動かさぬことでしょう? ですが、美しいものを見たり、美味しいものを食べたりすればどうしても心は動いてしまう。ですので、常に美しいものを見て、つねに美味しいものを食べることで、それらをありふれたものと感じるようにすれば、心も動かなくなり、不苦不楽の境地に至れると思ったわけです。どうです、何か間違っていますか?」
それに対し、チャバナ仙は何も返せなかったという。
『波止場』【るうね→りきてっくす】
俺は波止場から海を眺めていた。
こうして、夜の海を眺めていると、かつて友人だった吾妻のことを思い出す。
そう、あれはあいつがアニメキャラのフィギュアを使って空を飛ぶと息巻いていた頃のことだった……。
「そなたらは、何をしているのか」
チャバナ仙が問うと、弟子の一人がこう答えました。
「不苦不楽の境地に至ろうと実践しているのです」
「これのどこが」
「不苦不楽とは、すなわちなにものに対しても感情を動かさぬことでしょう? ですが、美しいものを見たり、美味しいものを食べたりすればどうしても心は動いてしまう。ですので、常に美しいものを見て、つねに美味しいものを食べることで、それらをありふれたものと感じるようにすれば、心も動かなくなり、不苦不楽の境地に至れると思ったわけです。どうです、何か間違っていますか?」
それに対し、チャバナ仙は何も返せなかったという。
『波止場』【るうね→りきてっくす】
俺は波止場から海を眺めていた。
こうして、夜の海を眺めていると、かつて友人だった吾妻のことを思い出す。
そう、あれはあいつがアニメキャラのフィギュアを使って空を飛ぶと息巻いていた頃のことだった……。