第47話

文字数 595文字

 武器……武器とは何だろう。
 あれから、おれはずっと考えていた。
 拳銃とかそういったものだろうか。
 だが、普通の学生にそんなものが手に入るはずもない。
 では、模造刀とか木刀の類はどうか。そんなものを持たせて、いったい何をするつもりなんだ。
 もしかすると、"武器"というのは何かの隠語?
 武器、武器……もしかして!


 翌日、おれは何も持たずに先輩の家を訪れた。
「よく来たわね。これから革命よ」
「分かりました」
 おれはうなずくと、その場で裸になった。
「あなたの武器はそれ?」
「ええ、全ての男性の武器、ちんこです」
「了解したわ。ついてらっしゃい、この日本を目覚めさせるのよ!」
 そうして、機関銃を構えた先輩は国会議事堂に突撃した。
 おれはあわてて後に続く。
 そして、先輩は撃ち殺され、おれは警察に捕まった。
 よかった、命だけは助かったみたいだ。



『人斬りの刀』【るうね→りきてっくす】


「これを研ぎに出したいのだが」
 暗い目をした侍の言葉に、鍛冶屋の藤兵衛は眉を上げた。
「見せてみろ」
 言うと、侍は腰に佩いていた刀を鞘ごと差し出す。
 藤兵衛は刀を鞘から抜くと、まじまじと観察した。ところどころ刃こぼれしており、刃もだいぶ反っている。
 だが、そんな事より何より……。
 藤兵衛は刀を鞘に戻し、言った。
「お前さん、昨日、人を斬ったね?」
 侍は無表情のまま、感情のない瞳で藤兵衛を見つめた。
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