第6章 第13話

文字数 789文字

「後半に入り、試合が動きましたねえ」

「ええ。開始早々の塩尻のミドルシュートは見事でした。松本からのロングフィードを見事なトラップで足元に落とし、そのまま豪快に振り抜きました」

「そして、その直後に東京もお返しとばかりに平谷がF Kを決めてみせました!」

「あの距離は平谷の得意な距離でしたね。G Kは一歩も反応することが出来ませんでしたね」

「後半、三十分を過ぎて1−1、どうでしょう、東京がやや優勢でしょうか?」

「そうですね、川崎は少し疲れが見えますかね。選手起用がポイントとなるでしょう、ああ!」

「あああ、東京、平谷が倒されましたっ ゴール前、絶好の位置です、あああ、松本にイエローカードが出されるようです。宇野主審は松本にイエローカードを出しましたっ!」

「今のは平谷が上手くファールもらいましたね、絶妙な位置ですからー」

「ああ、激しく松本が抗議します… が… 宇野主審に指導され… 松本は首を項垂れて大人しくなりましたね。あれ… どうしたんでしょう…」

「何でしょうね… 選手達が…」

「ピッチ上の選手達が… 何人か急に倒れています… これはどうしたことでしょう?」

「倒れている選手は、少し震えていますね、何事もなければ良いのですが…」

「あっと… 松本が倒れている平谷の髪を掴んで、立ち上がらせて… これはいけません、平谷も相当痛がって… あれ?」

「ちょっと、笑ってますね、平谷選手… 痛くなかったのかな…」

「そう言えばこの二人は大田区の蒲田南中学時代の先輩後輩、松本が三年生の時の一年生が平谷と言った間柄だそうです。」

「先輩後輩で、まあ、そんな、あれなのですか、ねえ」

「倒れていた選手が立ち上がっています。みな大丈夫みたいですね、それでも川崎のピンチは続きます。東京にとっては絶好のチャンス。平谷がキッカーでしょうねココも」

「はい。距離も近いし、しっかりと決め切りたいところです」
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