プロローグ
文字数 477文字
来月に中学三年生になる松本寅は、先週東京の多摩少年院を出所したばかりである。
丁度半年前、サッカー部の後輩が川向こうの不良に暴行を受け、その仕返しに川を渡りキッチリとリベンジ決めたのだが、通報され駆けつけた警官や刑事を殴り倒したのがマズかった。
半年近く少年院で大人しく過ごし(と本人は思い込んでいるが決してそうではなかった)、先週やっと出所できた。
もう二度と公僕を殴らない。そう母親に誓い、ああそれがいいよ、と頭を撫でられた。
サッカー部の仲間たちと半年ぶりの再会を果たした帰り道。すっかり遅くなり、寅は一人ブラブラと多摩川土手を歩いていた。
明日から久しぶりに仲間とボールを蹴れる。そう考えただけでスキップが止まらない。
母親に出所祝い?にもらったスマホを見ると八時過ぎだ。腹が減って仕方がない、早く家に帰ろうと道を急ぐ。そんな寅の道先に、四、五人位の人だかりができている。どうやら平和な雰囲気では無い感じだ。
あれ、何でオレ、ウキウキしてんだろ。
未だ己をよく理解出来ていない寅は、獲物を狙うネコ科の動物と化し、そこにゆっくりと近づいていく。
丁度半年前、サッカー部の後輩が川向こうの不良に暴行を受け、その仕返しに川を渡りキッチリとリベンジ決めたのだが、通報され駆けつけた警官や刑事を殴り倒したのがマズかった。
半年近く少年院で大人しく過ごし(と本人は思い込んでいるが決してそうではなかった)、先週やっと出所できた。
もう二度と公僕を殴らない。そう母親に誓い、ああそれがいいよ、と頭を撫でられた。
サッカー部の仲間たちと半年ぶりの再会を果たした帰り道。すっかり遅くなり、寅は一人ブラブラと多摩川土手を歩いていた。
明日から久しぶりに仲間とボールを蹴れる。そう考えただけでスキップが止まらない。
母親に出所祝い?にもらったスマホを見ると八時過ぎだ。腹が減って仕方がない、早く家に帰ろうと道を急ぐ。そんな寅の道先に、四、五人位の人だかりができている。どうやら平和な雰囲気では無い感じだ。
あれ、何でオレ、ウキウキしてんだろ。
未だ己をよく理解出来ていない寅は、獲物を狙うネコ科の動物と化し、そこにゆっくりと近づいていく。