第52話

文字数 2,931文字


源三郎江戸日記(弟五部)52

才蔵がそばに来て、この城下には4件の大店があり、米、味噌、醤油、酒、油を蝦夷に運び商いしているそうです、出店が函館、松前、幌内、釧路にあるそうで藩には沢山の冥加金を払って、
いるそうで、津軽藩は裕福だそうです、ただ、アイヌを人足に使い和人の人足の半分の給金しか払っていないそうですと言うので、アイヌを痛めつけて儲けているわけか、和人と同じ給金、
を払うように通達してあるはずじあがと言うと、

ここは函館奉行管轄ではないのでやり放題だそうですと言うので、松前藩を含め津軽、南部、秋田藩にも通達しているはずじあ、賂を貰いめこぼししているのであろう、それでは査察に行、
くぞと言うと店を出て、陸奥屋に行くと、店先で人足頭がムチを振り下ろし、さつさと働けとアイヌを叩いているので、ムチを持った手を握り何をしているのだと言うと、邪魔しないで、
くだせい、

油断するとすぐ怠ける奴らですと言うので、畜生ではあるまいし、ムチで叩くとはと言ってその男の手と肩をピシ~と叩くと、イテテ何をしやがるんだと言うので、イタイじあろうがと言、
うと、みんな出て来い、お侍といえど勘弁ならん、やってしまえと言うので、わしに逆らえば死罪じあぞと言うと、何を言いやがる叩きつぶしてしまえというので、エミが小太刀を抜き踏、
見込み、

右左に切り下げるとぐわ~と言って前の5人が転がったのです、ほかの者は後ずさりしたので、お前が人足頭か、しれものと言うとエミが峰で足と肩を打ちすえるとぎや~と言ってそこに、
転がったのです、ノレンを潜り主人は出て来いと言うと、陸奥屋加平じあがあんたは誰だと聞くので、諸国巡察視の村上源三郎じあ、アイヌに給金は和人の半分しか払わず、ムチで打ち、
すえて働かせるとは何と言う事をするのじあと言うと、

平伏して、ここは津軽です函館奉行所の管轄外ですと言うので、津軽藩にも和人と同じ給金を払うように通達してある、事もあろうか諸国巡察視に逆らうとは、雇い主のお前も同罪じあ、
2人とも遠島じあな、ここに後の3人の主人を呼べと言って、番頭に呼びにいかせると、やって来て平伏するので、アイヌから搾取しているとは許せぬお前達の財産は没収の上遠島を申、
しつけるといって、

才蔵役人を呼んで来いというと、承知と言って役人を呼びに行ったのです、町奉行が取り方をつれてきたので、この者達に縄を掛けて引っ立てろ、蔵から総て金寸を運びだし奉行書に運、
び込めと命令するとハハハッと言うと、4人を捕縛して、蔵から金寸を運び出したのです、奉行所の白州に座らせて、奉行に遠島はどこに送るのじあと聞くと、下北の開墾地ですと言う
ので、

冬は寒いであろうというと、極寒の地にございますというので、一生赦免するなと言うと、ハハハッと言うので、陸奥屋がそれだけは勘弁してくださりませと言うので、こんご、二度と、
搾取せぬと誓い、不正に貯めた金を総て差し出すなら許さん事もないがと言うと、総て差し出しますと言うので、それなら今回だけは特別にめこぼししてやる、4軒の店を潰すと津軽藩、
も困るであろう、

1万両づつは返してやる、それだけあれば、屋台骨は傾かぬであろう、こんごは、不定期に監査するぞ、今度アイヌを痛めつけたり、搾取していれば間違い無く打ち首にする、人足頭にも、
よく言い聞かせろと言うと、おうせに従いますと言うので、縄を解け、ここの1万両づつもって帰り、家業に精進しろと言って、ロシアはカラフト、千島列島まで交易にきておる、和人が、
アイヌを痛めつければ、

アイヌはこぞってロシアと交易し味方するじあろう、さすれば蝦夷の地まで南下して上陸を始めるのぞ、それを防止する為にアイヌは和人にする必用があるのだ、蝦夷がロシアに占領され、
れば弘前も脅威にさらされるのじあ、蝦夷は内陸部はほとんど開拓されていない、和人の入植を進めて、ロシア人が占拠しないようにする必要があるのが分からぬのか、おのれの欲の為に、
この国を滅ぼすつもりかと話し、

4軒で使っているアイヌを総てここに連れて来いと言って、アイヌを連れて来らせ、何人いるのじあと聞くと、陸奥屋が全部で20人です、と言うので、色々とすまなんだ、1人100両づつ渡、
すので受取り、村に帰りたいものは帰れ、働きたいものは、蝦夷に出店がある、玄海屋の番頭に頼め、ここに、紹介状を書いてやる、と紹介状を書いて、みんなに100両づつ渡したのです、
こんな大金貰っていいんですかと言うので、

いままでの迷惑料じあ遠慮するなと言うと、ありがう御座えやす、これで村に戻れますと喜んだのです、それでは帰るが良いと言うと、みんなは奉行所を出て行ったのです、さて奉行通達、
を知らなかったとは言わせぬぞと言うと、申し訳御座りませぬと言うので、今回は目を瞑るが二度はないぞ、そなただけではなく津軽藩にもきついお咎めがあると思え、不定期に査察を行、
い是正するのじあと言うと、

承知いたしましたと平伏したのです、没収した金寸は城下の両替商に運ばせろと命令して、奉行所を出て両替商に行き4万両を5000両づつの手形に交換したのです、陸奥屋が危ない所でし、
たと言うので、奉行がわしも腹を切るところであった、この城下にも隠密は入り込んでいるのじあろう、こんど発覚すれば間違いなく厳罰に処せられ、津軽藩も改易になるかもしれぬ、
搾取はするなよと奉行が言うと、

肝に銘じますと言うと陸奥屋は帰って行ったのです、源三郎達は居酒屋に入り祝杯を上げたのです、エミが儲かりましたねと言うので、これで蝦夷開発の資金が出来たと笑うと、悪人が、
いると儲かりますね、といったのです、翌日は青森に行くと、七衛門が船を回航しているので、乗り込み函館に向ったのです、馬はここで休まして、先に船に乗せて江戸に運んでくれ、
疾風と春風は相馬の牧場に戻して余生を過ごさせてくれと言うと、

2、3日休養させて江戸行きの船に乗せますと言うので、疾風と春風にご苦労であった、又会いにいくからなと頭をなぜると、ひひひんと鳴いたのです、函館奉行所に顔を出すと、これは、
ご老中様、巡察ご苦労様ですと言うので、様子を聞くと、札幌、函館、室蘭、稚内、釧路も大分開けてきまして、多くの冥加金が集まっています、稚内には伊達藩が警備についており、
費用は函館から補填していますので、

伊達藩は持ち出しにはなっていないようです、大砲6門を海岸にすえつけています、時々ロシア船が水や食料の補給に稚内湾に入るそうですが、上陸は許可せず補給物資は商人が売ってい、
るそうです、上陸しているのはカラフトと千島列島のみで、アイヌと交易していますと言ったのです、それは重畳じあな、函館から1里行った所に開拓村を作っているが、自治は開拓村に、
任せるので、

手は出してはいかんと言うと、承知しましたと言うので、札幌、室蘭、釧路はどうなっているのじあと聞くと、出先は設けていませんと言うので、それではやはり自治を誰かに任せて来、
よう、函館の手だけでは、難しかろうと言うと、宜しくお願いしますと言ったので、鉄砲は必要じあが、函館奉行所に許可を得るようにさせよう、何丁あるかを管理するのじあ、と言っ、
たのです、

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