第39話

文字数 2,696文字


源三郎江戸日記(弟五部)39

山形が殿の感は凄いですねと感心しています、松明をかざして入ると見事な鍾乳洞です、壁に沿って小川が流れており、これが境内に続いている湧き水じあなと見ると何か光っています、
手ですくうと金の粒です、やはり金鉱脈は北側にあったのじあ、この先に鉱脈があるのじあろうと進んで行くと、行き止まりになっており、壁を照らすと金粒が混じっているみたいなの、
で持ってきた皿の底で削ると、

間違いなく金です、横幅4尺で盾2尺の地層が変わっています、中くらいの金鉱じあな、岩盤は相当硬いようじあ、火薬を使えば年間7、8千両は産出できるじあろう、経費を差し引いても、
6千両にはなると言って、穴の外に出て縄梯子を上がり、配下に小川の金の粒をすくわせると、全部で1貫目はあったのです、袋に入れて約200両分じあなと言うと、南側でも爆破の音が、
したので、

飛猿と才蔵じあなその内くるじあろうと言って、場所を少し移動して昼飯を食おうと言って握り飯を出して食べたのです、1時たったとき馬に乗り町人が三人やって来て、金は見つかりま、
したかと聞くので、この辺にはないようじあなと言うと、藩が探しても出なかったのです、ないのかもしれませんと言うので、わしに何か用かと聞くと、宮司から社領の3町分をお買いに、
なったそうですがと言うので、

これからそこら一体を探すつもりじあと言うと、どうですか、あそこを譲っていただけませんかと言うので、金があると思うのかと聞くと、いえ、すでに探してない事は分かっているの、
ですが、あそこ一体に新田開発しょうと思うているのですと言うので、譲ってもよいが1000両じあぞ厭ならやめておけと言うと、いくらでお買いになったのですかと聞くので、それは、
言えぬというと、

わかりました1000両で買いましょうと言うので、それでは神社に持って来い、譲渡書を書いてやるというと、承知しましたすぐに持ってきます、と言うと帰っていったのです、よし引っ、
掛かったぞというと、エミがまったく芝居が上手ですねと笑うので、山形達も大笑いしたのです、飛猿と才蔵が傍に来てまんまと引っ掛かりましたよ、山師たちは残りの金粒も見つけて、
喜んでケチ蔵の元に行きましたと言ったのです、

金はどうでしたと聞くので、山形が北側の麓を西に鉱脈が貫いていると言うと、それは凄いと言うので、あの川で砂金が見つかったのではなく、湧き水から見つかったのじあよ、川と言、
うのは境内の川の事だったのじあなと言ったのです、お前達は隠れていろと言って神社に戻ると、宮司がこの近くの庄屋があの土地を買いたいと来ましたがと言うので、ああ、売る事、
に決めたぞと言うと、

金は見つかりましたかと聞くので、いや、まだだと答えたのです、ケチ蔵が1000両を持ってきたので譲渡書を渡すと、喜んで帰っていったのです、宮司が1000両で売ったんですかと愕く、
ので、神社に500両を寄進しょうと渡すと、大喜びしています、実は北側に金鉱脈を見つけた、まだ誰にもしゃべるな、わしは諸国巡察視の村上源三郎じあと言うと、ハイ、誰にも喋り、
ませんと言ったのです、

ケチ蔵はあの水の出たところを掘り進めば金鉱脈に当たるのかと聞くと、山師が間違いないですと、奴らが爆破したので流れでたのですよ、土地は庄屋の、持ち物ですから、奴らが頼む、
城下のものは開発できませんと言うので、これで大金もちじあな、開発は頼むぞ月に1人100両だすぞ、とりあえずじあと10両づつ渡たすと、二人は喜んだのです、源三郎は城下に戻り、

立花屋に金の粒1貫目を見せて、金剛山の北側の天領地で金鉱脈を見つけた、そなたに開発を頼みたい、権利を1000両で譲ってやるがどうだと言うと、よろしいのですか私は大儲けです、
がと言うので、いいのじあよと経過を話して、ケチ蔵は大損だから、声をかけて、あの土地を700両で買ってやってくれ、それで300両は相殺してやれと言うと、承知しましたと言った、
のです、

この金の粒も引き取ってくれと言うと、ハイ、と言うと1200両を渡したので旅籠にもっていかせ、権利の譲渡書を渡したのです、産出する金額から経費を除き、そなたの取り分は3割り、
じあ、年の産出量は8千両位じあ、経費を除いて6千両にはなるので、そなたの取り分は毎年1800両となると言うと、ハイ、大儲け出来ますと言うので、藩にも少し冥加金として払って、
やれと言うと、

承知しております、いまも沢山の冥加金は納めていますと言ったのです、おゆみこれで良いじあろうというと、ハイ、これでケチ根性が直れば良いですがと言うと、女将が私の兄です、
申し訳ありませぬ、悪い人ではないのですが、先祖伝来の財産を守ろうと必死なのですと頭を下げたのです、採掘は岩盤が硬いので火薬で爆破して採掘せよ、いちどきにはやらず、
長持ちするように採掘しろと言ったのです、

城下を出て管轄の代官所により、金山の事を話して幕府に届けるように言って、さつそく見張りを立てて、盗っ人が入らないようにしろと命令したのです、そなたは産出の管理と治安、
の係りじあ、採掘に口を出してはいかぬと申しつけると、年に4千両あまり増収になります、これは、8000石に相当しますと言うので、これで任期がきれればよい場所に登用されるで、
あろうというと、

ご老中のお陰です、この恩は一生忘れませぬと言うので、儲けはケチらずに代官所の者にも渡すのじあぞと言ったのです、それでは行くぞと代官所を後にして一路米沢に向ったのです、
米沢までは15里の道のりです、山形達は米沢藩出身じあから、親族は米沢にいるのじあろう、3日は逗留するのでゆつくりするのじあと言うと、みんなが、喜んだのです、エミは治憲、
様に会った事はあるかと聞くと、

ハイ、午前試合を見ておられた時に、父上が紹介してくださりました、そのときは小太刀の部門で優勝して、種政様に感状を頂きました、殿は江戸詰なのでおられませんでしたがと言う、
ので、そうか、それなら覚えておられるであろう、今は参勤交代で国元のはずじあと言ったのです、夕方には米沢城下に入ると、前にもまして賑やかになっています、城に向かうと、
門番が、

これはご家老様と言うので、今は米沢藩の家老ではないと言うと、失礼しました今は川越藩のお殿様でご老中で御座いました、ご出世おめでとう御座りますと言って上役に案内すると、
これはご老中殿が首を長くして待っておられますよと、御座所に案内したので、行くと、治憲が下座に座っているので、殿上座にと言うと、今は幕府の老中じあ、そなたが格上じあぞ、
と言うので、

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