第22話

文字数 2,694文字


源三郎江戸日記(弟五部)22

小村と遠山が呼ぶと、小村兵太郎に御座いますと言うので、何処かであったなと言うと、高鍋藩馬周り役小村兵座衛門の次男に御座りますと言うとので、おう兵座衛門殿の子息かと言うと、
と、遠山様に声をかけて頂き川越藩に奉公していますというと、遠山が150石にて目付けをやっています、剣は戸田小太郎殿の道場の目録持ちですと言うので、そうか、小太郎殿の門弟か、
わしと同門じあな、

明日は館林の様子を探ってくれ、くれぐれも気をつけて行くが良いと言うと、配下2人を連れて探索してまいりますと言うので、頼むぞと言って、まあ一杯飲めと言うと、エミが酌をする、
と恐れ入りますと飲み干して、座を下がったのです、遠山がそろそろお開きにと言うので、そうじあな、わし達は下がろう、みなはもう少し楽しませてやれ、エミもキミ達と歓談するが、
良いと言って、

御座所を下がり、遠山と町に出て、料理屋日向に行ったのです、女将が、祝宴は終わりましたかと聞くので、遠山が藩士はまだ楽しんでおると言うと、そうですか、こちらにと部屋に案内、
したので座り再び杯を重ねたのです、明日は郡奉行の坂口に案内させますと言うので、任せたぞと言うと、当藩領は問題ないのですが、東の国境が天領地になってまして、代官が黒田十内
と言う250石の旗本です、

こいつが悪い奴だそうで、陣屋町の者共は難儀しているようです、どうも島本屋とヤシの元締め鶴蔵と言う者とつるみ、あくどい事をやっているそうなのです、藩外なので手は出せません、
と言うので、どこにでも悪い奴はいるものじあよ、様子を見て懲らしめてやろう、不正の内容は分からぬかと聞くと、狭山と言うところは茶の名産地で島本屋が一手に買い入れており、
買い叩いて、

江戸で商いをして莫大な利を得ていると聞きます、生産している者が商人を選べるようにと陳情しているそうてすが、代官は認めず、幕府に直訴とした者が鶴蔵に痛めつけられて、その者、
は川で溺死していたそうです、代官は酒によって川にはまったとして処理したと言う事ですと言うので、何と言う事を、島本屋から多くの賂を貰ろうて、いるのじあろう、鶴蔵も博打場や、
女郎屋であこぎな商いをしているのじあな、

ここにも女郎屋と博打場はあるのじあろうと聞くと、勿論ありますよ、博打場はイカサマをやらない限り、めこぼししています、女郎屋は時々手入れして、年季、借金を不当に増やして、
いないかを調べて、違法なら罰金を取って、是正させています、女郎屋が5軒、茶屋が6軒程ありますと言ったのです、新河岸川は隅田川に繋がっているこれを整備して帆船を利用すれば、
交通の大動脈になるじあろうというと、

そう思うていま調査させております、大量の物が江戸に運べますし、流れがゆるやかですから遡る事もできます、帆船が使えれば早く物を運べますと言ったのです、国境をでると殆どが、
天領地です、あこぎな者は、川舟に通行税を取っている代官もいるようです、これをなくさないと、発展はしないと思いますと言うので、その辺も調べてみようと酒を飲み干したのです、

翌日は坂口の案内で巡察に出たのです、領内の者は土下座をさせなくても良いぞと言うと、ハイ、会釈のみで良いと日ごろから言てありますと言うので、それで良い、川越藩は8万石じ、
あが、実質は13万石と聞いた、新田開発も進んだのだなときくと、ハイ、3万石が新田開発で、2万石は殖産による増収ですと言うので、よく頑張ったなと言って、坂口は色は真っ黒じあ、
が、

そなたも村々を回っておるのかと聞くと、総ては回れませぬが抜粋して回っていますと言うので、奉行みずから感心じあと言うと、上に立つものは配下の言う事だけで判断してはいけぬと、
遠山様から言われておりますと言うので、そうか中々良い事を言うと笑うと、まずはこの先の新田に案内しますと言うので、ついて行くと、稲穂も黄色づいてきています、百姓がこれは、
坂口様と会釈するので、

村上の殿じあと言うと、土下座しょうとするので、そのままで良いどうだ稲穂の身の入り方はと聞くと、順調に御座いますこの分なら豊作でしょうと言うので、それは重畳じあな、暮らし、
の方はどうじあと聞くと、ここら辺は新田開発した田で御座います、田が倍に増えましたので、随分暮らしが良くなりました、これもお殿様の善政のお陰ですと言うので、それはそなた達、
が頑張ったからじあと言って、

この丘ににあるのはそなたの畑かと聞くと、ハイ、と言うので、大きなスイカじあなそろそろ熟れごろじあなと言うと、家に井戸で冷やしたスイカがあります、お寄り下さいましと言うの、
で、そうか、それでは馳走になろうと家に行くと、お内儀がこんなむさ苦しい所ですがと言うので、縁側に座り、中々立派な柱じあなと言うと、もう50年は経っておりますだと言うので、
この囲炉裏の煙が天井の藁にこびりつき、

雨漏りと虫を予防しているのじあな、見事な黒光じあと言うと、よくご存知でと言うので、色々諸国を回っているからのうと言うと、今スイカを出しますと言うと、台所に行きスイカを、
盆に載せて持ってきたので、これはうまそうじあなと一切れかぶりつくと、冷たくて甘いな、みんなも馳走になれと回すと、食べて、美味いスイカですなと喜んだのです、中々美味いが、
あの畑に、

菜種油をとったカスを土に混ぜれば、もっと甘くなるぞと言うと、油粕ですかと言うので、そうじあこんど試してみよ、それからこの家は藁葺きじあが、萱のある場所はないのかと聞くと、
あの山の斜面にはありますがと言うので、あの山斜面を手入れして萱畑ににして、萱と藁を混ぜて屋根を葺けば長持ちするじあろうと言うと、私1人では無理ですと言うので、村人が総出、
で葺き替えるのじあよ、

古くなった順番に毎年何件かやれば良い、萱畑は村の共同管理にするのじあよと言うと、それならみんなが喜びますと言ったのです、庄屋に言うておくぞと言って、これはスイカの代金と、
そなたへの褒美じあと1両出して、お内儀に着物の一枚も買うてやりなさいというと、お気を使って頂きありがとう御座いますと受取ったのです、それでは頑張ってくれと言うと、馬に乗、
り、

この辺の庄屋の処へ案内してくれと頼み、庄屋の家に行き萱葺の話をして、開発費として100両を藩から支給するというと、有難う御座りますと庄屋が言うので、坂口後ほど支給してやれ、
と言うと、承知しました届けるようにしますと言ったのです、領内の半分位は萱葺ですと言うので、徐々に奨励してくれ、藁に比べて随分長持ちするそうじあと言ったのです、何件か回、
り、

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