第35話

文字数 2,756文字


源三郎江戸日記(弟五部)35

ぐずぐずすると又犠牲者が出る、しかし、一揆がおこっているなら藩兵の出動をやめさせるのは難しいな、仕方ない、菊川村に行ってなだめるしかないなと言うと、山形が相手は大人数、
です、我々に向ってくるでしょうと言うので、大丈夫じあよ、元々は藩の仕置きが間違っているのじあ、一揆に加勢してやれば喜ぶじあろうその後になだめれば良いと言うと、何と一揆、
に加勢するのですかと言うので、

死人がでないようにする為じあよと言うと、行くぞと言うと、菊川村に急いだのです、着くと、鎮守の森にむしろ旗が沢山翻っているので、山形空に向って威嚇射撃をしろと言うと鉄砲、
を取り出して、空に向って一斉射撃をすると、みんなが愕いて静かになったのです、頭は出て来いと言うと、攻めてくれば戦うだけだと言うので、よし、わしがそちらに行くぞと言って、
階段を登ると、

百姓が取り巻き竹やりを構えたので、刀を抜き右左に切り下げると、竹槍が真ん中から切れて百姓は後ずさりをしたので、武器は引っ込めろと刀を納めると、1人の男が菊川村の庄屋の、
作座衛門です、年貢を元に戻し、打ち首になった3人の罪を許し、見舞金を出してくだされ、聞き届けない場合には戦って全員死にますと言うので、わかった、それを聞きどけさせる為、
に戦でもするか、

わしが戦の仕方を教えてやる、むしろ旗はここに立てておけ、ここでは不利じあみんな着いて来いと言うと、みんなが階段を降りたので藁人形を作り鎮守の森に並べろと言うと、わし達、
に味方して下さるのかと言うので、まかしておけ、わしの言う通りにすれば勝てるのじあと言ったのです、次はここから100間の長さ、空堀を掘れ、高さ2間半で登れぬようにしろと言っ、
たのです、

50人を残してみんなはあの後ろの森に隠れるのじあ、この堀は細い竹で蓋をして隠しておく、藩兵は200人位じあろう、わしらと50人が鎮守の森で藩兵を煽るので奴らが突撃すると落とし、
穴に落ちると言うわけじあ、用心して後にさがるが、これで50人は穴の中で外には出られぬ、次に炸裂弾を打ち込むので、これで約50人は戦闘不能になり、残りは100人になる、わしらは、
鉄砲をもっておる、それで銃撃して敵の鉄砲隊を壊滅させる、

愕いて残りは、一斉に城下に向かい撤退するはずじあ、そこでそなた達はむしろ旗を立てて歓声を上げろ、慌てて100人は雲の子を散らすように逃げさるじあろう、さすれば話し合いに乗、
って来て、城に代表者を呼び討ち取ろうとするじあろう、わしが乗り込んで懲らしめてやると言うと、貴方様はと聞くので諸国巡察視の村上源三郎じあと言うと、幕府がお味方くださる、
のでと言うので、そうじあ、白河藩は改易はせぬが懲らしめねばならぬ、

その後に重税を課さなくても藩と村が暮らしていけるように指南してやるというと、有難う御座いますと言うので、時がないぞ早く完成させろというと、みんな聞いたか幕府のお役人が、
加勢くださるそうじあ、早くやるのじあと言うと、お~と声を出して普請にかかったのです、出来たと言うので見て周り全員穴から出ろ、蓋をして軽く土を被せて分からないようにしろ、
と言って乾いた土を被せさせたのです、

藁人形も100体できたので古着を着せて放れると分からないようにしたのです、これで良いぞそれではお前達は此処に留まり、朝早く向こうの山に行くのだ、今日はここで篝火をたいて、
気勢を上げているように見せかけろ、米を持ってきているので、みんなに配り飯を炊いて握り飯を作れと言うと、ハイと言うと、みんなに配ったので、あちこちで炊飯の煙が上がったの、
です、

みんなで握り飯を食べて酒を飲み、庄屋に新田開発は出来ぬのかと聞くと、開発資金がないのです、藩には言うていたのですが、財政窮乏でだせないと言う事で、こんどは税の値上げで、
す、百姓は餓死してしまいますと言うので、どの位開発可能なのだと聞くとこの村で2000石は可能ですと言うので、わかった、終わったら見てやろう、資金も用意してやるぞと言うと、
なぜそこまでと言うので、

それもわしの役目なのじあよ、藩の侍は値上げする事しか考えつかぬのじあよ、困ったもんじあな、しかし、3人は気の毒であった、見舞金も十分取らせるぞ、明日はうんと懲らしめて、
やろうと言ったのです、才蔵が戻って来て、明日ここを襲う奴らは中老の黒沼一派の者だそうです、藩御用達の奥州屋の蔵を調べましたら、黒沼は藩米を5千両分横流しをして奥州屋と、
折半しています、

又奥州屋は藩の普請工事を請け負っていまして、工事料金の水増しで暴利をむさぼり、一回につき2割を黒沼に渡しています、黒沼は年に5000両近くを、懐に入れています、これで藩士、
をてなずけているのでしょう、藩政改革のために、執政に登用された土岐半之丞と郡奉行杉浦徳左衛門は中老の妨害にあり何も出来ないそうなんです、黒沼は先代からの中老で取り巻き、
が沢山いる為に藩主も手が出せないそうです、

3人の斬首と今回の鎮圧は黒沼の強行意見で実行されたと言事ですと賂の書付を渡したのです、自分の権益が犯されるので、藩主が指名した土岐半之丞と郡奉行杉浦徳左衛門の、邪魔を、
しているのじあな、そんなネズミが巣くっていれば、藩財政は傾くはずだ、何年も私腹を肥やしているのじあろうと言うと、奥州屋の蔵には4万両、黒沼の屋敷の蔵には1万2千両があり、
ますと言うので、

飛猿はと聞くと、藩兵を見張っています、動きがあれば知らせるはずです、今は城に集まり野営しており鎧甲冑は着ていないようで鉄砲10丁を用意していますと言うので、明日は才蔵は、
向こうの山に残りの百姓と陣どり、撤退に入ったら太鼓を打ち鳴らし、炸裂弾を爆発させれば愕いて城下に逃げさるじあろうというと、承知と返事したのです、翌日飛猿が総勢200名で、
城を出ました、

騎馬50、鉄砲隊10人、徒歩140人です、一時で姿を現しますというので、それでは配置に着けというと、50人と源三郎達8人が此処に残り、才蔵が大勢を引き連れてが向い側の山に行った、
のです、1時立つと姿を現したのです、馬回り頭の臼田が50人づつ4段に構えろと言って配置につき、奴らは150人程度だ、後は逃げ去ったのだろう、一気に殲滅するぞと言うと、かかれと、
号令すると、

お~というと鎮守の森に殺到したのです、ところが最初に突撃したものがうわ~と言って落とし穴に落ちたのです、なんだどうしたのだと聞くと、落とし穴が掘ってあります5、60人が落、
ちましたと言うので、くそ~小細工をしおってと言うと、ひゅ~と音がして弓が飛んできて、炸裂弾がどか~ん、どかん~んと爆発すると馬が愕いて暴走を始めて、載っていた藩士が殆ど、
転げ落ちて呻いたのです、

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