第11話

文字数 2,680文字


源三郎江戸日記(弟五部)11

時蔵に御座いますと平伏するので、子分も平伏したのです、お前の博打場はイカサマをやっておったので、金は没収した、又用心棒三人は叩き潰し手首は折っておいた、あこぎなやり、
方で稼いだ金を差し出せば命は助けてやるが、逆らえば打ち首獄門とすると言うと、ヘイ、わかりましたと言って、蔵から金をもってこいと子分に鍵を渡したのです、倹約令が出たが、
冠婚葬祭は別なので、

祭りが多くなり、ヤシの元締めは儲けているじあろう、欲をかいてイカサマ博打までやるとは言語道断じあと言うと、申しわけありませんと言ったのです、子分が千両箱3つに500両を、
持ってきたので、これを全部差し出すかと言うと、ハイ、と言うので、お前は子分は何人いるのじあと言うと30人で御座いますと言うので、ならば1500両は残しておいてやる、後は、
町奉行所に寄進しろと言うと、

ハイ、喜んでと言うので、博打場は続けてよいが、イカサマはするな、この二千両は町の治安を預かっている奉行所への寄進をした事にする、今後、あこぎな真似はするなよ、わしは、
大名すら取り潰す権限をもっているのじあ、あこぎな事をしているとわかれば、必ず打ち首にして子分どもは、永久に島流しにするぞと言うと、言いつけは肝に銘じて守りますという、
ので、

それでは大八車に二千両を積み込み、子分に奉行所までもって行かせろ、三蔵大岡殿に時蔵からの寄進じあ、北に1000両渡して、台所の手当てに、するように言うてくれ、京極備前の守、
にはわしから言うておくというと、承知しましたと言って二千両もって帰っていったのです、仙吉は風呂敷包みをもってわしについて来いと言って、それでは言いつけは守れよと言うと、
両国橋に歩いて行ったのです、

小頭が時蔵に本当に役人ですかと聞くと、ばかやろう、あの方は老中の村上様だと言うと、なんで老中が岡っ引きを連れて本所にと言うと、さつき本田様からの用人から連絡があった、
行くお方は老中の村上様だ、逆らうと、本田家も取り潰しになると言うことだ、仙吉が勝ち逃げした奴を用心棒に襲わせたのを通りかかったのだそうだ、あの方は剣客より腕が達そう、
だ、

恐ろしい人にであったもんだ、命があっただけましとしろ、今後イカサマや町での乱暴は一切やるな、本当に獄門首になるぞと言うと、ヘイ、分かりやした、命あっての物だねですね、
と小頭が首を引っ込めると、あの先生方々も目録もちだ、それが簡単に手の骨を叩き折られたのじあ、恐ろしいお方じあと言ったのです、源三郎が内蔵助の住まいはと聞くと、人形町、
の膳兵衛長屋ですと言うので、

わしもそこに行くところであった、荒木又八を知っておるかと聞くと、ハイ隣向かいに住んでいなさりますというので、あれはわしの手の者じあと言うと、親切にしてくださり、時に、
は差し入れしてくだされると言うので、そなたはいつも暮らしの糧はと聞くと、妻と娘が針仕事しています、わたしは商家の算用指南と傘はりで糧を得ていますと言うので、そうか、
不景気じあから大変じあなと言って、

これより、道場を開くのじあと言うと、剣に覚えがござりませぬがと言うので、読み書き、ソロバンを教えるのじあ、剣の指南は荒木又八に頼めば良い、町人が読み書きソロバン、
が出来れば奉公先も簡単に見つかる、指南料は懐具合に合わせてもらえば良い、わしに任せろ言って、長屋に着くと、誰か深川の玄庵と言う医師に血の病の病人がいるので、往診、
を頼みたいと呼んで来てくれと言うと、

承知しましたと若い男が言うので、2分を渡してこれは駄賃じあ、籠に乗り来るように言うてくれと頼んだのです、ここの大家はと聞くと、ヘイ、膳兵衛ですと言うのでこの近くに、
商家の寮で売りに出ているものはないかと聞くと、ハイ、その道を曲がって所の奥にありますと言うので、売主はと聞くと呉服屋の鈴屋さんです、売値は100両と言うてましたがと、
言うので、

案内してくれと言って行くと、ここは畳みを上げて、道場にすれば良いな、ここで読み書きソロバンを教えれば良い、これだけの広さがあれば十分じあ、これを買おうと鈴屋に行き、
名義は浜田内蔵助にして届けてくれと、100両を渡したのです、内蔵助さつそく引っ越して、看板を掲げてやるが良い、読み書き、ソロバン、算用、剣術指南とすれば良いと言うと、
なぜそこまでと言うので、

これが成功したら、そなたの知り合いにもやらせれば良い、さすれば浪人救済になるじあろう、人を傷つけて糧にするのはやめさせねばならぬのじあと言うと、承知しました頑張って、
やってみますというので、残りの400両は運営資金じあ、簡単には人は集まらぬじあろう、腰をすえてやるが良いと言って、長屋に戻り荒木又八に話しをすると承知しました、浜口殿、
の手助けをやりましょうと言うので、

剣客を育てるのではないぞ、百姓、町人に教えるのじあ、礼儀作法、身を守る為の武術を教えるのじあ、町人は刀は差しておらぬので、キセル、その辺にある棒で身を守り逃げる方法、
を教えてくれと言うと、まかしてくだされ、キセルは良い方法ですなと言ったのです、浜口の家に入り、妻女に寝ていなされ、毎月の物がきついのじあろう、血が増える物を食する事、
じあがと言つて、

娘子はいくつじあと言うと15才に御座いますと言うので、読み書きはと聞くと、読み書き、ソロバンは出来ますと言うので、それでは父上の手伝いをすると良いと言ったのです、源庵、
がやってきて、妻女をみたてて、これは月の物の血がでるのが多いせいじあ、その期間は安静にしておる事と、日ごろから血を作るものを食する事じあ、アサリ、いわし、だいこん等、
が良い、

薬を出しておくので、煎じて飲むが良い、二三日すれば起きられるよに、なると言ったので、わざわざ済みませぬと言うと、なんの、隠居の身で暇なので良いので御座るよと言うので、
それでは仙吉はもう良いぞ、ご苦労じあったここに5両ある、3両はお前にやる自由に使うが良い、後の2両で道場の宣伝をして人集めしてくれと言うと、ヘイ、承知しました、あっし、
も習って良いですかと言うので、

構わぬぞと言うと、へいと言うと帰って行ったのです、玄庵と又八を連れて人形町の居酒屋に入り杯を傾けたのです、荒木に鷹狩りの日取りを話して、当日は支度して目黒村で待って、
いるように言って、鎖帷子、すね宛、篭手は装着するのじあぞ、これは戦じあと言うと、承知しましたと言ったのです、暫く歓談してそれでは頼むぞと言うと、玄庵と船に乗り日本橋、
川から隅田川に出て深川に戻ったのです、

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