第38話

文字数 2,923文字


源三郎江戸日記(弟五部)38

蔵に忍び込む等は盗っ人のやる事ですと懐剣に手をやるので、わしは諸国巡察視と言う幕府の役人じあよと言うと、そうですか、そんなお偉い方なのですか、お母さんの兄様なので手荒い、
事はしないで下さいと言うので、わかっておると言うと、お願いしますと頭を下げたのです、程なく二本松城下につき娘を送り届けると、立花屋喜平に御座います、娘をお助け頂きありが、
とう御座います、

どうでしょうか、我が家に逗留して頂きませんかと言うので、好意を有難いがわれらは旅籠に泊まる事になつておると言うと、それなら私が懇意にしています吾妻屋にお泊りくだされと言、
って案内したのです、旅籠に草鞋を脱ぐと、女将が湯が沸いています旅の垢を落としてくだされと言うので、湯に入りサツパリして上がり酒を飲んだのです、女将に城下の様子を聞くと特、
に悪い奴はおりませんと言うので、

それは何よりじあと言うと、話題と言えば城下に山師が沢山入りこんでいるそうです、ここから2里行った柿木村の傍にある金剛山に金鉱脈があると言う事で、探しているそうです、大昔、
しに、傍を流れている小川から砂金が取れたという伝説が麓に立っている金剛神社に残っていたそうで、書付を宮司が発見したそうですと言うので、藩は探していないのかと聞くと、探し、
たそうですが発見できずに断念したそうですと言ったのです、

それで山師が一山当てようと入り込んでいるのかと言うと、エミがないのですかねと言うので、その書付が本物かどうかじあな、本物なら必ず何処かにあるはずじあが、宮司が人寄せの為、
に自分で書いたかもしれぬと言うと、飛猿が探ってみますと言ったのです、才蔵が帰って来て、庄屋は達蔵と言うのだそうですが、別名ケチ蔵とも呼ばれており、ドケチなのだそうです、
蔵には3千両を溜め込んでいます、

金剛山に金があると言う事で山師を雇い探しているそうですが、いまだ見つけていないそうです、金剛山一体は天領地で神社の社領は金剛山の南側の3町分だそうで、そこには小川が流れ、
ています、そこで昔砂金が取れたという書付を宮司が見つけたそうです、宮司の手文庫に入っている書付を見ましたが、確かに相当古いものでした、どの位取れたかは書いてありません、
砂金は時の国府に納められたと書いてありましたと言うので、

それでは明日は金でも探しに行こう、才蔵金剛山一体の地図を手に入れてくれと言うと、承知と言うと部屋を出て行ったのです、エミが発見しても藩と幕府の物になるのではと言うので、
藩が発見すればそうじあが、その他の者が発見すれば採掘の権利を得ることが出来て、産出量の3割りはもらえるのじあ、もっとも幕府が買い上げる事になるが、相当な実入りとなると、
言うと、

なる程それで血眼になっているのですねと言うので、山師はその権利を売るのじあよと言ったのです、現在ではその土地の持ち主と発見した者と折半する事になっています、みんなが探し、
て見つからないのであれば、川の流域にはないのじあろう、あるとすれば何処かに湧き水がありそれで川底に出て来たのだよ、その湧き水を探せば地下に洞窟がありそこに金鉱脈があると、
言う事になる、

神社の何処かに湧き水があるはずじあな、その周辺を探せば洞窟があるはずじあと言ったのです、宮司に言って小川の傍の神社領を少し買おう、100両で買って金の粒をばら撒けば金が、
出たと思うじあろう、ケチ蔵が雇った山師に教えてやれば喜んでケチ蔵に言うはずじあ、わしが買うたと知ってゆずるように言うて来るじあろうと言うと、騙すのですかと言うので、
ケチ蔵を懲らしめるのじあよと笑ったのです、

両替商の立花屋に行き100両分の金塊があるか聞くと、ハイ、金細工師の為のものがありますが、金細工をされるのですかと聞くので、そんなもんじあと言う、粒金になりますと言って、
1両が5匁目ですから500匁となりますと言うので、100両を払い旅籠に運ばせたのです、居酒屋に入り、あれを散してばら撒けば、近くの金剛山の山肌をくりぬけば絶対にあるとおもう、
はずじあと笑うと、

いくらで譲るのですかと聞くので、千両じあよ200両の投資じあから800両の儲けじあなと言うと、ケチ蔵は大損ですねと笑うので、金を見つけたら権利を、立花屋に1000両で買ってもら、
い開発をさせれば300両どころではなく万両は儲かるじあろう、それで、ケチ蔵の300両は帳消しにしてやれば良いと言ったのです、翌日は柿木村に戻り金剛神社に行き宮司に金の話しを、
すると、

あれは伝説ですよ、藩が南の小川一体を調べましたが金は発見されませんでしたと言うので、その書付を見せてもらうと、確かに国府に金を納めたと書いてあります、南側の川筋の3町分、
を100両で売ってくれぬかと聞くと、いいですが、作物はとれぬ川原ですよと言うので、構わぬというと、譲渡書を作ったので100両を渡したのです、この神社一体には湧き水はないか聞く、
と、

手荒いの水が北の方の岩から湧いていますというので、そちら側も探してみょうと言うと、山師ですかと言うので、そうじあよと言って湧き水の処へ行き、地図をみると金剛山の北側あた、
りになります、南側の購入した場所に行き金剛山から水が川に流れている場所を探すと、少し流れている場所がありますので、ここら辺が良いじあろう、ここに粒を3個置いて、後は石の、
下に一粒か二粒を隠して、

転々と200間下流に置いたのです、これでよし、飛猿と才蔵はケチ蔵の雇った山師を探して、声をかけるのじあ、恐らく上流を探しているので、金があれば金剛山から水が流れている場所、
のはずだ、どうだったと聞いて、下流にもあるだろう、一般的に金鉱脈は山裾に多いはずだ、われわれは下流を探してみると言って、川を下り此処まできたら此処に少量の火薬を仕掛けて、
爆破しろ、

水の流れが多くなるので探す振りをするのだ、爆発音で奴らも見に降りてくるはずじあ、しばらくたったら、水が多くなったので流れ出ているかもしれんと言って探して、粒を発見する、
のじあ、少しだがあるぞ、と言う事はここを掘り進めばあるに違いない、よし、城下に行き金持ちに話しをして金を出してもらおうといって、城下に戻る振りをして隠れろ、山師は引き、
続き探して200間の間に金がある事を発見して、

それを持ちケチ蔵に知らせるはずじあ、ケチ蔵金が出た事は隠して宮司にあの辺を譲るように言うきはずだ、しかし、わしが先に買っているので、探してわし達が開発している処にくる、
はずじあ、譲るように言うので1000両なら譲っても良いと言うと、わしが金が出た事を知らぬと思って直ぐに買うと言うだろう、神社に戻り1000両での譲渡書を渡せば喜ぶぞと段取りを、
話すと、

承知しましたと上流に上って行ったのです、それではわし達は北側に行くぞと馬で北側に行き、地図を見てあの湧き水がここじあから、水の流れを止めるといけぬので、この辺なら良い、
じあろうと言って、山形ここに火薬を仕掛けてくれと言って、仕掛けさせて、爆破すると大きな穴が開いたので、土煙が収まると、縄梯子で降りていくと、左の山裾に空洞があります、

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