第6話

文字数 2,825文字


源三郎江戸日記(弟五部)6

かえでがそなたが根岸に帰ったと言うので、三蔵に案内してもろうたのじあ、源四郎はもう2年になるそうじあが、後2年は頑張ってもらうぞと言うので、ハイ、こき使ってくだされと、
言うと、冷たい兄上じあなと笑うので、若いですから体も丈夫ですよと言ったのです、間部には気をつけてくだされ、罷免されて逆恨みするやも知れませんと言うと、改易等するつもり、
ないがのうと言って、

もう1人いるぞ館林の松平清武殿じあ、家宣公の弟じあが、他家に養子にいっており、家宣公が将軍になったので、館林松平家を継いだ経歴がある、重税を課した為一揆が起こりそれが、
館林騒動じあよ、家光公の直系でわしより血は濃いが、天英院様が嫌われており候補にならなかったのじあ、さぞかし悔しい思いをしているじあろう、家老の戸田行部が天英院様に働き、
かけたそうじあが、

天英院様は商家の出、清武殿の母上は公家の出、館林時代に天英院様は相当いびられたらしいので、その子である清武殿を嫌われいると言う事で推挙しなかったわけじあよ、戸田行部は、
風魔の忍びを使こうているそうじあと言うので、今頃上様を狙っても、上様にはお子がいるので、館林には次期将軍の目はないでしょうと言うと、わしの子は病弱じあからのう、尾張か、
水戸とつるむかも知れぬといったのです、

清武殿の子を次の次の将軍にと言う取引は出来るじあろうと言うので、尾張も水戸もそんな約束を守るはずはありませぬと言うと、いや、水戸なら守るかもしれぬ、光圀公がそうであっ、
たろうと言うので、そうですね律儀な家柄ですからね、風間がからんでいるとなれば厄介です、元は北条の忍びですが、残忍なやつらだそうです、お気をつけてくだされと言ったのです、

それもあって根来衆を連れて来たのじあよ、かえでの調べによれば、館林藩の中屋敷には館林から、風間の頭小太郎が来ているとの事じあ、そなたもわしと親しいので狙われるかも知れ、
ぬ気をつけよと言ったのです、若狭屋が来たので、上様じあ徳山新之助と名乗られていると言うと、若狭屋吉衛門に御座いますと挨拶すると、色々と頼まねばならぬ宜しくなと言うので、

ハイ、何なりとお申し付けくだされと言ったのです、おみちが酒を持って来て、金ずるが来なさってよかったねと酌をして笑ったのです、吉衛門はいくつななるのじあと聞くと、よわい、
72になりますと言うので、中々元気そうじあなと言うと、後10年は頑張りますと笑ったのです、河岸をかえましょうと若狭屋が言うので料理屋にいき女将に徳山新之助殿じあ最近和歌山、
から江戸にきなされたと言うと、

それでは上様に着いて来られたのですねと言うので、微禄の旗本と言うわけじあよ、よしなになと言ったのです、膳を出したので再び杯を重ねたのです、若狭屋はこのまえは尾張の祭り、
に参加したのじあろう、それを聞かせてくれと言うと、ハイ、盛大な祭りでしたと経過を話すと、何唐辛子が入った破裂弾を撃ち込んだのか、それはたまらんなあ、こんど鷹狩りもやっ、
て良い事になったので、

近々上様が目黒の狩場でやられるそうだと言うと、女将が徳山様も参加なさるのですかと聞くので、わしは弓と鉄砲は得意なのじあよ、獲物をもって来てやろう楽しみにしておれと言う、
ので、ダメだったら百姓から買うたら良いですよと言うので、わしの腕を信じておらぬなと言うと、恥をかかない方法ですよと酌をすると、源三郎は弓と鉄砲はと聞くので、弓はダメ、
ですが、

鉄砲なら何とかなりますと言うと、それでは腕比べじあなと言ったのです、白菊と桜が入って来ておいでなさりませと言うので、お勝つ達ははと聞くと、寄り合いに出ていますと言う、
ので、今日は楽じあなと笑うと、ハイ、小言を言われなくて嬉しいですと言ったのです、こちらは徳山新之助殿じあと言うと、白菊に桜ですと挨拶して酌をしたのです、徳山じあ宜しく、
頼むぞと言うと、

白菊が一指しと言って、桜の三味線で踊ったのです、新之助が中々の舞いじあのうと言うと、今日は小うるさい師匠がいないのでのびのび舞っていますと笑ったのです、踊りが終わり、
徳山が中々のもんだと言って酌をすると、飲み干し返杯したのです、足の出し方も上手いではないかと言うと、小うるさい師匠がいないと上手くいくのですよ、徳山様はお1人身です、
かと聞くので、

残念じあが子供もいるぞと言うと、そばめはと聞くと一人おると言うので、二人目はわたしでどうですかと言うと、桜が抜け駆けはダメですよと言ったのです、桜も飲めと酌をすると、
飲み干し、美味しい、わたしも勘定に入れておいて下さいと言うので、若狭屋わし達は、全然眼中にないようじあのうと言うと、白菊が徳山様は、良い男ぶりですものと言うので、
よかった、

女難の相が徳山殿に移ったぞと喜ぶと、桜が金ずるは源三郎様ですよと言うので、それは若狭屋だろうと言うと、御隠居様が、金をもっているはずないでしょうと桜が言うので、大丈夫、
じあよ、お律からくすねて来たぞと若狭屋が言うと、そうですかと酌をするので、現金な奴め段々駒菊に似てきたなと言うと、それはわたしの師匠ですから仕方ないですよと言うので、
女将が芸者はしたたかでないと生きていけないのですよと笑ったのです、

色々歓談してあまり遅くなると加納殿にしかられますと言うと、そうじあな、今辺でお開きにしょうと言うので、送りましょうと店を出て船にのり日本橋川から内堀に入り清水門外の、
寺に行くと、近習頭の中田新八に御座いますと言うので、後は宜しくと言うと、新之助が今日は楽しかったぞ、また頼むと言うと寺に入ったので、船で深川の料理屋に戻ったのです、

部屋に入ると三蔵と新之助が来ており、徳山殿はと聞くので送り届けたぞと言うと、女将が殿自ら送るとは、ご身分の高いお方なのですねと言うので、これは内緒じあがあれが吉宗様、
じあと言うと、え~、上様ですかどうしましょうと言うので、知らぬ顔をしてくれと言って、白菊、桜も内緒じあぞと言うと、ハイ、女将にも言いませんと言ったのです、新之助が、
突然奉行所に来られて愕いたよ、

大岡様が小言を言われていたが、引き合わせて下されたのじあよ、そしたら名前を貸せこれよりは、徳山新之助じあと言われて、根岸の源三郎の屋敷に案内してくれと言われたので、
三蔵に案内させたのだと言うと、三蔵がとても気さくな将軍様ですね、初めてですよ将軍様の道案内なんてと言ったのです、飛猿を呼びかえでは風間の事を何か言うていたかと聞く、
と、

四谷の館林藩中屋敷にいるそうですが、警戒厳重で近づけないそうで、何人いるのかはわからないそうです、小太郎は時々駒込の堀内道場に出入りしているらしいです、何処かの藩、
の人間と会っているみたいですが、いつも1人で出てくるそうです、旗本の屋敷にも行くそうで特に愛宕下の柳生屋敷に行くのが多いそうですと言うので、何をしようとしているの、
じあと聞くと、

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