第73話

文字数 2,721文字


源三郎江戸日記(弟五部)73

ナターシャが席に座ると再びワインで乾杯したのです、ナターシャが少佐長い間ご苦労様、これで中佐に昇進して近衛師団の大隊長ね、おめでとうと言うので、ありがとうイシコフの息子、
との縁談はどうしたのと聞くと、お父様に断ってと言っているのよと言うと、ならば僕の妻になってくれと言うと、嬉しいわと言うと、それでは伯爵に話しをするが家柄で反対されるかも、
しれないがと言うと、

許してくれないなら、家を出ますと言ったのです、そうすると、お父上が怒って、又カムチャッカに赴任させられる、かもしれぬがと言うと、わたしもついて行くわ、と手を握ったのです、
少佐が済みませぬと謝るので、いいのですよ、どこでも家柄が婚姻の邪魔になるのですねと言ったのです、ところでイシコフ伯爵はなぜ皇帝の勘気をこうむったのだと聞くと、清国への、
侵攻を強固に言い張ったので、

皇帝陛下が今はイルクーツもハバロスクもロシア人は少なく、多くの兵を送り込めぬので無理だと言われたそうなの、イシコフ伯爵はモスクワ派遣軍だけで清国の東北部は占領できると言、
い張って、皇帝がお怒りになったそうなのよ、それで、イルクーツとハバロスクの状態を見て来るが良いと言う事になり、視察ではなくどちらかへの赴任だと聞いて、イシコフ伯爵は怒っ、
ているらしいと言うので、

なる程赴任すればそれが無理だとわかるだろうと少佐が言ったのです、後にイシコフ伯爵はハバロスクに総督として、赴任して清国の北東部に300人の兵で侵攻して全滅に会い、皇帝の勘気、
に触れ、こんどはカムチャッカに左遷させられたのです、イシコフはその時漂流してきた日本人を返さず、失敗をとり戻そうと択捉を伺いエトロフの単カップ湾の水深を配下に測量させた、
のです、

津軽藩の退去要求を無視して上陸した為に津軽藩と銃撃戦になり、津軽藩に捕縛され、少佐以下6人が函館に連行されたのです、船はカムチャッカに逃げ帰り、イシコフは本国に増派の要請、
をしたのですが、皇帝はこれを拒否しイシコフ伯爵をイルクーツに流刑にして、新たな総督に交替させて、日本に漂流民との交換を交渉させたのです、これは源三郎が2年後日本に戻った、
直後の事です、

話しを戻すと源三郎は次の日馬車に乗り、首都サンクトペテルブルクに向かい2日で辿りつき、全工程9200キロの旅を終了したのです、さつそくロシアの外務大臣に面会すると、モスクワ、
の市長から連絡を受けました、遠いところを良くおいで下された、皇帝陛下は明日謁見なされます、今日は用意した宿舎で旅の疲れを取って下さいと言うので、皇帝陛下へのハポンからの、
献上品ですと、

小判2000枚を献上して、殆どが純金で出来ており、鉄と鉛が少々含まれているハポンの金貨ですと言うと、それは凄い、皇帝陛下がお喜びになりますと受取ったのです、役所を辞去して、
配下の案内で宿舎に入ったのです、少佐に護衛の礼を言って金貨100枚を渡すと、喜んで不便な事があれば何でもいってください、一旦家に帰りますが、夕餉の後に町を案内しますと言う、
と帰って行ったのです、

湯に入り一服していると、執事がこちらにと案内するのでついて行くと、大きな部屋に椅子と机が並び椅子を勧めるので政吉と座ると、酒が運ばれてきて、これはシャンパンと言う酒です、
と注ぐので政吉と杯を重ねて一口飲むと、ワインみたいに渋くなく甘い酒です、これは美味いと言うと、執事がおきに召してよかったですと笑い、次にたまねぎのスープですと出したの、
です、

次々と料理が運ばれて来たのですがどれも美味しいので、豪華な料理だなと言うと、明日の晩餐会はもっと凄い宮廷料理が用意されています、滞在の間は私が世話をさせていただきますと、
言ったのです、食事が終わり部屋に戻ると、2人の日本人が待っており、石松に新造ですと挨拶するので、席を勧めて、元気だったか、明日は皇帝陛下に赦免してもらうように頼んでやる、
今は何をしているのだと聞くと、

日本語をロシアの外務係りの役人に教えています、国に帰れれば嬉しいですと言うので、何年になると聞くと、かれこれ3年になり、此処に来て1年達ましたと言ったのです、もう少しの、
辛抱だと言うと、ハイ、宜しくお願いしますと言うと政吉がわたしも彼らの処に宿泊して、話を聞きますと言うと帰っていったのです、少佐が向えに来たので馬車に乗り込み町へ出ると、
沢山の馬車が行き町は賑わっていたのです、

馬車は宮殿風の建物の前で止まり、降りると、ここはサンクトペテルブルクでも高級な料理屋です、踊りをみながら食事、酒が飲めて、多くの貴族が出入りしていますと言うと、店員が中、
に案内して席に座ると、シャンパンを出すので杯を重ねたのです、1人の金髪娘が宜しいですかと言うので、少佐が座りなさいというと、改めて杯を重ねたのです、この娘はと聞くと村上、
閣下が滞在中に世話をする者です、

宿舎でも世話をしますと言うと、傍に座った娘が、アリサです宜しくと言うので、村上源三郎だと言うと、明日は色々なところを案内しますといったのです、前には舞台があり、金髪の娘、
たちが妖艶な踊りを踊っています、少佐が後はアリサがお相手をしますと言うと店を出て行ったのです、ハポンは遠い国だそうですがと聞くので、ここからは9200キロも東にある島国だよ、
北はとても寒いが、

南はとたも熱い国で回りは海に囲まれていると言うと、エゲレスみたいな国ですねと言うので、エゲレスはここから遠いのか聞くと、船で2日はかかりますと、西洋の真ん中くらいの位置に、
あります、ここに比べれば暖かい国ですが、霧の多い国ですと言うので、アリサはエゲレス語はわかるのかと聞くと、私はフランス系ロシア人で、父はロシア人ですが母はフランス人です、
フランスのパリ生まれです、

フランス語、エゲレス語、プロシア語、ロシア語が話せますと言うので、それは凄い、この後エゲレス、フランス、プロシア、オランダに行こうと思っているが、通訳として同行してくれ、
ないか、報酬は金貨30枚でどうだねと言うと、外国に行くには旅券が必用ですと言うので、それは私から外務大臣に頼むと言うと、ハイ、同行しますと喜んだのです、そなたの父はと聞く、
と、

外交官でしたが政争に敗れて、父母とも今イルクーツに流刑になっています、代が代わらなければ赦免にならないでしょうと言うので、赦免されるように皇帝陛下に頼んでみようと言うと、
本当てだすか、お願いします、公費の使い込みと言う濡れ衣を着せられたのです、使い込んだのはイワノフ子爵です、今は近衛の武官をやっています、明日の晩餐会も陛下の護衛で傍に、
いるはずです、

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