第110話

文字数 2,710文字


江戸日記(弟五部)110

夕食が終わり、マリアが夜のベルリンを案内すると言うので、連れ立って街にでたのです、馬車でベルリン大聖堂へ行くと、窓には明かりがともり、建物には沢山の外灯がついて幻想的、
な光景で、昼間みるとは又違う風情です、夜のシュプレー川に移る光も素晴らしい物があります、ビアホール看板があるレストランに入り席に座ると、カウンター側には沢山のビールが、
おいてあります、

マリアがこの店は、100種類くらいのビールがあるのですよと言って、まずは5種類を選びつまみと頼んだのです、まずはこのビールですと言って出すので、三人で乾杯して飲むと、あまり、
苦くありません、これは苦くなくて中々飲みやすいねと言うと、ビールは苦味、ワインは渋みがあるのが良い物だと言われていいますが、閣下は両方とも苦手でしょう、だからこのビール、
を選んだのですと言うので、

さてはアリサが喋ったのだなというと、人によって色々好みがあるのですよ、だから、いろんな種類のビールがあるのです、わたしもあまり苦くないのが好きですと言うと、アリサが私は、
苦いほうがいいわと言うので、苦いのが好きな人は大酒飲みが多いそうですと言うので、そういえばアリサは酒が強いなと言うと、極寒の国がロシアです、ウオッカを飲んでいるので多少、
の酒には負けないのよと笑ったのです、

段々苦いビールが出てきましたが、なれたみたいで、あまり苦く感じないのです、黒ビールが出て来たので飲むと薬の臭いがします、苦味はなく切れは良いが、薬草の味がする、と言うと、
麦芽を発酵させて作るのでそんな味がするのです、これがたまらないと言う人も沢山いますここが黒ビール発祥の地なのです、肉料理に良く合いますとマリアが言ったのです、ソーセージ、
の種類も多いのだなと感心したのです、

そうだ魚のすり身も腸の袋にいれれば美味しいかもと言うと、魚のソーセージですかとマリアが言うと、アリサがたしかイタリアの田舎の港町で食べた事があるわ、意外と美味しかったよ、
と言うので、漁で小魚が沢山網に入ると、捨てるのは勿体無いからハポンではすり潰して固めてカマポコと言うのを作るのだよ、そのすり身を腸の袋にいれてスモークすれば日持ちする、
ようになると思う、

プロシアは魚介類があまり取れないので、肉を保存するのにこのソーセージが発達したのだとしたら、海のあるところからも持ってこれるではないのと言うと、マリアがなる程と言うので、
しかし、西洋は豚が沢山いるのでわざわざ魚で作る必要はないなと言ったのです、そうだプロセインにうなぎはいるのかなと聞くと、マリアがウナギですかと言うので、川にいる長い魚と、
言うと、

それはアアイと言う魚です、あまり食べませんよ、ぶつ切りにしてバーべキュウで焼いて食べる事がありますと言うので、店員にアアイを売っている所はないか聞くと、厨房に二匹あり、
ますと言うので、アアイ料理があるのと聞くと、いいえ、シエフが貰ったそうで、家に持って帰って、週末にバーべキュウの材料にするのだそうですというので、1匹譲ってくれないかな、
それに厨房を貸して欲しいと言うと、

シエフに相談してきますと言って傍を離れて、暫くして戻って来て、構わないそうですというので、2人に少しまっていてと言うと後をついていき、厨房に入り、シエフにフランス語で、
東洋のハポンから来たが、アアイを調理したいと言うと、おお、ハポンとは又遠い所から来ましたな、いいですよと言うので、魚醤はないか聞くと、少しだがあると言うので、それを、
皿に入れて、

砂糖、酢、地酒を加えて味を調えて、ウナギを布で掴み、調理の木の台に載せて、フオークで突き刺して、包丁で三枚に卸したのです、それを三枚づつに切り、そばのヒヤードと呼ばれ、
ている日本で言うカマドの炭を取り出して、鉄の箱に入れて火を付けて、炭に火が回ったら、上に金網を載せて、作ったうなぎの切り身に金串を刺して、作ったタレに入れて上に載せて、

厚い紙を借りて仰ぐと、うなぎの油が落ちて、あまだれの良い臭いがして来たので、シエフがアアイのさばき方も上手いし、このソースも良い臭いがする、お客は何だろうと愕いている、
だろう、あなたはハポンのシエフかと聞くので、いや、違うがこれがハポンのアアイ料理だと言って、丁寧に三回タレをつけて焼いて、これでよしと取り出して、串を抜き一口サイズに、
切って皿に入れたのです、

食べてみろと言って一切れ渡すと、シエフが食べて目を丸くして、これは美味い、これがあのアアイかふつくらして泥臭くなく、いい具合に油が抜けていると言うので、このソースと同、
じ物を作り、焦げ目が着いたらひつくり返して三回焼けば、油がとれて、酢と酒がふつくらさせて泥臭さを取るというと、今度のバーべキュウで試してみようと喜んだのです、厨房を、
出て、

2人の元に戻り、皿を出してアアイのカバヤキだよと言うと、二人が食べて美味しい、これがあのアアイなのと言うので、泥臭くなく、油も適量だろうと言うと、ええビールのつまみに、
も合うをと愕いたのです、甘い臭いがして来たので何んだと、みんなが騒いでいるわと言うので、少ししかないが欲しい人はどうぞと言うと、立ち上がり傍に来たので、一切れづつあげ、
ると、これは美味いと言うので、

シエフに教えておいたから、言えば作ってくれるかもと笑ったのです、あっと言う間に無くなってしまったのです、アリサが相変わらず指が器用なのねと言うので、神の指かもとアリサの、
胸を指刺すと、アリサがあ~んと言うので、マリアがまあと顔を赤らめたのです、これはワインバーでやると顰蹙を買うな、ワインの香りが台無しだと言うと、ここはワインも出している、
のよと言うので、

よく文句言わないなと言うと、臭いを楽しむのは見栄をはる貴族だけよ、此処にいる人達は、味を楽しみにしているのよとマリアが言ったのです、又、甘い臭いがして来たので、客が作れ、
とシエフに言ったのだろうと笑うと、明日からアアイバーとして繁盛するかも知れないね、私にも教えて下さいとマリアが言うので、後で教えてあげるよと言ったのです、暫く歓談して、
そろそろ帰ろうといって、

勘定を頼むと支配人が傍に来て、アアイ料理をシエフに教えていただいたそうで、お客様から出せといわれて、今アアイを買いに行っています、大好評ですよ、今日のお代は結構ですと言、
うので、それはありがたいと言って店を出たのです、アリサが又儲かりましたねと笑うので、ハポンに芸は身を助けると言う、言葉があるが、まさにそのとおりだなと言うと、マリアが、
本当に大臣なのですかと首をかしげたのです、

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