第116話

文字数 2,665文字


江戸日記(弟五部)116

私が持っています、伯爵に協力しますよ、元々その積もりでしょうと言うと、総てわかっているみたいですなと笑ったのです、問題は成功した後です、ニューヨークで囚人、牛、馬を、
積み込みますが、伯爵の仕業だと気づくはずです、恐らく捕鯨船で後を追いかけて、取戻そうとするでしょうと言うと、捕鯨船がこのフリゲート艦二隻を襲う等無謀ですよと言うので、

捕鯨船で油を燃やし、火事に見せかけて救助を依頼する振りをして、乗り組み、隠し持っていた、短銃で伯爵を捕虜にして、船を乗っ取ろうとします、荷物を沢山積むので兵の数は少、
ないと知っているはずです、50人が小船で脱出した振りをして、この旗艦に乗りこみ、事を起こすでしょう、伯爵を人質にすれば、もう一隻は手が出せませんと言うと、なる程と言う、
ので、

捕鯨船を調べて偽の火事だったら、船への乗船き拒否して武装解除させて、全員犯罪者として船倉に押し込めて、オーストラリアで裁判に掛けて、囚人として開発に従事させれば良い、
ですよと言うと、それは一石2丁ですな、前総督の金さえ頂けばよいわけですなと言うので、まあ、総てを取り上げると可愛そうですから、いくばしかは残してやりましょうと言って、
捕鯨船は拿捕して、武装解除したら、操船させてオーストラリアへ持っていきましょうと言ったのです、

士官が入って来て、砲撃の訓練をするそうです、甲板へお上がり下さいと言うので、甲板に上がると、マストに見張りが登り、艦長が操舵手の後ろに陣取り、5つある前の蓋を開けて、
右舷、左舷砲、準備は良いかと聞くと、右舷砲座、準備完了、左舷砲座、準備完了と声が聞こえたので、右舷砲座前より6門撃てというと、どか~ん、どか~んと6発音がして約1000、
フイートの海に玉が落ちたのです、

左舷砲後ろから6門撃てというとどか~ん、どか~んと6発音がしてやはり1000フイート先の海に玉が落ちて、水しぶきが上がったのです、それでは全問準備しろと言うと、下から玉、
の装填完了しましたと言うと、艦長が撃てと命令するとどか~ん、どか~んと24発の音がして、船体が震えたのです、凄い迫力です、これでは相手の船は穴だらけになりますなと言、
うと、

いや、中々勝負はつかない、のですよと艦長が言って、ご苦労であった、訓練を終了する、各部損害を報告しろと言うと、後部エリア損害なし、舵に損傷はありません、左舷砲室異状、
ありません、右舷砲室異状ありませんと次ぎ次に報告が来たのです、ご苦労と言うと艦長が蓋を閉めたのです、中々便利なものがついていますねと言うと、各部と鉄のパイプで結ばれ、
ており、

ここで集中して命令を出す事が出来ますと言ったのです、海戦になると右舷か左舷での砲しか使用しないので、左舷6門、右舷6門あれば良いのではないですか、大砲の台座に車をつけて、
移動できるようにして、状況により右舷か左舷に半分を移動させるのです、動かないように車止めをつけておけば良いかと思います、空いている場所には大砲の弾をおきバランスを取る、
のです、

この箱にも車をつけておき移動すれば良いのでは、そうすれば、船体が軽くなり、もっと早く走れると思いますがと言うと、艦長がなる程それは良い工夫ですねと言うので、もう一つ、
この大砲は水平に固定されているので、1000フイートしか飛びませんが、イカリを引き上げる歯車を砲身に、つけて、水平から45度に可変できるようにすれば、1000フイートから2000、
フイートの間を砲撃できます、

見張りに到達距離を測らせて、角度を細かく艦長が指示すれば2000フイートでも当てる事が出来ます、海戦に有利になります、特に前後の砲に取り付ければ、敵と同じ速度にすれば、
当て易くなりますと言うと、なる程考え付きもしませんでした、日本の軍艦はそうなっているのですかと聞くので、そうなっています、したがってこの艦と砲撃戦をやれば、船は、
小さいですが、

十分戦えます、又船が小さい分、速度も出せて、目標になりにくくなります、但し、外洋遠くに侵攻は不可能ですと話すと、これは侮れませんな、確かに大きくなれば砲撃の威力も、
増しますが、目標になる確率も高いという事ですかと感心して、さつそく、船大工に前方と後方の砲に細工させましょうと言ったのです、総督村上閣下がフランスやロシアにいると、
大変な事になりますと言うので、

だからわしが友好を保っているのだよと笑ったのです、我が国の船に比べれば随分と進んでいます、さすがに全世界に領土をもつイギリス国の軍艦ですね、船もあまり揺れずに乗り、
ここちも最高ですと言うと、日本がこのゆような軍艦を沢山持つと、アジアの植民地は脅威になりますなと艦長が言うと、総督がだから日本が鎖国しているのは我々には都合が良い、
のだよ、

へたに刺激して開国等させない方が良いのだよと言うので、日本は外国に植民地を持ちたいとは思っていません、平和が一番良いのですと言うと、暫くはそれで良いですが、アメリカ、
が独立すればそうも言ってられなくなります、多分アメリカは太平洋への進出をもくろむでしょう、太平洋の対岸は日本ですからなと言うと、アメリカの人口が増えて油を大量に必要、
になれば、

くじらを追いかけて捕鯨船が日本近海まで進出してくる可能性があります、油は腐りませんので、遠くまで行っても良いわけですと源三郎が言うと、総督が今は西海岸とオーストラリア、
に沢山いますから問題ないでしょう、日本に到達するまでは後100年はかかりますよと言ったのです、さて、一休みすれば夕食です、部屋でゆつくり休んで下さいと言うので、船室に、
戻り一服したのです、

当直士官がコーヒーと菓子を持ってきたので、ありがとう、少尉は何処の生まれと聞くと、北部のマンチエステーですと言うので、どんな所と聞くと、綿織物の盛んな場所で、のどかな、
田園が広がっています、海にも近い場所で海軍にあこがれて入ったのです、今回が初めての外洋への航海です、この船は凄いですねと言って、食事にはお知らせにきますと部屋を出て、
行ったのです、

航海は順調に進み、バミューダー諸島で補給を終わり北上してビーチ島にたどり着いたのは22日目だったのです、艦長が最速記録ですよと言うので、みんなで喜んだのです、民間人の、
格好をしてニューヨークに向かい、上陸してホテルに宿を取ったのです、伯爵が前総督の女は、24番街のアパートに住んでいるはずですと言うので、二人で馬車に乗り様子を見に行く、
ことにしたのです、

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