第71話

文字数 2,995文字


源三郎江戸日記(弟五部)71

翌日目が覚めると朝餉が机に並んでいます、牛の乳にパンに肉と野菜です、顔を洗ってイスに座ると、勧めるので牛乳を飲み、パンに肉を挟めて食べてオーチン フクースナと言うとリンダ、
が喜んでいます、食事が終わりリンダに、小判3枚を出して1枚リンダに渡して、後の2枚を少佐と政吉の相手にと言うと、わかったみたいで、スパシーバと言うと、唇を重ねて来たのです、

金貨を指さしゾアテー マニータと言うので、有難うはスパシーバで金貨はゾアテー マニータだなと書き足したのです、政吉が入って来たので部屋を出て下に行くと、少佐がどうでした、
と聞くので、大変良かったというと、それは何よりでしたと言ったのです、見送りに来たリンダが他の2人に金貨を渡すと、二人は大喜びしたのです、店を出て総督の屋敷に戻り総督に、
別れを言って馬そりに乗りこんで出発したのです、

政吉はどうだったと聞くと、金髪のロシア娘を抱くなんて初めてですと言うので、良い経験じあなと言うと、ハイ、ついて来て良かったですと言うので、まだ1900里もあるのだ、これから、
試練が待っているのじあろうと言ったのです、少佐に燃える石を知っているか聞くと、アイヌが使っている石だな、あれは煙が出て臭いのでロシア人はあまり使わないというので、石炭の、
種類には煙の出なくて、臭いがあまりしない物があるのだ、

それをもって来ているので寒くなったらこの馬そりの中で燃やそうと言うと、それは凄いそんな種類があるのかと聞くので、石炭は元々木が地中に埋まりそれで出来るのだ、煙の出る物は、
生木と同じ成分なのだ、それから水分を抜けば煙と臭いがでなくなる、中には煙の出ない物があるので、選別すれば鉄の箱か七輪で炭のように燃やせるし、火力も強いというと、村上閣下、
は知恵があるのですねと少佐が言ったのです、

それでは燃やそうと言うと、馬そりを止めて荷物から七輪を2つ取り出して石炭を入れて火をおこすと燃え出したのです、幌を被せた馬そりの中が暖かくなったので、手袋を外したのです、
皆がこれは暖かいというと、馬方と見張りも時々交替して火に当たらせようと言ったのです、少しの石炭で良いのですと言って、火力が衰えたら石炭を追加して、七輪の上にやかんを載、
て蒸気を出すと喉にも良いと言ったのです、

湯が沸いたので政吉がコーヒーを入れて全員に渡すと、体が温まりみんなが喜んだのです、少佐がこれは楽な旅だなと言うと、1人の兵士が真ん中に棒を釘で打ち付けて、七輪を縛り付け、
て、これならそりが揺れてもひっくり返る心配がなく安心ですと言ったのです、しかし、馬はこんな寒いのに元気なんだなと言うと、動いているので暖かいのですよと少佐が言ったのです、

馬は6頭を連れており、時々入れ替えて、そりを引かせていたのです、イルクーツまでは3200キロあり、一日70キロとして50日はかかる、途中には小さな村しか、ありませんと言うので、
それでもまだ3分の1かロシアは広いと言うと、イルクーツを過ぎると大きな町が沢山あります、寒さも和らぎますよと言ったのです、小さな村に宿泊したり、凍る大地で野宿したりして、
54日でイルクーツにたどりついたのです、

少佐がやっと着きましたなと言って総督に紹介すると、ハポンの高官がくるのは始めてだ、歓迎すると言って、ともかく湯にに入ってくれと、湯に部下が案内したので入ると、ここも蒸し、
風呂です、湯から上がると夕食に招待してくれたので、夕餉を囲み杯を重ねたのです、ここはロシアでの政治犯が流される流刑地でもあり、多くの貴族がいると話したのです、牢獄はなく、
みんな自由に暮らしている、

皇帝の許しが出れば帰る事が出来るが、代変わりがないとほとんどは赦免されないと言ったのです、ここで2日休養を取り再び馬そりに乗り、次の目的地オムスクまでは2500キロあります、
沢山の小さな町がありますので野宿はしなくてすみますといったのです、40日はかかると言う事かそこまで行けば残りは2500キロじあなと言ったのです、季節は2月になり、シベリアでは、
一番寒気になったのです、

吹雪くと一寸先も見えなくなり進む事は出来ずにその場で立ち往生となったのです、七輪の石炭はこのような場合に役に立ち、みんなが幌の中で暖を取り、馬は持ってきたテントを張り中、
に入れて寒さをしのいだのです、道を良く知っている馬方が一緒だから何とか旅が出来たのですが、知らなければ氷の台地に方向もわからず遭難して凍死してしまう事でしょう、なんとも、
厳しい極寒の地なのです、

この区間が一番大変な旅です、食料は沢山補給しながら進みましたので困る事はありませんでした、燃料も町や村で薪を調達しましたので、石炭がなくなってからは薪を燃やして暖を取り、
残った炭をかき集めて七輪にいれて寒さをしのいだのです、40日で着く予定が60日近くかかってようやくオムスクにたどり着いたのです、これで5700キロを走破した事にな、後3000キロ、
で都のサンクトペテルブルクです、

ここでも2日休養していよいよ最後の区間に出立したのです、ここからは道も整備されており沢山の町がありますので、先ずはロシア第2の都市モスクワに向います、ここは首都だったの、
ですが内陸部なので皇帝が海に出る為にサンクトペテルブルク首都を建設して移したのです、モスクワは80万の人が住んでいますと少佐が言ったのです、50日で走破してモスクワについ、
たのです、

元都だけあって江戸に匹敵する大きな町です、ここまで約半年過ぎた事になり、6月になっており雪はありません、緑がまぶしい季節になっていたのです、サンクトペテルブルクまでは、
600キロと言う事ですから、大阪から江戸までの距離と言う事になります、モスクワの市長に少佐が会わせると、はるか遠い8500キロも東にあるハポンの高官の訪れに愕き、さつそく、
皇帝陛下に連絡して置きますといって、

明日の夜には歓迎の晩餐会を開きましょうここには沢山の貴族が住んでいますと言ったのです、市長に洋服屋を紹介して貰って、ロシアの服を政吉のも入れて3着づつ作り市長に小判200、
枚を献上すると大喜びしたのです、湯に入りサツパリすると、少佐が町で夕食を食べようと案内してくれたので、ついて行くと、ここは食事をしながら踊りの見られる場所だと言うので、
席に座ると、

ワインと食事が運ばれて来たので杯を傾けたのです、料理は汁物から始まって、前菜、肉と沢山並んだのです、すつかりロシアの食べ物になれたみたいで、スブーン、ナイフ、フオークの、
使い方も慣れてきたのです、ロシア語も随分覚えて一通り会話は出来るようになっていたのです、少佐が中々上手いロシア語です皇帝陛下も愕かれるでしょうと笑ったのです、食事が終わ、
ると、

金髪の女子が傍に来て座り酌をするので再度杯を重ねたのです、源三郎の横の女子がわたしはマリアと言います、ハポンからのお越しと聞きます、宜しくと手を出すので、村上源三郎だと、
言って握手をしたのです、少佐がハポンの大臣閣下だと紹介すると、三人は愕いていたのです、日本語でこの者達も酌婦と女郎をかねているのかなと聞くと、少佐がそうですと言うので、
マリアがジヨロウと言うので、素晴らしいロシア娘と言うハポンの言葉だよと言うと、有難うと言ったのです、

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