第44話

文字数 2,709文字


源三郎江戸日記(弟五部)44

翌日は昨日の村に戻り鍛冶屋に行くと、出来ましたと言って、小雪が試してみましたら、簡単に耕せますと言って、そこの空地をやってみますと馬に引かせて空地に行き降りて、前に棒を、
差込後ろを持ち上げ棒で固定して、そりの4本の棒を固定して4本の棒を外すと車輪は持ち上がったのです、馬につけた大八車の紐を緩めると、鍬が地に食い込み小雪が前に乗り棚を緩めて、
ハイそれはと声を出すと、

太郎が引いて土を削って進んで行き、端まで行くと向きを変えて、こちら側にすすんできて、往復で2間が簡単に耕せたのです、これは凄いと言うと、鍛冶屋が喜んでいますそのまま作業、
を続けて一時で、大きな畑になったのです、4本のそりの止め金を外すとそりが持ち上がり、車輪が地に接地してそりを固定すると荷馬車に早代わりです、小雪に荒地をこれで開墾して、
水田を増やすのじあ、

2町分は簡単に増やせるぞ、さすれば20石の米じあから、100俵は取れる事になると言うと、ハイ、頑張って開墾します、畑も簡単に耕せるので、いっぱい野菜も作りますだ、小雪が頑張、
ればこの村に1000石は増やせるぞと言って、庄屋を呼んでこれを見せると愕いています、金をかけないで新田開発は出来るのじあよと言うと、ハイ、これは凄いですねと言うので、ここ、
に500両ある、

これで村の衆の、ため池、用水路の賦役の給金にするが良いと渡すと、来年までには1000石増やせるようにしますと喜んだのです、鍛冶屋に50両渡し同じ物を作り、村の衆に安くで売る、
と良いと言うと、ハイ、色々工夫もしてみますと言うので、水車による潅漑施設と回転により稲穂を落とす装置も指南して、そなたは中々知恵があるようじな、馬の蹄鉄などの鉄製品も、
良いが、

水車や足こぎによる回転を利用して色々な道具を考えてみよ、人の手だけに頼るのは効率が悪い、百姓が楽する道具を考えて、天領内に持って行きみんなに見せれば、注文が沢山来て儲、
かるぞと言うと、ハイ、少しの工夫で役に立つ道具が作れることに気づきました、鉄に限らず色々作ってみますと喜んだのです、それでは小雪ゆるゆるとやるが良いと言うと、お役人様、
頑張って税もしっかり納めますだと笑ったのです、

それではと言うと、道を戻り山形に向ったのです、宗憲が百姓が喜んで税を納めるなんて、ビックリしましたと言うので、とかく武士は搾取している、と思われがちじあが、税は百姓に、
還元すれば、又喜んで納めるわけじあよ、悪人から取り上げて良銭に変えると言うわけじあなと言うと、色々ためになりますと二人が言ったのです、山形までは半日でつき昼過ぎに旅籠、
に入ったのです、

ここは堀田家8万石の領地です、家光公の時代に藩主が親戚に、秀忠公法要の席で切り殺される等の災難にあい、ここに移封された経過があり、元禄時の散在も重なって財政は逼迫して、
おり、家臣の退散も相次いでいたのです、そのせいか、城下にはごろつきが徘徊して、治安も悪く大掃除の必要があったのです、家臣は禄を半分も借り上げられ困窮の極みに達し、やる、
気を失っている状態で、

徳政令で借財が半分になったのにも係わらず、まだ5万石の借財をかかえて利息も満足に払えない状況に陥っていたのです、新田開発、殖産奨励しょうにも金はどこからも借りられず、
重税は一揆を誘発するので出来ず、執政はめぐるましく変わったのですが、一向に改革は出来ずにいたのです、こんな状態では不正を働く金もないなと源三郎が言うと、エミが一番は、
家臣のやる気がない事ですねと言うので、

まずは城下のごろつき共を一掃して、商いを活性化させて賑わいを取戻させる事じあな、藩主が変わても繁栄が変わらないようにする方法はないものかなと言うと、エミがやっぱり特産、
品の奨励ではないですか、商いは藩主が変わっても、無くなる事はありませんと言うので、無ければどこからか持ってくれば、良いのですと言うので、何を持ってくるじあがと言うと、
やはり地元の人に聞いた方が良いですねと言うので、

それでは山形達はごろつきを叩き潰してくれ、用心棒以外は骨は折らなくてもよいぞ、親分共々町奉行の牢に片っ端から入れておいてくれと言うと、承知と言うと出掛けて行ったのです、
エミをともなって町に出てまずは見て歩く事にしたのです、居酒屋の店先で将棋を指している職人がいるので、昼間から将棋を指しているのかと声をかけると、不景気で仕事なんぞは、
ありやせんので、

暇なんですだと言うので、そうかと、言って将棋の駒を見ると中々の字体です、上手い字を書くもんだなと言うと、浪人の内職でさあ、こんなもんしか、内職はないんですよと言うので、
将棋の駒や将棋版は、有名なのかと聞くと天童に行けば良い木が沢山あるそうです、百姓が冬の間、糧の一分として、碁盤、将棋版、駒、こけし人形を作っていやすがこの辺ではあまり、
売れないですよと言ったのです、

お前達は大工かと聞くと、ヘイ、そうですがと言うので、桐のタンスや檜の風呂桶を組み立て式に出来ぬかな、誰でも組み立てる事ができれば、かさばらないので、江戸にもっていけば、
飛ぶように売れるとおもうがと言うと、宮大工と同じで釘を使わずはめ込むのですね、それはおもしれえと言うので、ここに50両ある明日までに作ってみてはくれぬか、机、椅子、本棚、
も良いなと言うと、

こんなに良んですかと言うので、大工仕事がないなら、何かを作って売れば良い、素人が簡単に組み立てられるように、絵図面を入れておけば良いなと言うと、わかりやした、夜なべを、
して2人でやってみます、あっしが熊吉でこいつは八蔵といいやす、2人とも裏の長屋に住んでいますと言ったのです、それでは頼んだぞと言うと居酒屋に入り酒と肴を注文したのです、

エミと杯を重ねると、後はなんですかと聞くので、果物じあなここから仙台には一日でいける、伊達60万石じあから町は賑わっているじあろう、仙台と玄海屋の蝦夷から江戸便に乗せれ、
ば都合3日で江戸に運べる、ぶどう、梨、スイカ、林檎、桃等の果物を名産にすれば良いと言ったのです、女中に山形名産は何かあるのかと聞くと、それは、蕎麦にただちゃ豆だがねと、
言うので、

なんだその豆はと聞くと、枝豆でただちゃとは親父の事を言うだよ、親父の作った枝豆かと言うと、味が濃くて塩でゆでると酒の肴にぴったりだよと言うので、それを出してくれと言う、
と、ハイと言って出したので食べると、なる程味が濃くて美味いなと言ったのです、エミが探せば沢山ありますねと言うので、無ければ何処かからもって来て名産にすれば良い、ここは、
南部領に近いので、
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