第46話

文字数 2,723文字


源三郎江戸日記(弟五部)46

西洋の書物はキリシタン関係を除いて解禁されておる、総てが我が国に合うわけではないが、取り入れれば良い事も沢山あるのじあよ、小太郎に進呈するので見て参考にするのじあと言、
うと、承知しましたと言ったのです、山形達が帰って来て小太郎がいるので愕くと、源三郎が経過を話すと、そうですか、それは良かったと言って、白根の権蔵と言う悪がいまして配下、
が30人と用心棒5人を雇い、

金貸しをやっており、悪さの限りをつくしていました、いつものとおり叩き潰し、博打場、女郎屋、権蔵の家から総額6千800両を没収して、仕置きして、4500両は奉行所に運び、35人は、
牢に入れてあります、奉行は賂は貰ろうていないようですが、人数は同心含めて10名で後は取り方なので手がでなかったようです、先月堀川に女郎と飛脚問屋の息子が心中死体となって、
上がったそうです、

その後息子が賭場で借りた金200両を払えと女将に因縁をつけて、飛脚問屋の株を取り上げて追い出したそうです、女将と娘は死んだ主人の兄を頼って、一里離れた庄屋の家に引き取られ、
暮らしているそうです、奉行所に訴えたそうですが、金の貸し借りにはお上は入らないので、当事者同士で解決せよ、と言われたそうですと言うので、何と悪どい奴じあな、権蔵が誰か、
に殺させて、

堀川に投げ込んだのじあろう、人を殺めるとは許すわけには行かぬな、それでは行くぞ、小太郎達もついてまいれ、飛猿は堀田藩の国家老を呼んで来てくれと言うと、承知と言うと傍を、
離れたのです、奉行所に行くと奉行の青山市之状に御座います今回はお手数をお掛けしまして、申し訳ござりませぬと言うので、こんな無頼のやからも捕縛出来ないとは、町方の役目、
はどうなっているのじあと言うと、

奴らは35名以上いまして、われわれは10人の手の者しかおりませぬと言い訳するので、この地は左遷移封地といわれておる、どうせ直ぐに移封されて出て行くと思い、何もしないのであ、
ろう、町が寂れれば冥加金も取れず益々藩財政は困窮するではないか、いっその事藩を上様に返上した方が良いと怒ると、申し訳ござりませぬ、人数を増やしてくれるように上申してい、
るのですが、

財政難で増やしてもらえないのですと頭を下げたのです、10人の腕の立つ者がいれば無頼のやからなど、捕縛するのは簡単な事じあわ、堀川に心中死体があがったそうじあが、吟味した、
のは誰じあと聞くと、拙者にございます町回り同心近藤佐門に御座いますと言うので、どうして心中と断定したのじあと聞くと、飛脚問屋の息子健吉の右手と女郎のおかねの左手が紐で、
結ばれており、

お互いに心の臓が一突きされていましたと言うので、刃物は刺さっていたのかと聞くと、ハイ、健吉の左胸に刺さっていましたと言うので、新吉は左ききかと聞くと、いや右ききでした、
と言うので、おかしいではないか、右利きなら手を縛ったまま刺した事になる、刃物がおかねの左胸に届くはずがない、又心の臓を自分で刺したとして、堀川に飛び込めるはずがないと、
言うと、

あ~と言うので、いい加減な吟味をしおって、それは誰かに無理心中に見せかけられて殺されたのじあよ、恐らく権臓がやらせたのであろう、飛脚問屋の株を手に入れる為じあよ、まして、
博打はご法度じあ、博打の借金等無効じあろう、そなた達は役目不行き届きにつき切腹じあなと言ったのです、国家老がやって来たので経過を話して、デタラメにも程がある、直ちに藩を、
返上せよと言うと、

申し訳御座りませぬ、町奉行以下権臓を含めて極刑にしますと言うので、だれが治安を守るのじあと聞くと、新たに腕の立つ者を選びますといったのです、全員を白州に連れて来いと言う、
と引き出されたので、諸国巡察視に逆らうとは上様への反逆と同じである、全員打ち首を申しつけるというと、命だけはお助けくだせえと言うので、ならば、堀川に浮かんでいた二人を、
心中に見せかけて殺害したのは誰じあと聞くと、

権臓が私は知りませんと言うので、誰も知らぬのか今正直に言えば、お上にも情けはあるぞと言うと、みんな黙っていますので、ならば喋らなくても良い、諸国巡察視に逆った罪により、
全員斬首とする、刑は直ちに実行する、奉行用意をせよ、首切りは近藤そなたが行え、一人の首を跳ねれば油で切れなくなるので、刀を良く洗い油を取って続けよと言うと、1人の男が、
お助けくだせえ、

やったのは白崎の旦那で、親分の言いつけですと言うと、浪人がわしは、権臓に頼まれただけだと言うので、権臓いいのがれは出来まいというと、恐れ入りましたと言うので、それでは、
改めて処罰を言い渡す、権臓と白崎に浪人4人は江戸に送り八丈島に遠島申しつくる、家老明日とおまる籠に入れて、江戸まで送り、吟味書とともに南町の大岡忠相に引き渡せと言うと、
承知しましたと言ったのです、

後の者は3年間寄場送りとする、江戸の石川島の人足寄場ではなく、蝦夷の函館の近くの開墾場じあ、明日仙台に連れて行き幕府の軍船に載せよと言うと、家老が承知しましたと言ったの、
です、さて奉行と同心の処置じあが、非番の日は町の剣術道場に通うのじあ、費用は藩から出すようにする、腕が上がらないものは領内追放にするぞ、しつかり修行するのだ、これが罰、
である、

町奉行お役ごめんとする、自ら剣を修行しなおせと言ったのです、堀田家は今回は特別に目こぼししょう、これから大田屋に言うて、新田開発、殖産奨励をやって貰うが、藩は口出しし、
てはならぬと言うと、国家老が寛大な処置かたじけのう御座りますと言うので、5万両の借財があるそうじあが、何処が多いのじあと聞くと、銭屋から2万両、相模屋が2万両、その他に、
御座りますと言うので、

ならばその4万両の利息は年5分にしてやろう、その代わり2千両の利息は必ず払うのじあぞと言うと、本当で御座りますかと言うので、わしが文を書いてやる、これを届ければ必ずやって、
くれる、ただし、これ以降散在はならぬ、1000石以上の俸禄は総て1000石とせよ、文句言うものあらばわしが成敗する、一門も総てじあぞと言って、そうするといくら節約になると聞、
くと、

およそ5千石になりますと言うので、50石以下の、借り上げ米の合計はと聞くと、およそ4000石に御座いますと言うので、50石以下は借り上げてはならぬ、そうすれば微禄の者は、喜んで、
奉公するじあろうと言うと、私も1800石ですが1000石で結構ですと言うので、それでは城にみんなを集めなされ、これで仕置きは終わりじあ、みなは牢に戻せといったのです、城に行き、
みんなを集めて申し渡すと、一門を含めて承知したのです、

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