第125話

文字数 2,909文字


江戸日記(弟五部)125

やがて着いたので馬をおりて、マリアが敷物をひろげたので座ると、対岸に沢山の動物が水を飲みにきます、ここら一体は禁猟区になっているのですよ、どんな動物がいるのかなと聞くと、
いまやって来たのデインゴと言います、野犬でこの大陸には沢山いるそうです、肉食獣で一番大きな動物だそうですと言うので、トラ、クマ、ライオン等はいないのと聞くと、いないそう、
です、

なんだあの二本足で飛び跳ねているのはと言うと、あれはカンガールと言って、お腹に袋がありその中で赤ちゃんを育てるのだそうです、走る速さま馬よりも早いそうですと言うので見て、
いると、水を飲み終わったら、凄い速さで草原を駆け抜けていったのです、湖の中を大きなものが泳いでいるので、みるとなんだあのトカゲの化け物はと言うと、あれはワニと言うトカゲ、
の仲間です、

水を飲みに来た動物を狙っているのですよ、人も襲いますので、川や湖は注意しなければなりませんと言って、あごが発達しているそうで、一撃で骨も噛み砕く力があるそうですと言った、
のです、オーストラリアは沢山の毒蛇がいるそうです、ヘビをみたら毒を持っていると思う事です、可愛い顔をしたコアラと言う動物がいるのですが、実はとても獰猛なんですよ、他にも、
この大陸特有の動物、鳥は沢山いますよと言って、

籠の中から鉄の丸いわっかが二つあるものを取り出して、上に鉄のコップを載せて水を入れて、ガラスの器に芯がついた物に、もつていた種火を付けてふくと火がついたのです、これはと、
聞くと、この中には度数の高いアルコールが入っており、この芯を通して、浸み込むのので火を付け、これを薪がわりにして、湯を沸かすのです、湯が湧いたらコップの上に置いた紙筒に、
コーヒー豆をひいた物を入れて、

お湯を注げばコーヒーが出来ます、これに砂糖を入れて出来上がりです、火を消すときは蓋を被せるのですと言って火を消したのです、コーヒーを受取り一口飲んで顔をしかめると、苦味、
は苦手なのですねと、砂糖をもう二つ入れるので、飲んでこれは中々美味いと言うと、マリアが笑っています、そうかアルコールは燃えるのだ、ロシアのウオッカも火をつければ燃えるか、
らなと言うと、

宿舎にはウオッカもありますよ、こんど用意しておきますねと言ったのです、内陸に行くと砂漠が広がっているそうです、海側と違って高い山がありませんから、雨があまり降らないのだ、
そうですと言うので、そうか、大きな大陸で平坦な場所が多くても水がなければ作物も育たないかと頷いたのです、此処に来て間もないのに詳しいねと言うと、閣下のお世話をすると言う、
事になり、

一生懸命調べたのですよと言うので、此処にず~と住むつもりなのと聞くと、お姉さんがイギリスには帰りたくないと言っているので、イギリスへの帰還命令がでたら、退役してここで、
農場をやるといっています、土地は手に入れてあり白人の管理人に牧場と農場を任せているのよ、だから私もここに定住する事になります、気候も良いし一年中過ごし安いです、雪が、
降らないのがいいですねと笑ったのです、

それでは今度は海にいきましょう、そんなには遠くありませんよと言うので、片付けて馬にのり東の方に向かったので、林を進むとマリアがあれがコアラですと言うので、みると丸くて、
目がくるっとした動物が木の枝にのり、盛んに木の実を食べています、本当だ可愛い顔しているではないかと近づくと、キキキ~と言って歯をむき出したので、頭に手をやると、マリア、
が危ないですよと言ったのですが、

何もしないよと言うと、穏やかな顔になり手に持っていた木の実を渡すので、これをくれると言うのかと言って受取ると、キキキと喜んだのです、それではなと言って、手を振ると木に、
ぶら下がり一回転したのです、マリアが愕いた閣下の言葉がわかったのかしらと言うので、おそらく体に動物の臭いがついているので、仲間と思ったのでは、意外と色んな動物に好かれ、
るのんだよと言ったのです、

どうして臭いがついているのですかと聞くので、田舎に暮らしていた事があり、そのときにキツネ、タヌキ、サル、ニワトリ、牛、馬、犬、等と接触しているので、その臭いがついている、
のだろうと言うと、私もモスクワの郊外で育ちましたから臭いがついているかも知れませんねとマリアが言ったのです、日本では動物好きの人間に悪い奴はいないと言われていると言うと、
閣下は動物だけではなく、

人にも好かれますよ、総督の大のお気に入りだと大尉が言っていました、出来ればオーストラリアに定住して、開発を助けてくれないだろうかと、いつも言っているそうです、中々の知恵、
者だそうですねと言うので、旅を多くしているので、色んな事を知っているのは事実だが、根は怠け者なんだよと言うと、あそこにも怠け者がいますと指さすので、みると、一匹のサルが、
木にぶら下がっています、

あれはサルではないかと言うと、ほら、全然動かないでしょうと言うので、見ると確かに全然動きません、ああやって動きもせず、一日ぶら下がっているのですよ、なる程だかに怠け者か、
わしもゴロゴロしているのが好きだよと笑ったのです、林を抜けて丘を登ると眼下には白い砂浜と真っ青な海が広がっており、沢山の人が海に入ったり、浜辺でイスに寝そべっています、

蝦夷を出て一年になるなぜ夏なのだ、時期は冬のはずだがと言うと、マリアがここは赤道より下にありますので、北半球とは逆になるので、北半球では冬ですがここは夏なのですよと言、
ったのです、なる程そういう事か今まで北から南を移動しているので全然気づかなったと言うと、さあビーチに行って冷たい物でも飲みましょう、井戸水で冷やしたビールがありますよ、
もつとも海辺ですから、

井戸水は塩か含まれますが、意外と夏でも冷たいのですよと言ったのです、馬を預けて大きな傘の下のイスに座ると、これはパラソルと言う日よけ傘です、白人は日光に弱いのですよ、
直ぐに火ぶくれになりますと言うので、黄色人種や黒人はよっぽどの日差しでないとやけどはしにいよ、どうも、それを防止する皮膚の構造になっていると医師が言うていた、白人は、
日差しの弱い所に住んでいたので、

そうなっていないのだろう、しかし何万年もそこに住めば、白人から黄色人種になり最後は黒人になり、黒人がシベリアに何万年もすめば、黒人から黄色人種になり白人になるのだろう、
黄色人種は中間と言うわけだと言うと、なる程人はみんな同じと言う事ですねと笑ったのです、ビールが来たので乾杯して飲むと、確かに冷たくて美味しいので、どの位の深さの井戸で、
冷やしているのと店員に聞くと、

裏に50フイートの井戸がありますが水はとても冷たいですと言うので、15メータか掘るのも大変ですねとマリアが言うので、金鉱山に比べれば大した事はない、金鉱山は地下30m位の坑道、
ほ掘り進む事もあるんだよと言ったのです、急に騒がしくなり海から人が慌てて上がってくるので、よく聞くと、サメだサメが出たぞ、早海から上がれと叫んでいます、回りを見渡すと、
沖に黒い背びれが浮き沈みしています、

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