第4話

文字数 2,877文字


源三郎江戸日記(弟五部)4

年号は享保と改める、正徳の改革のうち鷹狩り等の武門の習い禁止は解除する、長崎交易の制限も撤廃する、外国からの書物はキリシタン関連を除いて解除して、誰にでも読めるように、
する、禁制品は従来通りじあ、阿片は国内栽培も禁止する、方位磁針計は国産は許可する、その他鉄砲、大砲の製造は従来どおり幕府の許可を必用とする以上じあと言うと、交易の制限、
を撤廃しますと、

金銀の流失が多くなりますが、と井伊が言うと、取引は金、洋銀で行っており、国内の通貨は禁止になっている、地金は許可しているが、シナは銅を欲しがっており、金にて買っておるの、
ので、流失した金の多くは戻って来る、流失量は100年で50万両位じあろう、大した量ではない、方位磁針計を許可するのは、幕府は1000石以上の船の製造は禁止しておるので、方位磁針、
計を装備しても外国まで航海する事は不可能じあ、

国内の流通を活性化する為に許可するのである、これを搭載すれば夜も航行可能になりいままでの半分の時間で物を運ぶ事ができると言ったのです、後は火消しじあ、江戸は火事が多い、
大名火消しでは間に合わぬ、町人の火消しを町事に50組をつくる事にするが、忠助費用はいくらかかるのじあと言うと、1組30人として1500人となります、消火は左右前後6町の組が行い、
160人とします、

費用は原則的に町負担として、その町の商人に供出してもらいます、1人年6両として1組年180両になり総額9000両です、月換算で1組15両となりますが、場所によって町の負担が困難な、
所もあるので、幕府の補助が必用で、およそ年に3000両と言うところでしょう、後は町内事の消火桶、竜吐水等の設備費用ですと言ったのです、金寸がかかってもやるしかないが、安く、
なる方法はないかと聞くと、

源三郎が火事がいつも起きるわけではありませぬ、その者達によろずやと言う商売をさせるのです、名の通り、町の困った事、揉め事の仲裁、手助け等をなりあいとして手間賃を稼ぐの、
です、30人いれば結構な手間賃が貰えて日々の糧の助けになりますと言うと、なる程さすれば費用も安くなるな、忠助各名主を集めて早急に進めてくれと言ったのです、次に目安箱と言、
う箱を大手門の横に置き、

幕府えの意見を書き中にいれられるようにする、これは書いたものの名前を記入する事とする、武士、町人、百姓等だれが入れても構わぬ、開封は余が直接行い、良い意見は取り入れて、
幕政に反映させると言うと、安部が直訴はご法度になっていますと言うので、直訴はさし許す事とし処罰は行わないと言ったのです、最後に旗本に対して倹約令を施行する、その他の者、
は関係ない物とすると言うと、

旗本にのみ通達するのですかと久世が聞くので、そうじあ、倹約内容は吟味の上後で発表すると言うと、食うもの、着るもの、買うものを制限すると言う事ですねと言うので、そうじあ、
前回徳政令を出して武家を救済したがほうっておけば又やらなくてはならなくなる、浪費を慎ませるためじあ、余もそれに従うと言うと、大奥もで御座りますかと聞くので、勿論じあと、
言うと、

罰則も決めるので御座りますかと聞くと、勿論じあ死罪は無いがな、過去にも家光公がやられていると言ったのです、井上がそれをやると江戸での商人の商いが減り、冥加金も著しく、
減ると思われますがと言うと、商人、町人は対象外じあから少しの影響で済むじあろうと言うので、武家相手の商いをしている商人は自分も質素にするしかなくなります、そこに奉公、
している者の給金も下がり、

江戸の町は火が消えたようになりますと井上が言うと、武家の浪費をやめさせる他に良い方法がないなら、倹約令しかないじあろうというと、ハイと井上が言ったのです、源三郎が、
まことに結構な施策ですが、冠婚葬祭はこの限りではないと一文をいれてくだされ、そうしないと晴れの日に悲しい思いをしますと言うと、そうじあな、それは入れようと言ったの、
です、

井伊が大名は良いのですかと聞くと、幕府がやればそれがお手本となのり各藩もやるじあろう、特に幕府から強制させなくても良いと言ったのです、いじょうである、今日言うた事は、
祐筆が書いてみなに渡すので良く見て守る事じあと言って、御座所を下がったのです、解散すると井上が景気は大丈夫でござろうかと言うので、井上殿が申されたように火が消えた、
ようになるでしょうな、

やらないと武家の借財が又増えて首が回らなくなるのも事実で御座る、問題はいつ解除するかで御座るが、一回出せば3年は続けなければなりませぬ、浪費している武士がいるから金、
が回っているのも事実で御座る、しかし、上様は大した物で御座る、これでは学者は要りませんなと言うと、本当で御座るなまさに名君で御座ると言ったのです、筋書き通り行く事、
を願いましょうと言うと、

城を下がり根岸に顔を出したのです、おあきとエミが出迎えたので部屋に入り、昼餉を食べると、上様はどうで御座りますかとおあきが聞くので、中々の治世案を出されたぞ、中に、
倹約令が入っておる、食うものから着るものまで制限されるそうじあと言うと、それではこの服も対象になるのですかと聞くので、勿論じあよと言うと、何を着ればと言うので、
木綿じあろうというと、

殿様は元から木綿ですから良いですが、女子の着物は総て絹織物です、これが着れなくなるのですかと聞くので、これから買う物の制限じあから、すでに買うた物はいいのじあよと言、
うと、そうですか、沢山持っていますから大丈夫ですと二人は笑ったのです、おあきがしかし、絹を生産している人達は大変ですねと言うので、高級な物をあっかっている商売はみな、
大変じあなと言うと、

ならば表は木綿で裏が絹なら高級品には見えませぬ、みえない所にお洒落すれば良いのです、絹の下帯、腰巻、肌襦袢といままで安いものをみんな絹にすればどうですか、値段の制限、
は出来ぬでしょうとエミが言うので、なる程それは良い考えじあ、見えないところの洒落か、すそがめくれると金ぴかだつたりなんかすると、江戸っ子は粋だなんてはやるかも知れぬ、
なと言って、

中々の知恵じあのうと言うと、前田利家様の奥方様のお松様はまだ貧乏なとき小袖が買えなかったので、小袖の切れ端で着物を作られたそうです、それを見たねね様が綺麗なので自分、
にも作ってくれるように頼んだら、大阪中につぎはぎだらけの着物が流行ったそうですよと言うので、利家公が歌舞伎者でお松の方は洒落者と言うわけじあな、よし、それを流行らせ、
よう、

早速下帯、着流しの裏を絹にして表は木綿の物を頼んでくれと言うと、おあきが承知しました、私達も、腰巻、肌襦袢、着物を作って良いですかと言うのでよいぞ、それを自慢するの、
じあと言うと、倹約令かわしの始まりですねと言うので、絹生産者救済策じあなと笑うと、上様に叱られませんかと聞くと、町人は喜んでやるが武家は面子があるのでやらぬよ、又、
武家の女子は着物を沢山もっているので困まらぬじあろうというと、

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