第25話

文字数 2,868文字


源三郎江戸日記(弟五部)25

あっと言う間に売り切れたので、仙吉がこれでお仕舞いだよ、明日は沢山焼くので来ておくれと言うと、売り切れか仙吉明日を楽しみにしているぞと言うと、みんなは傍を離れたのです、
ハイ、おじちゃんと320文渡すので、それはお前の今日の上がりだ、この道具一式はおまえにやろうと言うと、施しは受けねえだと言うので、儲かったら2朱を代官所に届けて村上源三郎、
に渡してくれるように言えば分かるというと、

お役人様ですかと言うので、そうじあよ、ところでお前の父親はと聞くと、死んだだ、おっかさんとそこの半助長屋に住んでいるだ、おっかさんは針仕事がうまいんだよと言ったのです、
そうか、おっかさん孝行するのじあぞ、このタレを杯にとっておいて、醤油、砂糖、酒、酢を注ぎ足して比べて同じ味にするんじあよと言うと、うん、早く儲けて届けるからねと言うと、
片付けて戻って行ったのです、

傍の居酒屋に入りエミと杯を傾けたのです、隣で飲んでいた職人が、仙吉にうなぎの焼き方を教えた浪人さんですねと言うので、感心な坊主じあ、明日からひいきにしてやれと言うと、
食いそびれただと言うので、明日は沢山焼くというていたぞと言うと、ヘイ、食うた奴の話だと、ふっくらしていて、油もとれて、泥臭くないと言っていた、あの甘い臭いがなんとも言、
えませんだと言ったのです、

山形達が傍に来て、博打場、女郎屋もありますが、特別悪い者はいないようですと言うので、それは重畳じあな、時々手入れをやっているのじあろう、油断すると悪の芽は直ぐ出るから、
なと言ったのです、翌日出立して国境に行くと才蔵が奴らは屋敷を出て城下外れの地蔵堂に隠れていますと言うので、遠山はこの道を迂回してこの野原の右で待っていてくれと言うと、
承知と言うと傍を離れたのです、

それではゆっくり行くぞと言うと館林の城下に向って進んで行ったのです、飛猿が傍に来て地蔵堂はここから半里の場所にあります、遠山様は手前の野原の右に配置が完了しております、
と言うので、それでは行くぞと進んでいくと、地蔵堂が見えて来たので止り、そこに隠れているのはわかっておると大きな声で山形が言うと、ぞろぞろと出て来たので、右の野原に入、
ると、

行部達も野原に入り、行部が此処からは一歩も通さぬ、我々は50人いる、たった7人で歯向かうつもりかと言うので、山形鉄砲を構えろと言うと、鉄砲を構えたので放てと言うとどか~ん、
どか~んと音がして敵がバタ、バタ、倒れたのです、行部がたった5丁だ突撃して踏み潰せと言うと、横あいからも銃撃されたので、伏兵がいますと言う間もなく、三連射で多くの者が、
うめいて転がったのです、

慌てて行部が逃げようとすると、前と右横から騎馬に突撃され切り下げられて馬から転げ落ちたのです、源三郎達は馬を降りて行部達を取り囲み、ばかめ、我々に敵うはずが無いと言っ、
て首に刀を突き出し、どうやらこれでお仕舞いらしいなと言うと、首を跳ねよと言うので、それは清武殿に頼むとしょうと言うと、肩をピシ~と打つたのです、無傷の者を捕縛して馬に、
乗せて城下に進んで行き、

役人に地蔵堂の近くに、怪我をした藩士がいるので、医師を連れて手当てしてやれと言って城に向かい、松平清武公に取り次がせて、御座所に行き上座に座り、徒党を組んで諸国巡察視、
を襲うとは、これは清武公の指図に御座るかと言うと、行部がそれがし一存にての事に御座います、殿にはご存知ない事ですと言うので、清武が行部そなたは何故何回も村上殿に反抗す、
るのかと聞くと、

殿は先代様の血が一番濃いので御座る、それを紀州如きが将軍になるなどおかしいのです、わたしは納得いきませぬと言うので、上様が隠れてしまわれば嫡男が将軍となり申す、清武殿、
が将軍の座につく事はありえないぞと言うと、嫡男は年少に御座れば後見役が必要に御座る、殿が後見役になれば将軍になったも同じ事に御座ると言うので、なれるはずがないそもそも、
清武殿が将軍候補にならなかったのは、

館林騒動の為であるぞ、本来なら改易の処、お叱りで済んだのじあ、城改築の費用を重税で賄おうなどとは何と言う治世じあ、もっと知恵を使い費用を捻出すれば良いじあろう、ことも、
あろうか、藩米を横流しして上州屋と私腹を肥やしていたのはそなたであろう、公にせずに内々で処置をしてやったのに懲りない奴よのう、そのような者が藩政改革が出来るはずがない、
と言うと、

清武がそれはまことなのか、それを隠す為に村上殿を襲ったのかと言って、治世の不行き届きはわしの責めじあ、わしが隠居して家督は清正に譲るゆえ、館林藩に寛大な処置を頼むと言、
うので、してこの戸田行部はどうされると聞くと、わしを将軍に付けたいという忠義の気持から出た事じあ、命だけは助けてくだされと言うと、行部が殿今回の事は私1人が責めを負い、
ます、

ごめんと言うと、脇差抜き腹に突き立てたのです、ご老中これにて館林藩への寛大な処置をと、あえぐ息から言って、介錯をお願いいたしますと言うので、わかった、今楽にしてやると、
言うと、腹に刺した脇差を抜き、左の胸に、ごめんと言って突き刺すとぐわ~と言って息絶えたのです、遺骸は屋敷に運びねんごろに供養せよと言うと、藩士が担いで御座所を出て行っ、
たのです、

小姓達が血の後を綺麗に拭き取ったので、後の5人の中に行部の倅がいるであろうと言うと、ハツ、戸田宗時に御座りますと言うので、そなたはなぜ、父親の暴挙をとめなかったのだと聞、
くと、止めたのですがお聞きにならず、子供ならば親に従うしか御座いませぬ、それがしも腹を切りますと言うので、やめよ、そなたがやるべきは腹を切る事ではない、この疲弊した藩、
を立て直す事じあ、

明日よりわしに同行せよ、改革とはどうするのかを教えてやろう、藩財政を立て直し、領民を豊かにする事が税収を増やす事につながるのじあ、重税を課して藩を潤そう等とは考え違い、
もはなはだしい、そんな事すれば益々藩は疲弊していくだけなのじあよ、直ちに屋敷に戻り、父親の野辺の送りを済ませよ、他の者も屋敷にもどり謹慎せよとい言いつけたのです、

行部に加担したものは謹慎半年としなされ、今回の事は胸にしまっておきますと言うと、寛大な処置かたじけない、わしももう72じあ若い者に任せますと言ったのです、ところで、前回、
死罪となった庄屋はどうなっておるのじあと目付けに聞くと、嫡子が後を継ぎ庄屋をやっていますと言うので、明日はその村々を回り、新田開発、物産開発の指南をしてきましょう開発、
資金は、

幕府より1万両を下げ渡します、庄屋に預けて開発させましょう、藩は邪魔してはなりませんぞというと、1万両も下されるのか、それはかたじけないと言うので、行部は蔵米の横流しで、
相当の金寸を蓄えております、後日没収して藩財政の建て直しに使いなされ、なまじか、金があると藩士が集まり、よからぬ事を考える物でござる、郡奉行にきつく言いつけて、今後、
このような事がないようにしなされと言ったのです、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み