第68話

文字数 2,746文字


源三郎江戸日記(弟五部)68

陸上から大砲の音がしたので聞いていると、空砲のようです11発聞こえたので返礼の砲じふあな、どうやら了解した見たいじあ、七衛門は船に残れ、わしと船の漕ぎ手と2人にロシア人、
二隻に分乗させて上陸するぞと言って、小船に乗り込み桟橋に進んで行き上陸すると、武装兵が整列しており、1人の男がゴローニン少佐だと敬礼するので、幕府の老中村上だと手を出、
すと、

手を出したので握手をしたのです、ロシアの者5人を送り返す、和人の漂流民4人を返して欲しいと言うと、私には権限がない総督府に案内すると言うので、後ろをついていくと、レンガ、
作りの大きな建物です、中に入り一番奥の部屋に行くと、ジンスキー総督だと手を出すので握手するとイスを勧めるので座り、和人との交換を申しでると、わが国はハポンと条約がない、
ので、

私には権限がない、総ては皇帝の許しが必要だと言うので、なぜ何年も許しが出ないのだと言う、皇帝には知らせているがいまだ返事はこない、去年2人を都に送ったが国交がないので、
留めておけとの命令なので返すわけには行かないというので、わが国は鎖国しているので条約を結ぶわけにはいかないが、漂流民は自然災害であり、お互いが送り返すくらいは取り決、
めても良いと言うと、

それでは明日都に今年最後の便がでる、それで貴方が都に行き皇帝陛下に頼めば承知してくださるだろう、使節に来た者を捕らえるような野蛮な事は我が国はしない、タダ、冬になるの、
でシベリア横断は危険を伴う、都に着くのは半年はかかるだろう、都で半年、戻って来るのに半年、都合1年半はかかる事になる、船でナホトカに行き馬そりでシベリアを横断する事に、
なる、

荷物は税のラッコの毛皮を馬車1つに、護衛の馬車1つだと言うので、承知した私が同行しょう、ロシア人は引き渡す、エトロフで毛皮税なる物を徴収していたが、エトロフは我が国りの、
領土だ、税と称して毛皮を取り上げるのは違法であると言うと、それは一部の悪徳商人がやっているのだ、総督府は正常な交易するように通達しておる、その船子の商人は厳罰にしょう、
と言ったのです、

ロシアはアイヌは和人として認めていない、したがってアイヌの住む島もハポンの領土とは認めていないが、侵攻するつもりは今の処ないと言ったのです、その件も皇帝と話してこよう、
と言ったのです、船に戻り七衛門に話すと、それはダメですよ1年半近く老中が留守する等、上様がお許しになりませぬと言うので、捕虜になるのではない西洋の文明国が我が国の閣僚、
に無体な事をするはずがない、

行くのはわし1人で良い、抑留されている和人はロシアの言葉が分かるので同行してもらう、ここに手紙を書くので上様とお玉と江戸家老に届けてくれ、カラフトの事は頼むぞと言うと、
言い出したら聞かない殿ですから仕方ないですが、私も同行させてくださいと言うので、我が国は鎖国しているので役人であるわし以外はいけぬ、留守を頼むぞと言うとしぶしぶ承知し、
たのです、

5千両を下ろしてくれ、金としての価値はロシアでも通じるじあろう、明日にナホトカ行きの船が出るそうじあ、七衛門はこの後国後、宗谷、カラフトを見分してカラフトの者には事情、
を話してくれ、その後函館奉行にも事情を話し、江戸に回航して、この文を渡してくれ、なあに2年以内には話しをまとめて帰国するぞ、上様にはお役御免の願いも書いておいた我国の、
立場をロシア皇帝に認めてもらう、そうすれば100年は北は大丈夫になると言ったのです、

抑留されている者は後、2年頑張ってもらおうというと、七衛門が承知しました、体だけは十分気をください、土産を待っています、と泣き顔を見せるので、これ副将が泣いてはいかん、
留守は頼んだぞと言うと、小判と米、味噌、醤油、酒をおろして小船に積み込み桟橋におろして、手を振って分かれたのです、桟橋に和人4人が来たので、これを運んでくれと言って、
運ばせたのです、

総督府に和人の通詞を連れて行き、千両箱を渡して、中に金貨1000枚が入っている、総督始め今回の便宜を、図ってくれる者達へ分配してくれと言うと、何金貨1000枚をくれるのかと、
大喜びして、旅の途中不自由しないように、頭に言いつけておこうと言って、夕食に招待したいがと言うので、和人に我慢して、もらわねばならぬ、久しぶりに、ハポンの飯を食わし、
たいので遠慮したいと言うと、

わかった、ロシアの酒、肉を届けようと言ったので、お礼を言って総督府を出て和人の宿舎に行ったのです、みんなに米をたいて和食を食わしてやろうと言うと、大喜びしてみんなで、
料理を作ったのです、さすが元漁師です、魚を調達してきて海鮮盛り、味噌汁をつくり、総督のくれた肉料理も作り、机に並べたのです、日本酒で杯を重ねて、長い間ご苦労じあが、
後2年頑張ってくれ、

必ず国に帰れるように皇帝に許しを貰ってくると言うと、都に行った2人も連れて帰ってきてくださいというので、わかった、言葉が分からぬので誰か一緒に同行してくれると有難いが、
と言うと、政吉といいますわたしが同行します、体は一番丈夫で風ひとつ引いた事がありませんと言うので、わしは村上源三郎じあ政吉宜しく頼むぞと言うと、幕府のご老中様と聞き、
ました、

そんな殿様が漁師の為に自ら皇帝に会いに半年かけて行くなど聞いた事がありませんと言うので、解放して貰う為ともう一つの目的はエトロフ、カラフト、以南にロシアを侵攻させない、
為なのじあよ、それは老中の仕事なのじあと言うと、ロシア人に物おじしないのですね、あの大砲の威力にロシア人は、愕いていましたよと言うので、威嚇しておかねばやりたい放題を、
されると困るからなと笑ったのです、

ここの暮らしはどうだと聞くと、ここは東側なのでエトロフより冬は寒くないし、湾も凍りつきませんと言うので、そうらしいなエトロフより北にあるのに、海流のせいなのじあろうと、
言うと、そうなのです、暖かい海流が流れているそうで、5月になると霧がでますが6月には晴れた日が多くなりますと言ったのです、みんなが久しぶりに米の飯と味噌汁を飲みましたと、
言うので、

米、味噌、醤油、酒は置いていくのじ暫くは和食を食うと良いと言うと、旅の途中はと聞くのでロシア人と同じ物を食えば良い、酒だけは少し持っていくぞと言ったのです、ギヤマンの、
器に入れ替えておきますと言ったのです、1人小判10枚づつ渡しておく、何かの時に役たたせろとみんなに渡すと、こんなに良いのですかと言うので、遠慮するな金として通用するじあ、
ろうと言うと、ハイ、殆ど金なのでロシア人は大喜びしますよ、ロシアでも銀貨が一般的で、金貨はあまり出回らないそうですと言ったのです、

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