第13話

文字数 2,792文字


源三郎江戸日記(弟五部)13

鎖帷子とすね宛、篭手は大したものじあ、何回かは切られたが、傷はおうておらぬ、赤穂浪士が吉良の家臣を、殲滅出来たわけじあなと言ったのです、何事も用意周到が肝心なのです、
と言うと、そなたはいつもこんな目におうているのじあな、諸国巡察視とは大変な役目じあなと言うので、良いのですよ、私の配下は誰もキズは負っていませぬというと、一騎当千じ、
あなと笑ったのです、

城に着いたので、今日は湯にゆつくり入り、疲れを取ってくだされと言って、城を下がり上杉屋敷に凱旋したのです、凱旋すると今日はご苦労であった、役宅に戻り湯に入りゆつくり、
休むが良いと言って、エミは今日は上屋敷に留まり、明日根岸に帰るが良い、さすがは戸田一刀斉の娘じあなと言うと、殿の為に働けて嬉しゅう御座りますと言うので、今日の働きを、
お玉達に話して聞かせよと言って、

湯に入りに行き、湯から上がるとみんなで夕餉を囲んだのです、その頃風間小太郎は館林の上屋敷に行き、襲撃が失敗した事を戸田行部に伝えると、何と生き残ったものが口をわれば、
大変ではないかと言うと、風間は決して口はわりませぬが、藩士はどうされますと言うと、捕まったら自害するように言ってある、証拠が無ければ吉宗も手はだせまい、村上とは恐ろ、
しい奴よのうと言うと、

それがしも不覚を取り申した、巡察に出たら今度は不覚はとりませぬ、風間の里にはまだ沢山の忍びがいます、体制を立て直して来ますというと、上屋敷を下がり中屋敷に行き、傷の、
手当てをして、配下に明日は風間の里に向うぞ、ギスを負っている者共に、決して口は割るなと言うておけ、傷がいえたら逃げ出して来いと言うのだと言うと、承知と言って部屋を出、
ていったのです、

戸田行部は水戸上屋敷に行き藤田監物に面会すると、襲撃に失敗したそうですなと言うので、帰って来たものには詰め腹を切らせますと言うと、やめなされ、又つかえば良い、傷つい、
た者は決して捕まるな、もし捕まったら自害せよと言い渡しておる、傷が癒えたら自害するじあろう、証拠はないので御座る、吉宗の出方をまてば良いと言うので、承知したのです、

源三郎は飛猿と才蔵に、館林藩と水戸藩の下屋敷に博打場があるか探ってくれ、なければ、この藩の中間の出入りしている、博打場を突き止めてもぐりこみ、両藩で行方しれずになっ、
てる藩士の名前を調べよ、傷をおうて捕えられた者は口は割らぬじあろうからな、名前さえわかればゆさぶりがかけられる、館林公、水戸公が指示したわけではないじあろう、不満、
を言うたのを、

両家老が勝手につるんだのじあな、脅かしておく必要がある、両家老の弱みもついでに探ってくれと言うと、承知と言うと部屋を出て行ったのです、翌日館林藩の上屋敷に行くと、
殿は登城なされていますがと言うので、戸田行部殿に合いたいのじあがと言うと、承知しました、少々お待ち下されませと言って座敷に通したのです、戸田行部が現れて下座に座、
り、

戸田行部にござりますというので、今日来たのは昨日上様鷹狩りで風間の者どもと館林の者どもが上様を襲撃した、知らぬとは言わせぬぞと言うと、我が藩には関係ない事に御座い、
ますと言うので、手傷を追った者を大勢を捕らまえた、その者が自白するであろう、館林藩がいかに上様の親戚筋であろうと改易にせねばならぬ、ことを、公にしない為にこうやっ、
て出向いたのじあ、

誰の指示かしらぬが責任を取りそなたが切腹したらどうだ、さすれば上様にとりなしてやろう、館林藩の中屋敷に風間小太郎がいる事はわかっておると言うと、いいがかりはおやめ、
くだされと言うので、そなたが水戸藩の藤田監物と度々密会している事も分かっている、上様はお怒りになっている、今回は御三家といえどお取り潰される覚悟でござる、今なら、
まだ間に合いますがと言うと、

なんと言われても、知らぬ物は知らないので御座ります、無体ないいがかりをつけられれば許しませぬと言うので、しかた御座らぬ、藩士のうち行方しれずになっている者がいるはず、
じあ、その者が今回襲撃に加わった者達じあ、しらべけば直ぐにわかる、隣の部屋には沢山の者がいるようじあが、かかって来てもよいぞ、されば謀略を認める事にになると、立ちあ、
がり、

フスマを蹴飛ばすと10人の男がタスキをして待ち構えています、刀を抜き峰で片っ端から足と肩を打ち据えるとぐわ~と言って、転がったのです、行部の首に刀を突きつけて、館林藩、
には、濠の者は1人もいないようじあな、地獄に行くが良いと、上段から一気に降りぬくと、空気を切り裂くピシ~と音がして鼻先を刀が掠めると、行部は気絶して前に倒れたのです、

後ろからカツを入れると、息を吹き返したので、死ぬとはこういう事だ、何人も死んだのじあぞ、わしを、襲っても無駄なことじあ、そうそうに腹を切る事じあな、藤田監物にも首を、
差し出せば許してやると村上源三郎が言うていたと伝えよ、江戸藩邸総出で掛かって来いと言うと、部屋を出て玄関に向かいましたが、誰も追ってきません、戸田行部が何と言うザマ、
だ、

10人が瞬時に叩きつぶされるとはと怒ると、奴は天狗にごさります、動きがみえませなんだとみんなが平伏したのです、なんと、恐ろしい奴じあ、くそ~、だれが切腹等するものか、
用人の酒井を呼べと言う、酒井がくると、どうしても奴を始末せねばならぬ、金はいくらかかっても良い、手錬者を雇い奴を始末しろ、失敗したらそなたは切腹じあぞと言うと、
1人、2人では無理だと思いますがと言うので、

何人でも雇えと言ったので、承知つかまつりましたと部屋を出て行ったのです、酒井はまいったな、仕方ないヤシの元締めに頼むかと言って、新橋のヤシの元締め寅吉に会いに行き、
手錬者の者を雇いたい、一人100両だすがと言うと、相手はと聞くので、老中村上源三郎だと言うと、冗談言いっちいけやせん、そんな人を闇に葬れる訳はない、へたすればあっし、
の首がとびやす勘弁して下さいと言うので、

やらないとわしの首が飛ぶのじあと言うので、あっしは引き受けませんが、烏森神社の裏手にお堂があり、そこにいけば闇の仕事を受ける一団がいます、頭は黒豹と言う葉隠れの忍び、
だそうです、肥前のキリシタンの末裔で今でも幕府を恨んでいるとの事です、幕府の老中なら引き受けるかもしれませんが、千両箱一つは必要ですぜと言うので、わかったと言うと、

烏森神社の裏手のお堂に行くと、どこからか声が聞こえて、何の用だと言うので、老中村上源三郎の始末を頼みたいと言うと、風間小太郎が手負いをおわされた奴じあな、いくら出す、
のじあと言うので千両じあと言うと、ばかめ、そんなはした金で受けられるかと言うので、いくらだと聞くと、3千両なら受けても良い、但し、前払いだと言うので、腕も見ないのに、
出せるわけはないと言うと、

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