第16話

文字数 2,944文字


源三郎江戸日記(弟五部)16

源三郎が真剣にての立会いじあと言うと、承知しましたと言うと真剣を、抜き中段に構えたので、源三郎は上段に構えて間合いを縮めて、一気に降りぬき顔の高さで止めると、一瞬に稲妻、
が走り右に飛んで後ろに回つたのです、宋座衛門は一瞬瞬きして踏み込み刀を振り下ろしましたが刀は空を切り、後ろに殺気を感じ振り向くと、源三郎の刀が振り下ろされ右肩にピタッと、
止ったのです、

参ったと手を上げると、秘剣村雨じあと言って、次はと言うと稲垣大蔵が宜しくお願いしますと真剣を抜き上段に構えたので、源三郎は中段に構えて、間合いを詰めて一歩手前で上段から、
顔の高さに振り下ろすとさつきと同じに稲光が出て大蔵は左から振り切ると刀は空を切り、源三郎が上段から振り下ろし右肩でピタッと止めたのです、大蔵がまいったと手を上げたので、
刀を仕舞って、

座り村雨は稲妻で目くらましをするだけで、後の手は自在なのじあよと言うと、大蔵は一回前にわしが左に回りこんだので、それを防ぐ為に左から切り込んだのじあろうが、その分体に隙、
が出来るので、打ち据える事が出来るのじあよ、防ぐのには何もしないと言う事じあなと言うと、しかし、それでは攻撃のしょうがありませぬと言うので、戦と同じでじれた方が負けと、
いうことじあなと言ったのです、

これで受け料は返さなくても良いわけじあなと言ったのです、2人が私達も木山殿と同じように道場を開き町人、百姓に読み書き、ソロバン、剣術を教えます、ソロバンは出来る者に頼み、
ますと言うので、それは良い事じあと言うと、木山が費用は頂いたものより出しますと言うので、足りなければ申しでるが良いと言って、剣客が畳みの上で臨終を迎えても恥じることはな、
いと笑ったのです、

三人を連れて屋敷を出て居酒屋に行きハイを重ねたのです、飛猿が傍に来て、昨夜戸田行部と藤田監物が行方しれずになったようで、両家は懸命に探しているようです、二人は昨夜館船に、
のり墨田川に出たのだそうです、それきり朝になっても戻らず船宿の女将が町ち方に届けたそうですと言うので、船頭も戻らないのかと聞くと、ハイ、町方が川沿いを調べているそうです、
今の処船も見つかっていませんと言ったのです、

さては江戸湾にでも流されたか、それなら死ぬ思いをしているだろうと言って、そうか寅吉の仕業だなと言って、三人と別れて料理屋に行き寅吉を連れてきてくれと飛猿に頼むと承知とい、
うと部屋を出て行ったのです、暫くして寅吉が来たので、戸田行部と藤田監物が行方不明じあそうじあが、お前の仕業かと聞くと、ヘイ、二人には普通の仕掛け人では手が出ませんので、
黒豹に頼んだのですがと言うので、

そうか黒豹の仕業か、しかし、良く1000両で引き受けたなと言うと、いいえ1人100両で良いと言うたのですので、烏森神社の後ろの堂に200両おいて頼みましたと言うので、ほうたった、
200両で引きうけたのかと言うと、残りはお返ししますと言うので、それはそなたが取っておけば良い黒豹め殺すわけではないので、両家に身代金を要求するのじあろうというと、なる程、
それで引き受けたのですか、

黒豹は悪どい奴らだから、懲らしめてやる、とは言っていましたがと言うので、さあ一献のめと言うと、女将が酌をしたのです、暫くして寅吉があっしはと帰っていくと、新之助が入って、
きて、話は聞いたと思うが、町方が川べりを探したが見つからず、両屋敷に問い合わせたら、両方とも屋敷におり行方しれずにはなっていないと言っていたと言うので、大名屋敷の不始末、
を町方に言うはずがないと言うと、

船手組も江戸湾を捜索していると言ったのです、暫くして三蔵が入って来て、船頭が見つかりました、河口近くの漁師の小屋に監禁されていました、話によると後ろから口をふさがれて、
縛られたと言うています、賊は覆面を被っていたそうで、河口の小屋に放り込まれて、船はそのまま江戸湾へ出て行ったそうですと言っていますと言うので、沖に千石船が待っていたの、
じあろう、

二人は気がついたら暗い海の真ん中なので愕いたろう、暫く漂流させておき怖がらせて船に引き上げ、後は両屋敷に身代金を要求したのじあろう、払えば解放するじあろうがと言うと才蔵、
が入って来て、飛猿が屋敷を確認したら二人とも戻っているそうで、両家の藩士はそれぞれ屋敷に引き上げたようですと言うので、黒豹め身代金を受取ったのじあろうというと、奴らの動、
きはつかめていませんと言うので、

高鍋藩の上屋敷に行き源信を呼んで来てくれと言うと、承知と言うと才蔵は部屋を出て行ったのです、新之助が三蔵に捜索は中止にするようにみんなに言うてくれ、船手組にもだぞと言う、
と承知と言うと部屋を出て行ったのです、何者だその黒豹はと新之助が聞くので、肥前の葉隠れと言う忍びらしい、頭は九の一との事じあが、実態は分からぬと言うと、裏の仕掛け人と、
言う事かと酒を飲み干したのです、

暫くして源信が現れたので久しぶりじあな、高鍋藩はと聞くと、江戸も国表も平穏に御座いますと言うので、お蝶はと聞くと、国の屋敷に娘とおりますと言うので、息子はと聞くと根来の、
里で修練しておりますと言ったのです、何かありましたかと聞くので、肥前の葉隠れの事で聞きたいのじあがと言うと、江戸に来ているのですかと言うので、どうも裏の家業をやっている、
らしいのじあと言うと、

帰農していると聞きましたが、人も増えて食うていけなくなったのでしょうと言うので、頭は誰だと聞くと、今は山本幻心斉ですがもう6代目となります、元は秋月家の忍びだったのです、
が秀吉の九州征伐で破れたため肥前38万石から日向高鍋に3万石にて移封された時お家を離れて帰農したと言う事です、黒豹と言うのを知っているかと聞くと、葉隠れの里では代々修練は、
続けています、

黒豹とは山本幻心斉の娘お龍の事です、豹は我が国にはいませんがアフリカと言う熱い国にいるそうで、猫の親戚です、俊敏で目にも留まらぬ速さで動けるそうです、お龍が江戸に来てい、
るのですか、殿を狙っているのですかと聞くので、いや、今の処は狙うつもりはないようじあが、風間と手を組むかもしれんと言うと、それはありません、葉隠れは昔からどの忍びとも手、
は組まぬ者共ですと言ったのです、

いつ迄江戸にいるのじあと聞くと、用事は終わりましたので明日高鍋へ船で戻ります、途中肥前に寄り、葉隠れの事を調べて飛脚便にてお知らせしますと言うので、頼んで、杯を傾けたの、
です、女将が白菊さんたちが、来ていますと言うと、フスマを開けて入ってきたので、呼んでおらぬがと言うと、お座敷までには、間がありますので一杯ご馳走して、くださいと言うので、
よいぞと言うと、後2人が入って来て、

桜に水仙に御座いますと言って傍に来たのです、水仙が流れ芸者に御座います、暫くは江戸におりますので、ごひいきにと酌をするので飲み干し返杯したのです、お勝つ姉さんに世話にな、
っていますと言うので、知り合いかと聞くと、いえ、名主の吉五郎さんの紹介ですと言うので、不景気じあがそなたみたいなべっぴんなら、客に不自由はせぬじあろうと言うと、まあお口、
が上手なのですねと言ったのです、

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