第107話

文字数 2,662文字


江戸日記(弟五部)107

昨日は楽しかったですかと聞くので、昨日の経緯を話すと、まあ、そんな危ない事をとマリアが言うので、アリサが源三郎にとってはたいした事ではないのよ、教会は今頃大騒ぎねと、
言うので、これが不正の証拠だよ、いまごろなくなっている事に気づき、慌てて金を持ち逃げたかもしれぬ、後で寄って確かめてみようと言ったのです、それを法皇に渡せば司教は、
破門になるわと言うので、

それが分かっているので、せめて金を持って逃げようとするはずだよ、司教がいなくなればプロテスタントは迫害されなくなるだろう、副司教に念を押してプロセインに出立しょう、
と言ったのです、マリアが閣下はキリスト教徒でもないのに心根が優しいのですねと言うので、イエスは慈悲のこころを持ち隣人を愛せよと言っているのだろう、仏教のお釈迦様も、
同じ事を言っているのだよと言うと、

そうなんですかと言うので、順番から言うと、イエスが長男で、次男がお釈迦様、三男がマホメットで、元はみんな同じなんだよと言うと、アリサがそうか、だから兄弟喧嘩をする、
のかと笑ったのです、なにやら表が騒がしいので支配人にどうしたのだと聞くと、前の川に人が浮いているそうで、役人が調べています、この上流から流れて来たみたいですと言う、
ので、

上流には何があるのと聞くと、回りは市街地で住宅街があり、カソリックの教会と、その先は宮殿ですと言うので、町役人の責任者はと聞くと、ジョセフ男爵です、近衛隊長ですが、
警察長官も兼ねていますと言ったのです、行ってみるか、と言って立ち上がり外にでると、下の川原に沢山人が集まっています、降りていくと役人が、近づいてはだめだと言うので、
ジョセフ男爵の知り合いだと言うと、

中に入らせたので死体を見ると神父の格好をしています、どうやら扼殺されたみたいで、首に紐で絞めた跡があります、右手をみると爪に何かがついています、これは人の皮膚だな、
相当暴れたみたいだな、犯人は手に傷をおっているだろう、この神父はと聞くと、傍にいた医師がカソリック教会のヨードル神父です、死後6時間くらいですので、今日の朝4時ごろ、
扼殺されて川に投げ込まれたのでしょう、

頭蓋骨が陥没しており、体に打撲の跡が複数見られますので、少なくとも5m以上の高さから川に落ち、そのとき頭を強く打ったのでしょうと言ったのです、役人が金貨100枚を入れた、
袋がありました、後は鍵を手に握っていましたと言うので、ジョセフ男爵を呼んで来てくれと言うと、わかりましたと呼びに行ったのです、暫くしてジョセフが来たのでこの神父、
を知っているか聞くと、

これはヨードル神父で司教の腰ぎんちゃくですよと言うので、多分仲間割れだな、この神父は金を奪って逃げようとして見つかり殺されたのだよ、投げ込まれたのではなく逃れようと、
して、何処からか落ちたのだろう、直接の死因は頭蓋骨陥没によるものだと思うと言ったのです、犯人は司教かもしれんと言うと、遺体は解剖してくれと医師に頼み、教会に行きまし、
ょうと言うので、

金貨ともっていた鍵を持ち教会に向かったのです、教会に着きましたが、特段騒ぎは起きていません、教会堂に行ってみるとミサを副司教がやっています、壇上に行きヨードル神父の、
事を伝えると、お待ち下さいといって、続きをやり、そうそうに切り上げると、みんなは教会堂から出て行ったのです、ヨードル神父は朝食に姿が見えないのでおかしいとは思いまし、
たが殺されたのですかと愕くので、

司教はと聞くと、朝早く教会の領地に行くと言って出掛けましたと言うので、1人でかと聞くと、いえ、二人の神父をつれて、今年の作付けの様子を見てくると言っていましたがと言、
うので、この壇上には何かありませんでしたかと聞くと、いいえ、何もありませんでしたがと言うので、司教の部屋を改めたいと言うと、鍵は司教が持っていますがと言うので、多分、
これれが鍵でしょうというと、

案内しますと言って二階に行き、鍵を差し込むと間違いなくこの部屋の鍵です、中に入りベットの下を見ると袋が4つあります、引き出してみると、金貨の袋が2袋あり、2袋は銀貨です、
こんな処に保管しているのですかと聞くと、いえ、貴重品は地下の保管所に入れてあるはずです、この教会にあるのは金貨300枚と銀貨200枚です、税で納められた、穀物を金に替えた、
ものを保管してあります、

後食料倉庫は別にありますと言ったのです、寝室は別にあるのですかと聞くと、ハイ、ここは司教の執務室です、寝室は2階の奥にありますと言うで、行ってみると、此処が司教の寝室、
で、隣はヨードル神父の寝室ですと言うので、窓から下を見るとあの川が流れています、ヨードル神父の部屋に入ると、窓が開けたままになっています、窓側に置いた植木鉢が下に落、
ちており、

カーテンが引きちぎれています、こここから下に落ちたのだなと言って下を見ると、下は岩場になっています、ここで首を絞められて、もがいている内に下に転落したのだろうと言う、
と、副司教がなぜ司教はあんな多額な金をもっていたのでしょうと言うので、書付を見せて、毎年教会領から上がる税をピンハネして貯めていたのですよと言うと、何と言う事をと愕く、
ので、

恐らく、教会堂にあった金貨の袋をヨードル神父が見つけて、この部屋に運び込んだのだろう、あの執務室は通常鍵はかかっていないはずだ、さつきかかっていたのは、異変に気づいた、
神父が鍵を掛けたのです、金貨の袋が1袋たりない事に気づき内部に犯人がいるとして、探していたところヨードル神父の部屋にあったので、ヨードル神父が犯人だと思い、この部屋に、
来て、

袋を見つけて、この書付を出すようにせまったが、知らないと言いはったので首を絞めて殺して探そうとしたのですよ、そのときに司教が首に下げていた鍵を引きちぎったのです、この、
鍵は紐が千切れていますと見せたのです、多分落ちるときにカーテンと鍵の紐を握ったのでしょう、慌てた司教は、事は発覚したが鍵がないので、この部屋にあった金貨の袋だけを持ち、
朝早く逃亡したのです、

ヨードルは司教の腰ぎんちゃくだったのでしょう、この書付のありかを知っていたはずです、知っていたのは司教とヨードル神父だけだったので、司教はヨードル神父が裏切って金貨を、
持つて逃げるのだと信じこんだのですと言うと、誰がこの書付を貴方に渡したのですかと聞くので、それは申し上げられません、司教の不正を内々に調べていたのです、これは貴方に渡、
します、

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