第21話

文字数 2,705文字


源三郎江戸日記(弟五部)21

それでは料理の指南でもするかと言って、キミ台所に案内せよと言うと、殿がお入りになる等と言うので、よいから案内せいと言って案内させていくと、みんなが愕いて平伏するので、
そのままで良い、料理は終わったであろう、そなた達も酒を飲めと言って、二品程指南してやろうと言うと、賄い方頭の山野道衛門にござりますというので、イモ、砂糖、天麩羅油は、
あるかと聞くと、

ハイ、御座いますと言うので、用意させて、イモの皮を剥かせて四角く細切りにして、砂糖水に絡めて、てんぷら油で揚げさせて、焦げ目が着いたら上げさせ、油きりをさせたのです、
もう一つはイモを一口に入るくらいに切り、砂糖醤油を絡めててんぷら油で揚げさせたのです、出来たので食べ比べさせると、砂糖の方はお茶受けにピッタリで、砂糖醤油の方は酒の、
つまみや飯のおかずになります、

中々美味いですと言うので、少しづつで良い、みなに出してやれと言うと、イモも工夫次第で色んな料理になるのですねと言うので、イモ饅頭、イモ羊羹、イモ金つばも美味いぞ川越、
の名産にしてくれと言って、いつもご苦労じあな、包丁侍に誇りをもて、人を幸せにするのは包丁なのじあよと言うと、みんなが、感激していたのです、席に戻るとエミが何を指南、
されたのですかと聞くので、

女子の喜ぶ料理じあと言ったのです、賄い方がもって来たので、遠山が殿が工夫された料理じあと言うので、二種類あるが食べ比べて見よというと、みんなが食べて、これはお茶受け、
にピッタリですもう一品は酒のつまみにぴったりですと言ったのです、エミがこの焦げ目が甘くて、さらにイモの甘みと絡んで美味しいです、女子の好きなおやつですねと喜んだので、
す、

みなのも食しながら聞いてくれ、イモを川越で奨励しているのは、一つは飢饉対策の為である、江戸の人口は100万人を超えておる、東北が飢饉になれば餓死者が出る可能性があるそれ、
を防ぐ為である、又イモから作られる色んな製品は川越藩としての名産にするのじあ、薩摩の侍の事をイモ侍等と言うやからがいるが、薩摩はいままでの飢饉でも1人も餓死者は出して、
おらぬ、

総て薩摩芋のおかげなのだ、これを食せば通じもよくなり、病気をしなくなる効果があるそうじあ、ただ屁が出易くなると言うと、みながドット笑ったのです、ともかく江戸が食料不足、
になった時には川越のイモが頼りになるわけじあと言ったのです、飛猿が傍に来てお庭番からの繋ぎです、戸田行部は家人5人と館林に向い、館林で隠居すると言うているそうです、

藤田監物も水戸に引き上げ両藩とも江戸家老は空席のままで、次席家老が政務は引き継いだそうです、風間小太郎は殿にやられた傷は、思いのほか深手で、箱根の湯治場で治療している、
との事です、小田原に入り込んでいるお庭番が風間の里と、取り引きしている商人の番頭に化けて、風間の里に取引にいき探った所によりますと、頭の風間與三郎は小太郎が戸田行部と、
約定した事には反対したのだそうです、

しかし、このままでは風間は滅びるとして、配下30人をつれて風間を出たのそのだそうですが、今回その配下の殆どを失った為、小太郎が風間の里に配下をつのりに帰ったところ、頭が、
二と度と風間の者を連れ出す事はならぬと言った為争いになったのだそうです、足に傷を負っていた小太郎は兄の與三郎に転がされて、風間の里を出て行ったのだそうです、配下はこの、
前の生き残りを含めて10人程で、

キズが治れば殿の前に姿を現すのだろうと言う事です、風間與三郎は小田原藩に新田開発のための資金を頼んでいるそうですが、財政難だと拒否されているとの事です、今の里は2200石、
で約300人が暮らしているそうです、ホオノキ、ニガキ、サクラ、ミズキ、タモなどの雑木、さらに倒木して土に埋まり数百年が経過して微妙な色合いがついた桂などの埋もれ木、神代、
(ジンダイ)を使用した寄木細工もやっており、

これの買い付けに商人が風間の里に出入りしているのだそうです、山間なので棚田しか作れず、開発は木を切り、根っこを掘り起こす為に、手間がかかり、いままでは少しか新田の開発、
はできてないそうですと話すので、そうか兄は良識のある者のようじあな、これ以上小太郎に加勢せぬように、要望を聞いてやる方が良いじあろう、飛猿と才蔵は風間の里に行き風間、
與三郎に会い、

わしの口上を伝えてくれ、ここに1万両の為替手形があるので、これを小田原の両替商で金寸に換えて使う事、開発は木を切り倒したら、根っこは火薬で爆破すれば、簡単に開発できる、
潅漑は水車を使えば良い、田んぼは馬にスキをつけて耕せば効率が良くなると図解入りで紙に書いたのです、寄木細工は箱根の温泉街に出店をつくりそこで商いをすれば多くの利が出、
るじあろう、

又小田原に出店を作り、ここではかまぼこを製造して、風間の里の物産とともに商うのじあ、行くいくは江戸にも出店を持ち商いを広げれば良い、米ばかりに頼っているとジリ貧になる、
それにこれは小田原藩に新田の税は永代2分にするようにと言う指示書じあ、小田原藩に差し出すと良い、言う事を聞かないならわしに文で知らせるように言うてくれ、何もしないで税、
が増えるのじあから素直に認めるであろう、

小太郎の今回の狼藉は、色々事情もある事じあから、不問に付してやるが、二と度は目こぼししないと言うてくれ、火薬は治世に使うのじやから問題ない、一樽届けてやれと言ったのです、
承知しましたこれより行ってきますと言うので、そなた達が戻るまで此処に留まり、藩内を回ってくるというと、それではと二人は出て行ったのです、エミが小太郎もおとなしくなれば良、
いですがと言うので、

多分又狙うじあろう、館林はこれから巡察する途中じあ、戸田行部とともに、襲ってくるかも知れぬ、館林藩内なら味方するものも、大勢いるじあろう、懲りない奴らだからなあと言うと、
殿の情けを何と思うているのですかねと言うので、逆恨みと言う事じあな、まあ、両家老の不正に蓄財した物を没収していないので、それをばら撒いて人を使うのであろう、かかってくれ、
ば一文も無くなるわけじあよと言ったのです、

遠山が館林藩内だと250人の藩士がおり、江戸にも200人からいます、隠居したといえ領内で50人は集められるでしょう、それがしが藩兵を率いて殿を守りましょうと言うので、そうじあな、
30人の騎馬隊で鉄砲30丁を用意してくれ、3連射すれば30人は倒せる、壊滅させてやろうと言うと、承知しました腕がなりますと言うので、明日でも何人か偵察に館林まで行かせてくれと、
言うと、

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