第69話

文字数 2,529文字


源三郎江戸日記(弟五部)69

翌日呼びに来たので総督府に行くと、今回はゴローニン少佐が交替の為都に帰還するので護衛の頭を務めて貰うと言うと、少佐が宜しくと握手したのです、冬の装備はナホトカで渡す、
ロシアの服も渡します、村上閣下と言って、通詞の政吉がロシアでは閣僚を、閣下と呼ぶのだそうです、殿様は村上閣下と言う事になります、私も閣下と呼びますと言うので、そうか、
わかったと返事したのです、

早速ロシアの軍船に乗りナホトカに向ったのです、少佐が最近カラフトと宗谷岬にハポンは砲台を築いたらよしいが、幅40里もあるので軍船でないと制海権は取れないと言うので、宗谷、
海峡の封鎖等できるはずはないが、樺太、宗谷に上陸せぬようにしているだけだと言うと、なる程われわれはナホトカとカムチャッカは海路を補給線としている、通行の安全を図るなら、
問題ないと笑ったのです、

しかしハポンの大砲は凄いな500間先の岩礁を砕く威力があるとは、あの大砲が設置されていれば侵攻するのは難しいと言うので、我が国は攻撃されない限り自ら攻撃はしない、ロシアは、
広大な領地を所有しているのにまだ土地が必要なのかと聞くと、領土は殆ど極寒の地にあるが、南には強国がひしめいているので出る事はできない、東で南に出れるところを探したが、
中々なかったという事だ、

清国との国境線は確定していない、ナホトカ、ウラジオストークは清国の領土だと言っているがロシアは認めていない、ロシア人、満州人、朝鮮人が住んでいる、ロシアが港を開発した、
東の不凍港であり、ロシアにとって重要な場所なのです、ロシアは国境線の確定をしたいと言っていいるが、清国が話し合いに乗らないのです、今はロシア人が沢山住んでいます、西側、
は、

エゲレス、フランス、プロシアがあり、ロシアの港は凍るので、冬は海に出る事は難しい、ハポンは北よりも南を気をつけた方が良い、エゲレス、イスパニアは琉球を伺っている程なく、
台湾はどちらかの、国の物になるであろうと言うので、あそこは清国の領土だ、清国が黙っているわけはないと言うと、清国は海軍力はないに等しい、侵攻を止めるに海軍が必用である、

エゲレス、オランダの海軍には手も足もでないのですよ、それに比べればハポンは船は小さいが銃、大砲の威力は凄い、なぜ大きな船を作らないのだと聞くので、鎖国しているので外国に、
航海出来る船の製造は禁止しているのだと言うと、それはおかしい、西洋列強はすでに清国の西の端には侵攻しているのだ、ハポンも他人事ではすまなくなる、ハポンは海に囲まれている、
のでもっとも必用なのは海軍力だと言ったのです、

私もそう思うが幕府の高官はそう思っているのは少ないのだよと言うと、村上閣下さえいなければ、千島列島、カラフトは容易く占領できたのだが、厄介な人が幕府の高官にいる事が分か、
ったので、ロシア政府は諦めて、清国の東北部を狙うでしょうと言ったのです、総督に金貨1000枚を渡したが少佐もいくらか貰った聞くと、100枚を貰った、これは報酬の5年分の価値が、
ある、有難うと言うので、

それは良かった、無事に着いたら後100枚を進呈するというと、大喜びして、それならなんとしても無事に都に送り届けねばと言って、短銃を渡し、これは2連発になっている護身用に持っ、
ていてくれと渡したので、有難うと受取ったのです、ナホトカに着くと上陸して馬そりに荷物を移し替えて、ロシアの服と防寒儀に着替えて、陸路を先まずはウラジオストークに向ったの、
です、

ウラジオストークでは総督が晩餐会に招待してくれて、ここから北に行くとシベリアだ、極寒な地域の横断だ気をつけていってください、今日は楽しんでくれと言ったのです、次の日に、
はウラジを出立して北に向うと、凍りついた大地が果てしなく続いています、よく、道がわかるもんだと感心すると、吹雪になると厄介なんですが、今年は暖冬みたいで旅も楽ですよと、
少佐が言ったのです、

その頃七衛門は各地を回り江戸に着いて、南町奉行の大岡忠相を尋ねて事情を説明して源三郎の文を差し出すと、何と、ロシアの都に皇帝に掛け合いに行かれたのかと愕いて、わかった、
早速上様にお渡ししょうと、城に登城して吉宗に拝謁して話しをすると、源三郎らしいな、しかし帰ってくるまで2年もかかる2000里のかなたへ行くと言うのかと愕いて、文を読んで、
なる程南に進出しないように釘を刺す積もりじあなと言うので、

大岡が我が国は鎖国しています宜しいのですか、これとばかりに幕閣で村上殿への批判が出ますと言うので、お役ごめん願いが出ておる、一旦お役御免として余が肩代わりすれば良いで、
あろう、どんな国かを見聞して貰うのも良いじあろう、我が国が蝦夷、カラフト、千島列島に砲台を築いたと知り、どんな反応をするかじあなと言うと、村上殿に危害は加えませぬで、
しょうかと聞くと、

カムチャカの総督が使者を乱暴に扱う国ではないと言うているそうじあ、もし抑留すれば報復としてロシア人を捕まえて、交換条件を出せば良いじあろう、まあ、源三郎の事じあ心配、
せんでも良いじあろう、女子共が心配せぬようにそちから上手くはなしてくれと言うので、かしこまりました、しかし、愕いた御仁ですなと言うと、そういう奴なのだよと吉宗が笑っ、
たのです、

少佐がまずはハバロスクと言う町にいきます、此処からは160キロあると言うので、40里と言う事かと言うと、途中に清国兵、あるいは馬賊に出会うかも、しれませんと言うので、襲撃さ、
れた事があるのかと聞くと、その為の護衛です、馬賊は銃はもっていないが、清国兵はもっている、最近ここから100キロはなれた町に兵を駐屯させているらしい、今までは偵察の10人位、
だったが、

兵を増強したとなると多くと出合うかもしれません、銃は10丁くらいのものでしょうと言うので、わたしの持ってきた銃は600メータ射撃できると言うと、それは凄いわれわれの鉄砲は、
500メータが最大到達距離だと愕いたのです、さらに炸裂弾50発ももって来ている、これを弓につけて飛ばせば馬が愕いて暴走するか当たれば吹き飛ぶというと、中々の用意ですねと、
少佐が言ったのです、

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