第3話

文字数 2,970文字


源三郎江戸日記(弟五部)3

相変わらず人の為に尽力しているのじあな、たまには浜御殿にも顔を見せてくりゃれと言うので、承知いたしました旅の土産でも持ちお伺いしましょうと言って、部屋を下がり月光院の、
元に行き、新しい御殿を建てるので、そこにお移りくだされと言って、天英院に言うた事と同じ事を言うと、天英院様が、城を出るのであれば、わらわだけ残るわけには行かぬであろう、
承知した、

わらわは元々紀州公と思うていたが、間部が尾張公が大奥の差配を任せると言っていると言うので尾張公に同意する事にしたのじあと言うので、そのような事を約束なされるはずはあり、
ませぬ、大奥は正室が取仕切る事になっておりますと言うと、間部めたばかったのじあなと言うので、お怒りなさるな生き残る為に必死なのですというと、まあ、よいわ家継は死んでし、
もうたが、

4年の間後見を勤めてくれたのじあから、感謝せねばと言ったのです、絵島は元気にしておるじあろうかと言うので、不自由なく余生がまっとうできるように手配りをしておきましょうと、
言うと、頼みます大奥のいさかいに巻き込んですまぬと思うていると言うので、その言葉も絵島殿につたえますぞと言ったのです、御座所にに行き老中を集めて、ことの経緯を話すと、
間部と井伊が、

月光院様が紀州公をと愕くので、間部殿つまらぬ工作はおやめなされ、これで紀州吉宗様が8代将軍と決まりもうした、それがしに一任した以上はいまさら異を唱える事はなりませぬと言、
って御三家に直ちに登城なさるようにと使者を立てたのです、御三家があっまったので源三郎が天英院様、月光院様が共に紀州吉宗様を8代将軍に推挙なされましたので、8代将軍は吉宗、
様となります、

こちらにどうぞと言うと躊躇するので、辞退はなりませぞと言うと、尾張公と水戸公がさあ将軍の座にお座りなされませと言うので、吉宗が座り、思いもよらぬ事にござる、承知致します、
が尾張公と水戸公には今後の尽力を賜りたいと言うと、2人が一生懸命に奉公いたしますと平伏したのです、二人が御座所を下がると、吉宗がそれではさつそく人事を刷新する、間部は、
お役御免とする、

新井白石は改易の上追放処分にする、後の者はそのまま政務をつづけよと言って、源三郎は残れ、後の者は政務に戻れと言ったのです、茶坊主に大岡を呼んでまいれと言うと、呼んで来た、
ので、これは大岡忠助じあ、今回わしが将軍になるに当たって、南町奉行に就任させると言うと、大岡忠助にございます、宜しくおねがいしますと言うので、町方差配は京極殿にござると、
言うと、

その上は源三郎じあ宜しく頼むと言うので、毎日出仕するのですかと聞くと、今まで通りで良い支配が増えただけじあと笑い、一旦紀州屋敷に戻り後のことを段取りして2日後に家臣40人、
をつれて出仕する、いずれも石高の低い者たちじあ、幕閣の人事は一新する、源三郎の推挙する者も教えてくれと言って、大岡と出て行ったのです、なる程総て用意してあった訳か抜け目、
がないと笑ったのです、

間部が戻って来て、やっぱり罷免されました改易は必須でござろうかと聞くので、そこまではなされないでしょうと言うと、月光院様への工作は吉宗公はご存知ですかと聞くので、いいや、
知らないと思いますと言うと、内緒にしてくだされと言うので、それがしが喋る事はないが、尾張公がやったとして仲が悪くならねば良いが、月光院様に口止めなさる事じあなと言った、
のです、

屋敷に戻りみなを集めて8代将軍は吉宗様ときまった、これまでと同じに勤めよ、間部殿はお役御免になり新井白石殿は改易追放となったが、これは報復人事ではない、口さの無い者が、
噂をたてるであろうが惑わされてはならぬ、当藩はいままでとおりじあ、色々余計な仕事は押し付けられて、わしは治世をみる事はかなわぬがみなが協力してやってくれと言うと、
ハハハッと平伏したのです、

江戸家老にまた苦労をかけるが宜しくなと言うと、なんの、おまかせくださりませ、どういう政策に変わるのですかと聞くので、多分倹約令を出して旗本を締め付けられるだろうと言う、
と、江戸の町から火が消える事になりますな、そんな事やれば幕府への冥加金が減り財政が逼迫するのではと言うので、幕閣の賂等を一掃するのが目的じあと思うが、長年しみついた、
ものは中々落ちんからのう、

さりとて、全員お役ごめんには出来ぬむじあろう、さじ加減が難しいのじあと言うと、大奥にも手をつけられて、約束を反故にされるとまいるなと言うと、我が藩から補填すれば宜しい、
のではと言うので、一部だけ優遇するわけには行かぬじあろうと言うと、それでは月に200両稼ぐ手立てが必用ですなと言うので、そうじあ御殿に薬草園を作って、朝鮮人参等の薬草を、
栽培して貰えば、

月に100両は稼げるな、それに幕府から奨励金を月に100両出す事にして、他に幕府の診療所を作り貧乏人は無料で治療する、そこに薬草を納める事にすれば、無駄使いでは無くなる上様、
も文句言えぬじあろう、診療所の費用は年に5000両はかかるじあろう、大岡に上申させれば良い、これは良い方法じあと笑い、多分化粧料は半分にしろと言うはずだ、年2400両が補填で、
きる訳じあよと言ったのです、

2日後に吉宗は家臣40人を引き連れて奥に入り、しばらくして朝廷から将軍宣下の勅使が江戸に下向して、将軍宣下の詔がくだり正式に8代将軍が誕生して、お梅の方が大奥に入っので、
す、数日後には天英院と月光院は城を出て侍女を連れてそれぞれの個御殿に移ったのです、町奉行以下の幕閣の人事が刷新され、老中に久世大和の守が入り新体制が始まったのです、

みんなを前にして吉宗が幕府も緊縮財政にしなければならぬ、いくら金蔵に金があるとしても、膨らんだ経費の節減を行う、まずは大奥の改革じあが、膨らんだ化粧料を半額とするがと言、
うと、井伊がそうなりますと、天英院様と月光院様の化粧料も半額にしなければなりませぬがと言うので、そこじあよ、お二人はわしを将軍に推挙してくだされた、むげにはできぬ何か、
良い方法はないかと聞くと、

井伊がお2人を特別扱いになされば大奥が承知しないと思いますと言うので、じやから、何か良い方法はないかと言うておると言うと、誰も発言しません、ならば源三郎どうじあと聞くの、
で、井伊殿が言うわれる通りです、この際半額になさりになり、違う形で補填なされば良いので御座います、まず、御殿に薬草園を作り朝鮮人参等の薬草を作ります、次に上様の人徳を、
高める為に、

どこかに無料の診療所を作り治療代の払えない者を無料で治療するのです、これには年間5000両はかかるでしょう、御殿で栽培した薬草はここで総て使う事にして、薬の代金として100両、
を天英院様と月光院様に下しおかれる事にするのです、さらに奨励金として毎月100両をお下げわたしになれば年間2400両が補填できます、先代のお方様が上様の施策に助力されるのです、
から大奥も文句は言えませぬ、

又診療所をお作りになる事により上様の新しい人徳の治世が民に伝わりますと言うと、みんながなる程さつそくの施策を町衆は喜びますなと言うと、吉宗が中々の奇策じあ、忠助ただちに、
診療所の件は上申せいと言うと、承知仕りましたと言ったのです、

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