第84話

文字数 2,708文字


源三郎江戸日記(弟五部)84

国境を越えて進んで行くと右前方に海が見えて、その丘に大きな城が建っています、さすが伯爵の城だな、それに城下も大きい町並じあと言うと、海軍長官だったそうで、代々の名家、
なのですよ、父とも懇意にしていました、この城にも何回か遊びに来た事があります、管理人の頭トムとは顔見知りですよ、もっともまだ13才の時でしたがと言ったのです、城壁に、
行き門をくぐると、

門番にジヤパンの大臣閣下ですよと言うと、頭から聞いております、城に案内しますと言って案内したので、城の橋を渡り中に入り馬を降りると、ここを管理しているトムですと言うの、
でジヤパンの村上源三郎だ、伯爵の好意により造船所を見学に来たと言って握手すると、お伺いしています、明日に案内しましょう、今日はこの城でゆっくりしてください、夕方には、
みんなを呼び一席設けますというので、

それは済まぬなと言うと、最上階の部屋に案内して執事が窓を開けると、眼下にはブルーの海が広がり島が点在しており、風光明媚な部屋です、これは凄いと言うと、トムがおきに召し、
て頂いて良かったです、シヤワーでも浴びてサツパリしてくだされ、後で執事が呼びにきますと言うと、部屋を出て行ったのです、この城を落とすのは大変じあな、裏は断崖絶壁だ、
攻めては町からと言う事になるが、

ここまで来るには相当な犠牲が出るじあろう、わしなら裏の断崖絶壁を登り、背後から不意打ちを食らわして門を開けて一気に突入すると言うと、そんな無茶な攻撃をするのは源三郎、
くらいの者ですよ、見つかれば全滅ですと言うので、忍び込むのは少人数で良い、中に入ったら爆薬を色んな所に仕掛け、導火線の長い物に火をつければ、敵が何処から侵入したか、
分からずに、

慌てふためくだろう、表門を爆破して一気に突入すれば城方はたまらず、裏門から逃走するはずだ簡単にこの城は手にはいるぞと言うと、なる程逃げ道を作っておくのですねと言うので、
敗走すれば恐ろしくなり、城を奪い返そうとはせずに、四方八方に逃げると言うわけだなと笑ったのです、シャワーを浴びてゆつくりしていると執事が呼びに来たので大広間に行くと、
大勢の人が集まっています、

トムが遠いジヤパンから外務大臣閣下が当地にお見えになりました、村上閣下は伯爵の友人でもあります、今日はささやかですが、歓迎の宴をもようしますと言って、一言と言うので、
ジヤパンはエゲレスからは9000キロも遠く離れた東の国です、エゲレス国と同じに大陸の隣の島国であります、世界の海軍強国エゲレスに来て町の繁栄と近郊の農場の豊かさに愕いて、
てます、

又このような宴を開いていただき感謝しています、エゲレスとジヤパンが仲良くできる事を祈っていますと挨拶したのです、トムがイギリスとジャパンの繁栄にと言って乾杯し宴席に入、
り、宴会は夜おそくまで続きみんなで歓迎してくれたのです、翌日はトムの案内で港の造船所に行くと、此処は伯爵の造船所です、国内から多くの注文を受けて漁船、商船、軍船を作っ、
ています、

あの岸壁に係留してあるのは先月進水式をおえたフリゲート艦で今は艤装を行っています、排水量750トン、両舷に砲24門を装備して、3本マストの帆船です、従来はロンドンからアメリカ、
のニューヨークまでは2月かかりますが、この船では1月で行く事が出来る高速帆船です、ロンドン、アメリカ西海岸、オーストラリアのまで4ケ月でいける事になり、西海岸からジヤパン、
には2ケ月で行く事ができますと言うので、

それは凄い世界は段々せまくなるのですなと言うと、強力な艦隊を持つ国が世界を支配する事になります、ジヤパンも鎖国していられない時期が来ますよ、しかし太平洋は広いですから、
大きな艦隊を率いての遠征するにはまだ暫くかかるでしょうとトムが言ったのです、750トンと言うことは5000石船に相当するのか、我が国の1000石船の5倍の大きさになるのかと感心す、
ると、

多分伯爵はこの船でアメリカに寄り、オーストラリアに向かうと思います、閣下も乗れますねと言うので、それは楽しみだねと言うと、それでは中を案内しましょうと、船の中、造船所の、
中を案内したのです、港には多くの漁船が係留してあり、市場は活気づいていたのです、色々町を見物して港の食堂に入り昼食を食べて、昼からは船に乗り海からの景色を堪能したのです、

翌日はロンドンに戻り、町を一日見物して船でフランスに渡ったのです、カレーに上陸すると大勢のイギリス兵がキヤンプを張り本国への帰国を待っていたのです、二人は船を降りて馬を、
調達してパリに向かったのです、程なくパリに着き外務省に顔を出すと外務大臣室に案内されて、駐在ロシア大使から連絡を受けています、フランスへの訪問を歓迎します、アリサは5年、
振りだね、

伯爵は冤罪が晴れたようで良かったなと言うので、アリサがイギリスと休戦されたそうで良かったですと言うと、これで西欧での戦いは終わったが、植民地の戦いはなお続くだろう我が国、
も植民地なくしては成り立たなくなっているからねと言ったのです、源三郎がご好意感謝しますが、非公式な訪問なのでお気使い無用にしてくだされと言うと、承知しました、自由に国内、
を見分して下さいと外務大臣が言ったのです、

外務省を出てアリサの知っている、ルーブルホテルに宿泊することにして中に入ると、支配人が出て来てアリサ様、お久振りですと言うので、この方はハポンの大臣閣下ですと紹介すると、
遠い所からパリまで、よくおいで下さいました、当ホテルは歴史のあるホテルです、精一杯お世話しますと言って二階の部屋に案内したのです、部屋の下にはセーヌ川が流れており静かな、
たたずまいのホテルです、

ホテルに荷物を預けて部屋のテーブルに座るとメイドがコーヒーを入れたので一口飲み、中々の部屋だなこの調度品も素晴らしいというと、父がフランスの公使をやっていた時には外国の、
お客様はここに泊まって貰っていたのよ、宮殿や美術館やオペラ座もすぐ傍にあるので、とても便利なのと言ったのです、少し休んでシャンデリゼ通りを歩いてみましょう、とても綺麗な、
大通りですよと言うので、

なる程とても綺麗に整備されている町並みだね、ハポンにも京都と言う町があり、とても整備された町でミカドと言う皇帝がいるが、政治は江戸の将軍がやっており、ミカドは君臨してい、
るが統治はしない事なになっていると言うと、イギリスでは諸侯がそれを要求しているらしいけど、国王が認める事はないわ、もし認めれば、フランス、ロシアにも飛び火して大変な事に、
なるわとアリサが言つたのです、

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