第55話

文字数 2,726文字


源三郎江戸日記(弟五部)55

松蔵にアイヌに今の条件を示し、待遇を改善したので、怠けてはならぬと言うのだと言うと、松蔵が話すとみんながお~と、声を上げて喜んだので、仕事に戻るように言って、それでは言、
い付けを守れよと言うと、現場を後にして、札幌に戻ったのです、札幌で飛騨屋の番頭に行き先を聞くと、千島に行ったと言うので、切り出し場のアイヌとここでの給金も示した条件を守、
るように言って、山本に月末に監査するように言い付けたのです、

飛騨屋の奴千島に先回りして細工をする積もりじあろう、あそこであんな事をやっているのだ、千島は目がで届かないので、もつと搾取しているに違いないと言ったのです、ここは旅籠が、
ないので、船に戻り稚内に向ったのです、七衛門が今日は海鮮料理だそうですと夕餉を並べたので、みんなで杯を重ねたのです、船頭が明日の朝には稚内に着きますよ、飛騨屋の船は夜は、
走れないので、

松前に戻り、室蘭、苫小牧、釧路、千島に行くでしょう、2日はかかるはずです、この船なら稚内に寄っても、先に国後に着きますと言ったのです、松蔵が飛騨屋は札幌、松前、函館では、
搾取はしていないようですと言うので、目の届くところではどの商人もやっていないのじあよ、札幌、幌内は山本が査察するので、搾取は出来なくなると言う事じあな、ただ千島列島は、
わし達がいなくなれば分からぬ、

内陸部の開発が進めば、もっと悪徳な商人が増えると言う事じあな、アイヌの保護地を決めないと、狩場も少なくなり反抗する部族も増えるじあろう、頭の痛い事じあな、ここを大々的、
に開拓するには100万両からの資金が必要じあ、とても幕府だけではやれないので商人の力が必要なんじあよと話すと、宗憲がどうしても石炭が普及させて、その開発を中心にすれば商人、
もこぞって参加しますねと言うので、

本州に普及させるのは難しいな、薪で十分な所が多いからなと言うと、暖炉みたいな大きな物ではなく、鉄の箱に入れて煙突をつけて暖を取る小型の物にすれば、寒い地域には普及する、
のではないですか、特に冬場の漁師小屋などや内陸部の小屋などですと言うので、なる程ようするに黒い煙を煙突で逃がせば良いわけだな、それは良い工夫じあなと褒めると、宗憲が、
喜び、七衛門が船なんかにも役に立ちますねと言ったのです、

次の朝には稚内に着き上陸すると、稚内警備頭飯沼兵四郎で御座います、こんな遠いところまでの巡察、ご苦労様ですと言うので、ご苦労な事じあな、まずは砲台を見て回ろうと言うと、
案内したので見て回ると、試しに撃ってみますといって、玉込めと飯沼が命令して放てと言うと、どか~んと音がして玉は海にむかって飛んで行き、水しぶきを上げてたのです、これで、
は照準が付けにくいであろう、

今の角度で300間と言う所じあな、大工の出来る者はいないかと聞くと、いますと言うので、砲身が角度を変えられるように絵に描いて歯車を取り付けるように言って、今の角度が大体、
30度だから、これを45度にすれば500間は飛ぶぞと言って、大砲の台座に石を入れて45度にして撃たせると、弾は500間先に届いたのです、みんなが愕いています、角度を少しづつ変え、
れば、

船に当てる事が出来るので、改造するのじあ、ロシア人が来たら見せてやれば、船の大砲は角度がないので飛んでも250間くらいじあ、ロシア人が愕くじやろうと言うと、早速改造させ、
ますと言うので、たまには酒でも振舞えと酒樽を渡したのです、冬は漁の為に商人がいますが、夏はおりませんので、ロシアの船が来たら陣屋から水、野菜、薪、鶏肉を渡して、銀粒、
と交換しています、

野菜はこの陣屋のそばで、南瓜、人参、ジャガイモ、とうもろこしを作っています、他の物は難しいですと言ったのです、冬は風が強くて大変ですが、部屋には暖炉が作ってありますの、
で、部屋の中は暖かいです、石炭を使っています、あれは火力が強くて薪よりも優れものです、タダ臭いになれないと大変ですが、直ぐになれますよと言ったのです、冬にはニシンと、
鮭が押し寄せて、

魚の宝庫になります、海岸の小屋には漁師が沢山冬篭りしますと言ったのです、それでは鉄の箱を作り、煙突を外に出して、そこで石炭を燃やせば漁師小屋でも役に立つだろうと言うと、
松蔵が函館で作って試して、網元に商いをしますと言ったのです、巡察は終わりです、大変な役目ですが頑張ってくださいというと、船に戻り国後に向ったのです、ここからは半日の、
距離です、

国後には夕方に着き北側に船を進めるとロシアの船が一隻止まっています、よし威嚇しょうとその船の左側の岩礁に狙いをつけて、6門同時に発射しろ岩礁は吹き飛んでなくなるじあろう、
と言うと、七衛門が玉込め、放てと言うと、どか~ん、どか~んと音がして岩礁に当たり次々と爆発したのです、岩礁は跡形も無く吹き飛ぶと、ロシア船上に沢山の乗組員が集まり、
こちらを見ています、

小船に乗り込みロシア船に近づき乗り込むと、我々は幕府の役人だあの大砲の威力を見ただろう、この船は一瞬にて木っ端微塵じあぞと言うと、わたしが船長のイワンだ、我々はアイヌ、
と交易に来ているだけだ、カラフトと千島列島での交易はみとめていると聞いたがと言うので、アイヌは和人だ無体な事をしないなら許可するが、タダで物を取り上げるのは許さぬ、
これよりヌイヌの村に行き、

事情を聞きそのような事をやっているのなら、この船もろとも大砲で木っ端微塵にするが良いかと言うと、まて、交易の金は払うが銀は受取らぬだと言うので、我々の物はアイヌは食わ、
ぬ、交換するものは酒しかないのだと言うので、これよりは受取るようにさせよう、その銀が和人と交易できるとは知らないのだ、これからそれを承諾させようと言うと、宜しく頼みた、
いと手を出すので、

握手をしたのです、小船に乗り上陸してアイヌに村に案内させると、村長が出て来たので松蔵に通訳させると、よく来たと言って家に案内するので中に入り、米、味噌、醤油、酒をお土産、
に持ってきたというと、それは有難いと喜んだのです、ロシア人が渡した銀粒を見せて、これを受取り交易してくれ、これは和人の金としても通用すると言うと、本当かと言うのでこの粒、
一つで米一俵は買えるというと、

そうかね、それならラッコの毛皮と交換しても良いと言ったので、松蔵月に一度ここに来てロシアの銀を米、味噌、醤油、酒と交換してくれと言うと、承知しました、松蔵が他の村長にも、
連絡してくれ、月に一度ここに交換にくるので、ここに集まれば良いと言うと、わかった、さつそく国後の村長に知らせようと言って、南のアイヌは無理だと言うのでなぜだと聞くと、

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