第82話

文字数 2,922文字


源三郎江戸日記(弟五部)82

夕餉が終わると、伯爵が夜のロンドンを見てくるが良い、アリサは懐かしいであろうと言うので、連れ立つて屋敷を出て馬車に乗り繁華街に出たのです、夜でも街頭に明かりがともり、
大変賑わっています、アリサが馬車を止めてここはカフエバーと言ってお酒を飲みながら話しをする場所よ、庶民的な店ですよと言うので中に入ると沢山の人がテーブルを囲み酒を、
飲んでいます、

ビールと肴を頼んで、アリサと乾杯したのです、これはソーセージと言って豚肉を内臓の腸の袋につめて焼いたものですと言うので、一口食べると中々美味いので、肉を柔らかくした物、
かビールのつまみに良く合うと言うと、西洋は豚肉、牛肉の料理が多いのですよと言うので、さすがに魚の刺し身はないなと言うと、サシミですかと聞くので、ジヤパンは魚を生で醤油、
をつけて食うのだよと言うと、

イタリアに行けばマグロを野菜に混ぜてカルパッチョと言う港の料理がありますと言うので、ジャパンは牛や豚は食わないのだよ、肉は鳥肉、猪の肉は食べるが、ほとんどは魚と言う訳、
なのだよと話すと、なぜですかと聞くので仏教の教えは殺生してはいけないと言う事なので、いつのまにかそうなったのだそうだよと言うと、牛はいないのですかと聞くので、いや農耕、
用として使っているよと言うと、

宗教によって食べ物が禁止されるのは、おかしいですねと言うので、ジヤパンも今から100年前は食うていたそうじあが、世の中が平穏になり僧侶の力が強くなり、わけの分からない事を、
言い出したのだろう、私が生まれた時はそうなっていたので不思議には思わなかったがと言うと、キリスト教も神父が力を持ってくると色々な事を言い出す者がいます、他の宗派を非難、
して、

時の権力とつるみ異端者として処刑した歴史もあるのですよ、特に不思議な力を持っているものは嫌われますと言ったのです、1人の老人が傍に来て、あなたは清国人ですかと聞くので、
いやジヤパンだと言うと、オランダ船の船員として長崎に行った事があります、もう随分昔ですがと言うので、席を勧めると座ったので、ビールを頼みどうぞと言うと、有難うと言うの、
で杯を重ねたのです、

あんな遠い国からわざわざ来られたのですか、私が行った時はアメリカの西海岸から3ケ月かかりましたよ、魚がとても美味かった事を覚えています、それからゲイシヤは綺麗でしよと、
懐かしそうに話したのです、こちらのお嬢さんはと聞くので、アリサがロシアとフランスの混血です、源三郎の通訳ですよと言うと、そうですかこんな綺麗な女性の通訳とは羨ましい、
イギリスも良い所が沢山ありますよ、

大きな声では言えませんが、フランスは大陸での戦を諦めて帰国させるそうです、小領主は、ほとんどフランスに出兵してまだ帰国していません、帰国しても負け戦なので皇帝陛下から、
は褒美は出ず領地は大変で、盗賊が出没しているそうです、旅には気をつけてくださいと言うので、代官は取り締まらないのですかと聞くと、領主がいないのをいい事に盗賊とつるんで、
いる悪い代官も多いと聞きます、

アメリカ、フランス、インドと皇帝陛下の兵は出払っていますので、治安維持の為の兵も出せないそうなのです、わたしは明日、フランスへ引き上げ船に乗り、行く事になっています、
カレーの海岸には多くのエゲレス兵が、船を待っています、無事連れ帰えらねばなりません、と言ったのです、ただ連れ帰ってもアメリカかインドに行く事になるでしょう、アメリカ、
はエゲレスが支配していますが、

大陸軍をフランスが支援している為に苦戦しているそうです、インドではエゲレスが有利でもう少しでフランスを駆逐できるそうです、西洋での戦いは終わりましたが、植民地の利権争、
いは簡単には終わらないのですよと言ったのです、色々話すとご馳走になりましたと老人は席を立ち店を出て行ったのです、国内の治安が悪いのなら馬車はやめて騎馬にしょう、

アリサの弓の腕が役に立つねと言うと、まかしておいて、盗賊等一撃で撃退するわというので、それは頼もしいと笑ったのです、ロンドンの町は帰ってから見物する事にして、明日は、
造船所の見分に行こう、伯爵の領地にあると言っていたので、朝出れば夕方には着くだろう、城に泊めてもらい明後日見学する事にして、戻ってきたら次はフランスに渡ろうというと、
パリに行くにはカレーが一番近いわ、

休戦しているならパリには入れると思う、しかし、何年もフランスとイギリスは戦いを繰り返しているのよと言うので、隣の国どおしは大体仲が悪いもんだよ、しかし、エゲレスは、
ジヤパンと同じに海が防波堤の役目をしているので、侵攻は難しい土地だね、又フランスは広いのでエゲレスも完全征服は不可能だ、仲良くした方が戦費もかからず良いと思うが、
両国もいまや植民地が国の財政をになっているので、後には引けないのだろうと言ったのです、

翌日は荷物を預けて、金貨、銀貨、鉄砲、弓、炸裂弾をもって伯爵の領地に、向かったのです、ロンドンを出ると穀倉地帯の緑が広がっており、小麦、とうもろこし畑が広がっています、
小さな宿場町に来たので、そろそろ昼だなあそこの飯屋に入ろうと言って、馬を止めて中に入り昼食を頼むと、ビールを出したのでアリサと杯を重ねたのです、ここの領主はと聞くと、

リチヤード子爵の領地だが今フランスに出征していなさる、奥方が切り盛りされているが、代官は悪い奴で無頼者とつるみ過酷な税の取立てをしているんだよ、あんたが方も気をつけな、
され、この宿場で飲み食いして金も払わないのだが、代官は知らん顔していると言ったのです、昼飯を食べていると、無頼者と思われる男3人が入って来て入り口の席に座り、酒を頼ん、
だのです、

1人の男が立ち上がり傍に来て、東洋人のようだが何処に行くのだと聞くので、何処に行こうと勝ってだろうと答えると、中々威勢が良いな、この女は借りるぞとアリサの手を握ると、
アリサがばか者と持っていたフオークを握った手に刺すと、うわ~と言って手を放し、フオークを抜いてアリサに向けたので手を捻るとひつくり返ったのです、他の者が立ち上がり剣、
を抜いたので、

ここでは迷惑だ外に出ろと言うと、おもしれえと3人が外に出たので、源三郎も外に出ると、こんな処まで来て命を失うのは馬鹿な奴だ、おとなしく、女を渡せば命は助けてやると言う、
ので、命を失うのはお前達の方だと言うと、さつきの男がなまいきなと言うと切りかかつて来たので、抜く手もみせず踏みこんで切り下げると、ぐわ~と言うと仰向けに倒れたのです、
続いて右左に切り下げると、

2人は剣を落として転がったので、浅く切っておいたが止血しないと命が危ないぞ、仲間に言っておけ、そうそうにこの宿場を出て行かないと、こんどは首が飛ぶぞと言うと、剣をもち、
立ち上がると、覚えていろと言うと走りさると、みていた周りのものが手を叩いて喜んだのです、飯屋の主人がまさに東洋の騎士ですね、さあ飲みなおしてくださいと中に招き入れて、
追加のビールを出して、今日は私の驕りですと言って、みんなにもビールを驕るぞと言うと、お~と声がして、皆が喜んだのです、

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